散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス

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第十五話 アマンダの尋問!

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 「ディスト、貴方は何の目的で私達に近寄って来たの⁉︎」

 僕は突然、アマンダにそう言われた。
 此処は街の外の草原地帯。
 僕はアマンダに呼び出されたのだった。
 
 「何のって……パーティー申請を冒険者ギルドで申請した際に、同じレベル帯でシュゼル達のパーティーを勧められただけだが?」
 「本当は別の理由で近付いてきたんじゃないの⁉︎」

 僕は何故にアマンダに捲し立てられる様に、こんな事を言われなければならないのか…?
 全く意味が分からなかった。

 「えーっと…何が言いたいの?」
 「ディストが…冒険者ギルドに突然来た、斥候らしき人と言い合ってから飛び出して行って、後を追いかけていったら…渓谷の所で言い合っているのを見たのよ。」

 冒険者ギルド内でバランが入ってきた時に、一応索敵魔法でシュゼル達がいない事を確認したと思っていたけど…?
 まさか、アマンダがいた事に気付かなかったのか?
 それも渓谷の所で……と言っている辺り、全部見られている可能性があるな。
 僕は観念して、あの時のことを話す事にした。

 「はぁ…あの時に冒険者ギルドで、僕を訪ねて来た斥候の奴の名はバラン。アマンダは、魔大陸で戦死した勇者ディランの話は知っているよね?」
 「えぇ、大魔王を倒せるかも知れない勇者ディランとそのパーティーの事よね?」
 「シュゼル達のパーティーに入る前は、僕は勇者ディランのパーティーに所属していたんだよ。」
 「えぇ⁉︎ディストは勇者ディランのパーティーに居たの⁉︎」
 「ディラン達が魔大陸に行く前までね。」

 僕の話に、アマンダは驚きの表情を浮かべていた。

 「僕のスキルである…獲得経験値数○倍の効果で、ディラン達は上級冒険者と同レベルになる位に急激にレベルアップをした。…けど、その強さに驕りが生まれたのか、僕のスキルはもう必要無いと言って、僕をディラン達がパーティーを追い出したんだよ。それで魔大陸に行くと言ったので、レベルが急激に上がったからと言って、実戦の経験が少ないから過信しては駄目だと言っても、聞く耳を持たなくてね。」
 「…そうなのね。それが大魔王を倒せるかも知れないと噂されていた、勇者ディラン達がパーティー全滅した理由なのね。」
 「いや、もう1つある。僕のスキルの獲得経験値数○倍は、僕をパーティーメンバーに加えている事でその能力は発揮されるんだけど、その人物を追い出した所為で…僕のスキルのお陰で稼いでいた経験値とレベルが失う事になって全滅したんだよ。」

 アマンダは、その事は知らなかったみたいだった。
 例え僕をパーティーから離脱させても、レベルはそのままだと思っていたみたいだった。

 「それで冒険者ギルドに来たバランの事だけど、あいつは…急激にレベルを失って全滅したのを僕の所為だと言い出してね、僕に復讐をする際に…僕のスキルを冒険者ギルド内でバラそうとしたから、僕は渓谷までバランを誘き出したんだよ。」
 「でもさぁ、その人を殺したのは許せない事だわ!」
 「でも、生かしておいたら…バランは冒険者ギルド内で、僕のスキルを暴露するよ。そうなった場合…そんなレアスキルを持つ僕は、現在ではあまりパッとしないシュゼル達のパーティーから離脱させられて、勇者に最も近いパーティーに参加させられて、死ぬまでこき使われる事になるね。」
 「そんな事になるの?」
 「なるよ、そして…パーティーから離脱させられた後に、シュゼル達のレベルも出会った時のレベルに下がる事になる。それがお望みなら…アマンダが僕に不信感を抱くというのなら、僕はパーティーから抜ける事になるけど…」

 僕がこういうと、アマンダは何やら難しい顔をした。
 僕が抜ければ、レベルは下がる上に…ランクも恐らくランクダウンするだろう。
 一度手にしたレベルとランクがダウンするのは、アマンダは良くても、シュゼル達は許さないだろう。

 「あ、それと……ディストは魔法を使えるのよね?」
 「何を今更…」
 「私はディストが魔法を使えるとは思わなくて…」
 「シュゼル達とのパーティー活動の時も、僕は魔法を使っていたよ。命中率補正魔法で、武器攻撃の命中率を上げていたりして…」
 「いえ、私が言っているのは、攻撃魔法が使えるという話。」
 「あの時に使っていた魔法は、火属性魔法と土属性魔法を使っていたじゃ無い。ディストはダブルスなの?」
 「あ~~~そういう事か、僕は他にも水属性魔法と風属性魔法を使えるけど…」
 「ディストって、全属性魔法使いなの⁉︎」

 転生した後に知って驚いたんだけど、この魔法技術が衰退した世界では…四属性魔法を使える者を全属性魔法使いと呼ばれるらしい。
 僕が魔王だった時代の頃は、その他に…氷属性・雷属性・光属性・闇属性・聖属性・無属性・樹属性・時空魔法を含めた12の属性を全属性魔法と呼んでいたんだけど。
 今の時代では、四属性魔法以外の魔法を使える者がいなくて、四属性魔法が全属性魔法と呼ばれているらしい。

 「えーっと……まぁ、そうなるのかな?」
 「信じられないわ!」

 僕は本当は四属性だけで無く、12の属性魔法を使う事が出来るんだけど…?
 まぁ、敢えて教える必要も無いし、黙っておく事にしよう。

 「それで…どうするの、この事をシュゼル達にも話すかい?」
 「もしも、話すと言ったら…?」

 僕は大火球の火炎魔法を発動した。

 「僕はなるべく…この話を他の人には知られたく無いんだ。だけど、アマンダが話すというのなら…」
 「うん、辞めておきます。私もまだ死にたく無いから。」

 僕は大火球を消した。
 その姿を見てアマンダは、ホッと息を吐いた。

 「それと僕がシュゼル達のパーティーに入った理由だけどね、僕には獲得経験値のスキル以外に、もう1つのスキルである未来視というスキルがあるんだよ。」
 「未来視って、予言スキルとも言われるアレ?都市伝説だと思っていた。」
 「その未来視でシュゼル達を見た時にね、そう遠く無い未来に…パーティーから勇者が生まれるって見えたんだよ。」
 「勇者が⁉︎…それはシュゼルなの?それとも…アルベル?」
 「そこは良くわからない…けど、パーティーの中から、女性初の勇者が生まれるという未来が見えた。それが、僕がシュゼル達のパーティーに参加した理由なんだ。」
 「だとすると、冒険者ギルド内にディストのスキルが知れ渡るのは、不味いわよね?」

 アマンダはそういうと、何やら深く考え始めた。
 そして、何かを閃いた様に顔を上げて言った。

 「シュゼル達には一切喋らないわ。その代わりと言っては何だけど…」
 「まさか…黙っておくからって、金銭を要求してくるんじゃ?」
 「違うわよ!ディストに魔法を教えて欲しいんだけど…」

 アマンダの要求は、魔法を教える事か。
 まぁ、パーティーが強化するのであれば、アマンダに魔法を教えるのはやぶさかでは無いな。

 「分かった、良いよ。」
 「本当⁉︎」
 「うん、その代わり…スパルタにするけど良いよね?」
 「お願いします!」

 ……恐らくだけど、アマンダはこの時……
 軽い気持ちで返事をしたのでは無いかと思う。
 それが後悔する事と知る事になるのは、そう遠い未来では無かった。
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