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第一話 いただきます!
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「ふむふむ…まさか僕の忠告を無視して、本当に魔大陸に侵攻するとは思わなかった。」
僕の名前は、ディスト・ランゼウス。
現在、魔大陸に侵攻している勇者ディランとは、元パーティーメンバーの1人だった。
…そう、元がつくんだ。
ディランは冒険者の初級の頃から、「いずれは大魔王を倒して、世界に名を轟かせる勇者になる!」というのが口癖だった。
そんな時にパーティーメンバーを集めている最中に、最後の1人のメンバーに選んだのが僕だった。
その頃の僕は、レベルも低レベルの上に、冒険者ギルドランクも最低位のGランクだった。
だが、そんなディランの性分なのか…?
僕に気軽に声を掛けてくれて、仲間としてパーティーに参加させてくれた。
それから4年が経ち…
ディランとパーティーメンバー達は、次々にクエストを達成して行きレベルも上がって、遂には大魔王の幹部の討伐を果たす事が出来た。
それらの功績がバステリンディウス王国の国王に認められて、大魔王を討伐出来る期待をされて…勇者の称号と聖剣を与えられた。
それらの功績には、パーティーメンバーの功績も大きかったのだが…?
1番の功績は、僕のスキルによるものだと言っても過言では無いだろう。
僕のスキル………それは、パーティーを組んだ者達に獲得経験値数○倍の効果を与えるものだった。
このスキルは、パーティーを組んだ事による時にしか発動しない為、僕自身のレベルが上がるのは極端に遅かったのだった。
その当時のディランは、こんな事を言っていた。
「ディストの価値を知らん連中は、今頃後悔しているんだろうな。」
…そう、僕のスキルのお陰で、パーティーメンバー達は少ない時間であり得ない位にレベルが上がって行ったのだ。
そのレベルは、中級冒険者のレベルと同レベルだった。
※中級冒険者のレベルは、大体50位だと思って下さい。
レベルが上がると、様々なステータスが上昇する。
そのお陰で、覚えられる剣技や魔法が増えて行き…?
最初は初心者クラスのクエストしかクリア出来なかったのが、中級冒険者と同じクエストをクリアする事が出来ていた。
更には、それによって報酬額も変わって行った。
………思えばこの頃からだっただろうか、パーティーメンバーの態度が横柄になり始めたのは?
【貧しい者が大金を獲ると、気が大きくなって最後には破滅を描く…】
まさに、そんな典型的な言葉が当てはまる様な感じに片足を突っ込んだ様だった。
これが切っ掛けになり…パーティーメンバー達は更に調子に乗り始めた。
そして、清き勇者を目指していたディランも…また。
ここからが良くある話になる訳だが、そんな調子付いたディランとパーティーメンバー達は、出会ってから今迄に共に旅をして来た仲間である僕を邪険にし始めて行った。
そりゃあそうだ、皆とは対照的に…僕のレベルは、ディラン達と出会った時と同じレベルが一切上がってない訳だからだ。
そして……遂にあの言葉をディランが告げる事になる。
「ディスト、これからの旅はお前が居ると足手纏いにしかならない。なので、ディストにはパーティーを離脱して貰おうと思う。」
「そんな………僕達は一緒に頑張って来たじゃないか!」
僕のそんな言葉に、ディランは両腕を上げてパーティーメンバー達を見て、やれやれという表現をした。
「ハッキリ言ってやらないとダメみたいだな、お前はもう不要なんだよ!ディストのスキルは、確かに役に立った…が、ここまでレベルが上昇した俺達に、お前のスキルはもう不要なんだよ‼︎」
「そんな…ディラン、まさか君も僕の事を利用しただけなのか⁉︎」
「ここまで言えば、流石のお前も気付くよな?そうだよ、最初は荷物持ち程度にしか考えていなかったお前を拾って、少しは役に立てば……と思った程度だったが、まさかお前にこんな素晴らしいスキルが備わっていたなんてな?とんだ拾い物だったが…ここまでレベルが上がった俺達には、お前のスキルはもう不要と判断した。」
僕は膝から崩れる様に座り込んで、拳を地面に叩き付けた。
まさか、信じていた仲間達に裏切られるとは思わなかったからだ。
「この先、俺達は…大魔王がいると言われる魔大陸に侵攻する。」
「まさか…無謀だよ!君達は確かに急激なレベルアップにより高レベルと強さを手に入れた……けど、実戦的な経験値は全く足りてない!そんな状態で魔大陸に侵攻をすれば‼︎」
「残念だったな、このままディランにくっ付いて行き…大魔王を倒す事が出来れば、お前もそのおこぼれにあり付けると思ったかもしれないが…」
「まぁ、俺達が大魔王を倒して富を得た話を、1人寂しく耳にすると良い!」
ディランとパーティーメンバー達は、そんな僕の忠告が耳に入っていなかった。
そんな僕達はアノリウスの街で別れる事になり、ディランとパーティーメンバー達は旅立って行ったのだった。
僕は1人残されて絶望感に浸っている………訳では無かった。
まさに読み通り過ぎて、可笑しくて堪らなかった。
「ディラン達も今迄の奴等と変わらなかったか、全く………人間って、大きな力を手に入れると自惚れる輩が多いんだな。」
…そう、これは僕の計画の内だった。
欲に駆られた者は、すぐに仲間を裏切る。
そして……最後には身を破滅するのだ。
それから数ヶ月後、僕の忠告を無視したディラン達が魔大陸に侵攻したという噂を聞いた。
ディラン達は、そこでも大きな活躍をしているとも話だった。
…なので、そろそろ頃合いだろう。
僕はディランに、念話を送る事にした。
念話のスキルは、本来なら僕のレベルで使える訳ではない。
だが、そんな僕が念話を使えるのには、ある理由があったからだ。
{ディラン……聞こえるかい?}
{この声は、ディストか⁉︎}
{御名答…そう、僕だよディラン。}
{お前……念話なんか使えたのか⁉︎}
{まぁな……それにしても、魔大陸上陸おめでとう!}
{そんな事を言いに、念話をしたのか?…っていうか、今は戦闘中だから後にしろ‼︎}
{いやいや、大事な話があるんだから……聞けよ!}
{ディストお前……生意気だぞ‼︎}
{ケッ……全く、僕のスキルのお陰で上級冒険者と同じレベルにまで達して、更には忠告をしたのに無視してくれてさぁ…}
{そんな事を言う為に、念話なんかして来たのか?}
{いやいや、もっと大事な話をする為だよ。}
{大事な話?}
ディランは焦った感じで聞き返して来た。
……っていうか、当たり前か。
現在は戦闘中とか言っていたからな。
{僕をパーティーメンバーから追い出した為に、そろそろ僕のスキルの加護が切れる事を伝えようと思ったんだよ。}
{お前のスキルって…獲得経験値数○倍の事か?}
{そうそう……僕のスキルの獲得経験値数○倍はね、僕がパーティーメンバーとして活動している間は、その加護を受けてレベルが永久的に続くんだけど…僕が離脱するとね、僕がパーティーメンバーに参加した時からスキルの加護で稼いだ経験値が失われるんだよ。}
{な、何だと‼︎}
{僕と初めて出会った時のディランとパーティーメンバー達のレベルは、確か平均が12だったよね?それで、現在が平均80位だから…もうじき、一気にレベルが68ダウンするということになるんだよね。}
{そ、それは………いつの話だ⁉︎}
{もうじき……というか、僕が解除と叫べば皆のレベルが出会った時のレベルに戻り、稼いだ分の経験値は僕に加算されるんだよ……つまり、僕は異常な強さを手に入れて、お前達は一気に弱くなるという事さ。}
{何だと⁉︎仮に……そ、その話が仮に本当だったとしてもだ!}
{だから、本当だと言っているだろうが…}
どうやら、ディランは僕の話を疑っているみたいだ。
まぁ、戦いの最中にそんな話を振られて混乱している最中、信じろというのがそもそも無理な話だ。
{仮にお前の言っている事が本当だったとしても、俺には聖剣があるし、皆もレジェンダリー装備がある。仮にレベルを奪われたとしても…}
{なるほど、それ程焦っている様子が見えなかったのはその所為か…}
{そうだ!だから……}
{なら………アポート!}
{⁉︎}
僕は、魔大陸にいるディランとパーティーメンバー達から、聖剣やレジェンダリー装備を転移魔法で呼び寄せた。
…なので、今頃…?
{何だ‼︎いきなり武器が消えたぞ⁉︎}
{ディランの聖剣も、パーティーメンバー達の装備品も僕の目の前にある。}
{何だと⁉︎}
{この時代の魔大陸に…どんな魔物がいるのかは分からないが、レベルが高いとは言っても…丸腰ではキツイよね?}
{それがわかっているのなら、早く武器を返せ‼︎}
{アポートの魔法は、アクセラレーターだからね。送り返す事は出来ないんだよ。}
……なんか、ディランの背後からパーティーメンバー達の声が聞こえたな?
もしかして、誰か殺られたかな。
………ちなみに、離れた場所からディランの聖剣やパーティーメンバー達の装備品を移動させたのには、ある理由があった。
アポートの魔法は、1度でもその物に触れていないと効果は無い。
僕は旅の間…整備の為に、ディランの聖剣とパーティーメンバー達の装備品の手入れをする為に触れた事があったのだ。
{何か……危ない状況みたいだね?}
{分かっているのなら、何とかしろ‼︎}
{何とか……って言われても、僕は現在…お前等と別れたアノリウスの街の宿屋に居るからなぁ?}
{ぐっ……}
{何だよ、切羽詰まった声なんか出して……だが、絶望的な状況はまだ終わりじゃ無いぞ。解除…}
こう叫ぶ事により、ディランとパーティーメンバー達のレベルが一気に下がり、初心者パーティーのレベルになったのだった。
逆に、僕のレベルは…500を超えたのだった。
{ディラン、色々とお土産をありがとう。}
{ふ、ふざけるな‼︎}
{僕をパーティーメンバーから追い出さなければ、今でも有利に戦えていたかも知れないというのに…ねぇ、弱くなってどんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち~w?}
{お前の所為で、仲間達が次々とやられているんだぞ‼︎}
{そりゃあ、狂暴な魔獣が生息する魔大陸に武具も無く、レベル10前後が彷徨いていれば…なぁ?}
{ディスト、お前は一体何者なんだ‼︎}
{ふむ……どうせ、生きては帰って来れないんだし…冥土の土産に教えてやるよ。}
僕はディランだけに、保護結界を施した。
本来なら魔法を施す場合は、目の前に対象が居なければならないのだが?
念話で繋がっている相手には、離れていても施す事が可能なのだ。
これで、パーティーメンバー達は殺されていても、ディランだけは攻撃を受けないだろう。
{僕の名前は、ディストランゼウス…現代の大魔王ドゥルガディスより、五代前の大魔王になるべく覇権争いをして敗北し、瀕死になっていた時に禁忌魔法を発動したら…この時代に転生した元魔王さ。}
{元…魔王だと⁉︎}
{ディラン、不思議に思わなかったのか?4年も一緒にいて、僕のレベルもだが…身体が全く変化していなかった事に。}
{……確かに、お前は会った時から全く成長していなかったな?}
{念話もだが、特殊なスキルを会得しようとすると…レベルもだが、年齢も犠牲になってしまい…成長が止まってしまうんだよ。だから、この数十年は姿が変わらなかったというわけさ。}
{……その話が本当なら、お前は一体幾つ何だ‼︎}
{さぁ?途中から数えるのはやめたよ。僕は人間では無いからね…}
{……という事は、お前はパーティーに参加したのは初めてでは無いんだな?}
{正解!以前に所属していたパーティーも、ある一定のレベルまで上昇した時に追い出されたんだよね。まぁ、そのお陰で…大量の経験値を入手出来たんだけどね。}
その大量に入手した経験値は、様々なスキルを取得する為に活用させて貰った。
そのお陰で、本来なら手に入らないスキルや魔法を取得する事が出来たのだった。
{さてと、これで知りたかった話は全て……では無いが教えてやったので、これでお別れだ!}
{クソォ……お前は碌な死に方は死ねぇぞ‼︎}
{そんな事はわかりきっているさ、あばよ!}
僕はディランに放った保護結界を解除した。
…と同時に、ディランの断末魔を聴いたと同時に念話が遮断された。
「ディランも…もう少し利口な奴だと思っていたんだが、見込み違いだったか…」
まぁ、そのお陰で…更なるスキルや魔法を取得する為のレベルが手に入った訳だし、イケすかなかった奴等だったが、少しは感謝をしてやるか。
こうして、元魔王のディストランゼウス……もとい、ディスト・ランゼウスの物語が始まるのだった。
果たして、ディストの次の目的は…一体何なのだろうか?
僕の名前は、ディスト・ランゼウス。
現在、魔大陸に侵攻している勇者ディランとは、元パーティーメンバーの1人だった。
…そう、元がつくんだ。
ディランは冒険者の初級の頃から、「いずれは大魔王を倒して、世界に名を轟かせる勇者になる!」というのが口癖だった。
そんな時にパーティーメンバーを集めている最中に、最後の1人のメンバーに選んだのが僕だった。
その頃の僕は、レベルも低レベルの上に、冒険者ギルドランクも最低位のGランクだった。
だが、そんなディランの性分なのか…?
僕に気軽に声を掛けてくれて、仲間としてパーティーに参加させてくれた。
それから4年が経ち…
ディランとパーティーメンバー達は、次々にクエストを達成して行きレベルも上がって、遂には大魔王の幹部の討伐を果たす事が出来た。
それらの功績がバステリンディウス王国の国王に認められて、大魔王を討伐出来る期待をされて…勇者の称号と聖剣を与えられた。
それらの功績には、パーティーメンバーの功績も大きかったのだが…?
1番の功績は、僕のスキルによるものだと言っても過言では無いだろう。
僕のスキル………それは、パーティーを組んだ者達に獲得経験値数○倍の効果を与えるものだった。
このスキルは、パーティーを組んだ事による時にしか発動しない為、僕自身のレベルが上がるのは極端に遅かったのだった。
その当時のディランは、こんな事を言っていた。
「ディストの価値を知らん連中は、今頃後悔しているんだろうな。」
…そう、僕のスキルのお陰で、パーティーメンバー達は少ない時間であり得ない位にレベルが上がって行ったのだ。
そのレベルは、中級冒険者のレベルと同レベルだった。
※中級冒険者のレベルは、大体50位だと思って下さい。
レベルが上がると、様々なステータスが上昇する。
そのお陰で、覚えられる剣技や魔法が増えて行き…?
最初は初心者クラスのクエストしかクリア出来なかったのが、中級冒険者と同じクエストをクリアする事が出来ていた。
更には、それによって報酬額も変わって行った。
………思えばこの頃からだっただろうか、パーティーメンバーの態度が横柄になり始めたのは?
【貧しい者が大金を獲ると、気が大きくなって最後には破滅を描く…】
まさに、そんな典型的な言葉が当てはまる様な感じに片足を突っ込んだ様だった。
これが切っ掛けになり…パーティーメンバー達は更に調子に乗り始めた。
そして、清き勇者を目指していたディランも…また。
ここからが良くある話になる訳だが、そんな調子付いたディランとパーティーメンバー達は、出会ってから今迄に共に旅をして来た仲間である僕を邪険にし始めて行った。
そりゃあそうだ、皆とは対照的に…僕のレベルは、ディラン達と出会った時と同じレベルが一切上がってない訳だからだ。
そして……遂にあの言葉をディランが告げる事になる。
「ディスト、これからの旅はお前が居ると足手纏いにしかならない。なので、ディストにはパーティーを離脱して貰おうと思う。」
「そんな………僕達は一緒に頑張って来たじゃないか!」
僕のそんな言葉に、ディランは両腕を上げてパーティーメンバー達を見て、やれやれという表現をした。
「ハッキリ言ってやらないとダメみたいだな、お前はもう不要なんだよ!ディストのスキルは、確かに役に立った…が、ここまでレベルが上昇した俺達に、お前のスキルはもう不要なんだよ‼︎」
「そんな…ディラン、まさか君も僕の事を利用しただけなのか⁉︎」
「ここまで言えば、流石のお前も気付くよな?そうだよ、最初は荷物持ち程度にしか考えていなかったお前を拾って、少しは役に立てば……と思った程度だったが、まさかお前にこんな素晴らしいスキルが備わっていたなんてな?とんだ拾い物だったが…ここまでレベルが上がった俺達には、お前のスキルはもう不要と判断した。」
僕は膝から崩れる様に座り込んで、拳を地面に叩き付けた。
まさか、信じていた仲間達に裏切られるとは思わなかったからだ。
「この先、俺達は…大魔王がいると言われる魔大陸に侵攻する。」
「まさか…無謀だよ!君達は確かに急激なレベルアップにより高レベルと強さを手に入れた……けど、実戦的な経験値は全く足りてない!そんな状態で魔大陸に侵攻をすれば‼︎」
「残念だったな、このままディランにくっ付いて行き…大魔王を倒す事が出来れば、お前もそのおこぼれにあり付けると思ったかもしれないが…」
「まぁ、俺達が大魔王を倒して富を得た話を、1人寂しく耳にすると良い!」
ディランとパーティーメンバー達は、そんな僕の忠告が耳に入っていなかった。
そんな僕達はアノリウスの街で別れる事になり、ディランとパーティーメンバー達は旅立って行ったのだった。
僕は1人残されて絶望感に浸っている………訳では無かった。
まさに読み通り過ぎて、可笑しくて堪らなかった。
「ディラン達も今迄の奴等と変わらなかったか、全く………人間って、大きな力を手に入れると自惚れる輩が多いんだな。」
…そう、これは僕の計画の内だった。
欲に駆られた者は、すぐに仲間を裏切る。
そして……最後には身を破滅するのだ。
それから数ヶ月後、僕の忠告を無視したディラン達が魔大陸に侵攻したという噂を聞いた。
ディラン達は、そこでも大きな活躍をしているとも話だった。
…なので、そろそろ頃合いだろう。
僕はディランに、念話を送る事にした。
念話のスキルは、本来なら僕のレベルで使える訳ではない。
だが、そんな僕が念話を使えるのには、ある理由があったからだ。
{ディラン……聞こえるかい?}
{この声は、ディストか⁉︎}
{御名答…そう、僕だよディラン。}
{お前……念話なんか使えたのか⁉︎}
{まぁな……それにしても、魔大陸上陸おめでとう!}
{そんな事を言いに、念話をしたのか?…っていうか、今は戦闘中だから後にしろ‼︎}
{いやいや、大事な話があるんだから……聞けよ!}
{ディストお前……生意気だぞ‼︎}
{ケッ……全く、僕のスキルのお陰で上級冒険者と同じレベルにまで達して、更には忠告をしたのに無視してくれてさぁ…}
{そんな事を言う為に、念話なんかして来たのか?}
{いやいや、もっと大事な話をする為だよ。}
{大事な話?}
ディランは焦った感じで聞き返して来た。
……っていうか、当たり前か。
現在は戦闘中とか言っていたからな。
{僕をパーティーメンバーから追い出した為に、そろそろ僕のスキルの加護が切れる事を伝えようと思ったんだよ。}
{お前のスキルって…獲得経験値数○倍の事か?}
{そうそう……僕のスキルの獲得経験値数○倍はね、僕がパーティーメンバーとして活動している間は、その加護を受けてレベルが永久的に続くんだけど…僕が離脱するとね、僕がパーティーメンバーに参加した時からスキルの加護で稼いだ経験値が失われるんだよ。}
{な、何だと‼︎}
{僕と初めて出会った時のディランとパーティーメンバー達のレベルは、確か平均が12だったよね?それで、現在が平均80位だから…もうじき、一気にレベルが68ダウンするということになるんだよね。}
{そ、それは………いつの話だ⁉︎}
{もうじき……というか、僕が解除と叫べば皆のレベルが出会った時のレベルに戻り、稼いだ分の経験値は僕に加算されるんだよ……つまり、僕は異常な強さを手に入れて、お前達は一気に弱くなるという事さ。}
{何だと⁉︎仮に……そ、その話が仮に本当だったとしてもだ!}
{だから、本当だと言っているだろうが…}
どうやら、ディランは僕の話を疑っているみたいだ。
まぁ、戦いの最中にそんな話を振られて混乱している最中、信じろというのがそもそも無理な話だ。
{仮にお前の言っている事が本当だったとしても、俺には聖剣があるし、皆もレジェンダリー装備がある。仮にレベルを奪われたとしても…}
{なるほど、それ程焦っている様子が見えなかったのはその所為か…}
{そうだ!だから……}
{なら………アポート!}
{⁉︎}
僕は、魔大陸にいるディランとパーティーメンバー達から、聖剣やレジェンダリー装備を転移魔法で呼び寄せた。
…なので、今頃…?
{何だ‼︎いきなり武器が消えたぞ⁉︎}
{ディランの聖剣も、パーティーメンバー達の装備品も僕の目の前にある。}
{何だと⁉︎}
{この時代の魔大陸に…どんな魔物がいるのかは分からないが、レベルが高いとは言っても…丸腰ではキツイよね?}
{それがわかっているのなら、早く武器を返せ‼︎}
{アポートの魔法は、アクセラレーターだからね。送り返す事は出来ないんだよ。}
……なんか、ディランの背後からパーティーメンバー達の声が聞こえたな?
もしかして、誰か殺られたかな。
………ちなみに、離れた場所からディランの聖剣やパーティーメンバー達の装備品を移動させたのには、ある理由があった。
アポートの魔法は、1度でもその物に触れていないと効果は無い。
僕は旅の間…整備の為に、ディランの聖剣とパーティーメンバー達の装備品の手入れをする為に触れた事があったのだ。
{何か……危ない状況みたいだね?}
{分かっているのなら、何とかしろ‼︎}
{何とか……って言われても、僕は現在…お前等と別れたアノリウスの街の宿屋に居るからなぁ?}
{ぐっ……}
{何だよ、切羽詰まった声なんか出して……だが、絶望的な状況はまだ終わりじゃ無いぞ。解除…}
こう叫ぶ事により、ディランとパーティーメンバー達のレベルが一気に下がり、初心者パーティーのレベルになったのだった。
逆に、僕のレベルは…500を超えたのだった。
{ディラン、色々とお土産をありがとう。}
{ふ、ふざけるな‼︎}
{僕をパーティーメンバーから追い出さなければ、今でも有利に戦えていたかも知れないというのに…ねぇ、弱くなってどんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち~w?}
{お前の所為で、仲間達が次々とやられているんだぞ‼︎}
{そりゃあ、狂暴な魔獣が生息する魔大陸に武具も無く、レベル10前後が彷徨いていれば…なぁ?}
{ディスト、お前は一体何者なんだ‼︎}
{ふむ……どうせ、生きては帰って来れないんだし…冥土の土産に教えてやるよ。}
僕はディランだけに、保護結界を施した。
本来なら魔法を施す場合は、目の前に対象が居なければならないのだが?
念話で繋がっている相手には、離れていても施す事が可能なのだ。
これで、パーティーメンバー達は殺されていても、ディランだけは攻撃を受けないだろう。
{僕の名前は、ディストランゼウス…現代の大魔王ドゥルガディスより、五代前の大魔王になるべく覇権争いをして敗北し、瀕死になっていた時に禁忌魔法を発動したら…この時代に転生した元魔王さ。}
{元…魔王だと⁉︎}
{ディラン、不思議に思わなかったのか?4年も一緒にいて、僕のレベルもだが…身体が全く変化していなかった事に。}
{……確かに、お前は会った時から全く成長していなかったな?}
{念話もだが、特殊なスキルを会得しようとすると…レベルもだが、年齢も犠牲になってしまい…成長が止まってしまうんだよ。だから、この数十年は姿が変わらなかったというわけさ。}
{……その話が本当なら、お前は一体幾つ何だ‼︎}
{さぁ?途中から数えるのはやめたよ。僕は人間では無いからね…}
{……という事は、お前はパーティーに参加したのは初めてでは無いんだな?}
{正解!以前に所属していたパーティーも、ある一定のレベルまで上昇した時に追い出されたんだよね。まぁ、そのお陰で…大量の経験値を入手出来たんだけどね。}
その大量に入手した経験値は、様々なスキルを取得する為に活用させて貰った。
そのお陰で、本来なら手に入らないスキルや魔法を取得する事が出来たのだった。
{さてと、これで知りたかった話は全て……では無いが教えてやったので、これでお別れだ!}
{クソォ……お前は碌な死に方は死ねぇぞ‼︎}
{そんな事はわかりきっているさ、あばよ!}
僕はディランに放った保護結界を解除した。
…と同時に、ディランの断末魔を聴いたと同時に念話が遮断された。
「ディランも…もう少し利口な奴だと思っていたんだが、見込み違いだったか…」
まぁ、そのお陰で…更なるスキルや魔法を取得する為のレベルが手に入った訳だし、イケすかなかった奴等だったが、少しは感謝をしてやるか。
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果たして、ディストの次の目的は…一体何なのだろうか?
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桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
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