幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス

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第二章

第九話 レイリアのジョブとベルクドルフ商会(早く知名度を上げたいですね。)

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 「実は、レイリアさんのジョブについて判断を仰ぎたいのですが…」
 
 男性のギルド職員は部屋を入って来た。
 ギルド職員の表情を見る限り…ただ事ではない事は分かった。

 「実はですね、レイリアさんのジョブ鑑定を行うと、彼女のジョブは【魔人】と表示されたのです!」
 「【魔人】ねぇ? 規格外の力を持つ者の事を表す言葉だけど…あの魔力量を考えると納得だ。」
 「それで、彼女のギルドカードは完成したのか?」
 「完成はしましたが、まだ渡していなくて…」
 
 まぁ確かに…渡されもせずにカードを持ってギルドマスターの部屋に駆け込んでいたら、普通は何かあると考えるだろうな。
 レイリアが不安になっていなければ良いけど…?
 ヴォルガンは少し考えてから口を開いた。

 「ダン殿は、レイリアのジョブをどう見る?」
 「城の図書館のジョブ図鑑でも【魔人】の情報が無いとすると、僕と同じ様にエクストラジョブになるかもしれませんね…」

 【エクストラジョブ】
 通常のジョブとは違い、上級職やそれ以上の能力を持つ名称。
 かなり能力が高い数値を表示される事がある。
 勇者や聖女などもこのジョブである。

 「やはり、ダン殿もエクストラジョブだったか…」
 「その様ですね…」

 ヴォルガンはギルド職員に、レイリアにギルドカードを渡すように命じた。
 ギルド職員は、部屋から出て行った。
 僕もヴォルガンに挨拶してから、部屋を出て下の階に向かった。
 ロビーに着くと、レイリアは冒険者達に囲まれていた。
 レイリアは僕に気付くと、駆け寄ってきた。

 「どうしたの? 何か困りごと?」
 「あの人たちが、私をパーティに誘いたいって…」
 「申し訳ありませんが、彼女は僕とパーティを組んでいますので、勧誘はしないで戴きたいのですが…」
 「これは失礼! 彼女が魔道士と聞いたので…是非誘いたかったのですが。」
 
 この人は割と礼儀を弁えているみたいだね。
 背後の奴等は僕を睨んでいるけど。
 リーダーらしき戦士の男と法術士の女、斥候の弓使いの3人だった。
 確かにこれなら、魔道士系を入れたがる気持ちも分からなくはない。

 「解って下されば良いのです。 では、我々はこれで…」
 「おい、待てよ! そっちはまだ2人だろ? なら、俺達のパーティに入れよ!」
 「そうね…貴方達みたいな初心者が旅に出たらすぐに死ぬわよ! 大人しくいう事を聞いた方が身の為よ!」
 「2人の無礼な振る舞いを申し訳ない! だが、確かに2人ではこれから先辛い場面に出くわすかもしれないだろう…良かったらどうだい?」
 
 知名度が低いと、本当に絡まれるのと弱く見られるんだな。
 僕は溜息を吐くと、試しに聞いてみた。

 「君らのランクは?」
 「僕等はDランクだよ。 そっちの女の子は登録したばかりみたいだから、2人より安全だと思うんだけど?」
 「お断りします! 僕等は2人で充分ですので…」
 「こちらが下手に出ていれば調子に乗りやがって…」
 「そうよリーダー、下手に敬語を使うと舐められると言ったでしょ!」

 下手に出ていたか?
 先程から高圧的な態度だった気がするが?

 「そうだな…演技は終わりだ! お前等さぁ、痛い目に遭いたくなければ言う事を…」
 「どう痛い目に遭うのか教えてくれる? ちなみに僕のランクはこれなんだけど…」

 僕はギルドカードを3人に見せた。
 3人はギルドカードに表示されているSランクを見て、床にへたり込んだ。
 
 「Sランクだったのか! いや、ですか⁉」
 「調子に乗っていたのは俺達です。 すいませんでした!」
 「う…うそ! Sランクだなんて…⁉︎」

 あれ?
 信じてないのかな?
 僕は右手を上に挙げると、空中に光の剣を100本出現させた。
 3人は青い顔をして固まっていた。

 「これで信じて貰えたかな?」

 3人は無言で頷いていた。
 僕は光の剣を解除すると、レイリアと一緒に冒険者ギルドを出た。
 ヴォルガンとの約束の日取りまで3日ある。
 今日は色々店を見て回ろう…と思っていたのだが、ロンバークとの約束を思い出した。

 「レイリアごめんね、店を回るのは明日でも良いかな?」
 「別に構わないけど、何か用事があるの?」
 「街の入り口でロンバークさんと別れる時に、冒険者ギルドでの用事が終わったら商会に来てくれって言っていたから、今日はそっちに行こうかと思ってね。」
 「あ、それが理由なら仕方ないね! うん、お店回りは明日のお楽しみにするね。 ダンお兄ちゃん…商会の場所は分かるの?」

 そういえば…ロンバークさんの商会の名前って何だろう?
 まさか、ロンバーク商会という名前ではあるまいし…?
 僕は街の入り口にいた兵士に尋ねてみた。
 すると、ロンバークさんの商会の名前を知る事が出来た。
 ベルクドルフ商会という、サーディリアンでの三大商会の1つという事が解った。
 兵士に聞いた通りに進んでいくと、ベルクドルフ商会があったのだが…?

 「こ…これ? 冒険者ギルドより建物が大きいな…」
 「こんな大きな会社の社長さんだったんだ!」

 とりあえず入ってみる事にした。
 すると、扉から直線の道を進むと受付と書かれたテーブルに男が立っていた。
 男は僕を上から下まで見ると、鼻で笑って見せたが、一応来客用のセリフを言って来た。

 「ようこそ、ベルクドルフ商会へ! 今日はどの様な御用でしょうか?」
 「実はロンバークさんから所用が終わったらこちらに顔を出してほしいと言われて来たのですが。」
 「貴方が会頭に…ですか? 申し訳ありませんが、信じられません。 良くそう言って会頭に会わせろという人が後を絶たない物で…」
 「いえ、本当に約束はしているんですよ。 ダン・スーガーが来たと言って貰えれば解ります。」
 「確認するまでもありません。 お引き取り下さい!」
 「私も兄もロンバークさんに言われたんです!」
 「あなた方もしつこいですね…金も持ってそうもない初級冒険者の様な人に会頭は会ったりしませんよ…お引き取り戴かなければ、力ずくで出て行って貰いますよ! 衛兵!」
 
 受付の奥から、商会の兵士がやってきて、僕等を外に出すと扉を閉めた。
 ロンバークは受付に話を通していなかったんだろうか?
 いや、これは…恐らく見た目で判断されたのかもしれないな?

 「仕方ないから、まずは宿を探そう。 それから買い物をしようか!」
 「入れないなら仕方がないよね。 久々に屋根がある場所で寝れるね!」

 僕等は商会を後にして、宿屋を探しに歩き始めた。
 すると背後で勢いよく扉が開いて、先程の男が飛んできた。

 「ダン・スーガー様! 申し訳ありませんでした‼ 会頭がお会いになるそうです。」
 「いえ、結構です。 金の無さそうな初級冒険者は、これから宿屋を探さないと行けないので…どこか安い宿はないかな?」
 
 僕等は歩き出すと、男は回り込んで頭を下げた。
 そして焦った様な口ぶりで言って来た。

 「先程の非礼をお詫び致します! 先程、会頭から…ダン様が来たら連絡をするようにと…」
 「あ、それは別なダンという方でしょう! 僕は貴方が言う金の無さそうな初級冒険者ですので、別人ですよ!」

 男は土下座をした。
 そして半泣きをしながら言って来た。

 「ダン様を連れて行かないと私が首になります! お願い致します!」
 「貴方は先程、僕の上から下まで見てから鼻で笑いましたよね? ほらほら、こんな所で油を売ってないで、別なダンという人を探しに行った方が良いですよ。」

 僕はそう言うと、レイリアは笑っていた。
 あからさまに態度が違うので、少し意地悪をしているのだが…この人はどう出るのかな?
 そんな事を考えていると、建物からサシャが走って来た。

 「ダンお兄ちゃん! レイリアお姉ちゃん!」
 「あらら…サシャちゃん来ちゃったか…」
 
 この男の対応をもう少し見てみたかったが、サシャが来たら仕方がない。
 僕とレイリアはサシャと一緒に建物に入って行った。
 そして背後を見ると、男は立ち上がって頭を下げていた。
 僕等はロンバークと再会し、ロンバークは商会の中を案内してくれた。
 商会の中の品物は、ちょっとしたデパートの様な感じだった。
 日用品雑貨から、寝具や家具、食材に至るまで色々取り揃えられていた。
 
 そして僕は見付けた!
 今後の旅に欠かせないある物を…!
 これがあれば…今後の旅が大いに助かる!
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