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第一章
第十一話 リットが神託で授かった物は?
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神殿長は祈りにより、神の言葉を聞いて発表した。
『リット・リターンズの神から与えられた神託は…これは凄いぞ! ジョブ剣聖! ジョブ料理人! スキル炎魔法だ‼』
神殿長が発表すると…神殿中から歓声が上がった。
それもその筈、過去にジョブとスキルを授かった者は数多くいるが、ジョブを2つにスキルを得た人間は初だからだ。
リットは信じられない…という顔をしながら、神殿内にいた者達から囲まれていたのだった。
「すげぇな! ジョブを2つとスキルもかよ…」
「えぇ…そうですね。」
テスタおじさんの声に僕はそう反応した。
僕は正直…リットに嫉妬をした。
僕はジョブはなしで、スキルだけだったのに対して、リットはジョブが2つも授かった事に…
リットは人込みを掻き分けて僕の所に来た。
妹達はリットに祝いの言葉を送っていた。
僕は…正直、何て声を掛けたら良いか言葉が見付からなかった。
ただ、シンプルに…
「さすがリットだ! 父さんと母さんの子だな!」
僕はそう言って、リットの頭を撫でた。
リットは嬉しそうに笑っていたが、僕の心はそれとは対象的に複雑な心境だった。
「なぁ、リット! このままだと、色々な奴等に目を付けられるから、明日冒険者ギルドに登録しろ。 そうすれば、何かあれば冒険者ギルドで守れるからな!」
「わかりました、テスタおじさま! お兄ちゃんもそれで良いかな?」
「あぁ…明日顔だそうな!」
僕はそう言って、テスタおじさんと別れてから僕達は家に帰った。
その夕方…僕の家に魔道機材の道具が届いて、夕食後にルットとロットは僕達の装備品を作る為に作業に当たっていた。
リットは嬉しそうにしていたが、僕はというと…まだ心の整理が付かなかった。
「落ち込んでいても仕方がない! リットには才能があって、僕にはなかった…それだけだ。」
僕はそう自分に言い聞かせながら、眠りに就いた。
翌日、僕とリットは朝食を済ませると、テスタおじさんの言う通りに…冒険者ギルドに顔を出したのだった。
そして受付に行って、ライラさんにリットの冒険者登録の話をした。
「テッド君、本気? リットちゃんに危険な仕事の世界に入れるというの?」
「あ、はい。」
「ライラおねえちゃん、お願いします!」
リットは頭を下げてお願いをしていた。
ライラさんの反応を見る限り…昨日の出来事はまだライラさんの耳には入っていなかった様だった。
なので、ライラさんは複雑そうな顔をしていたのだった。
冒険者登録をする為に、リットは指先をナイフで切ってからクリスタルに垂らした。
そして…リットのジョブが判明されたのだった。
「リット・リターンズ様は、ジョブ…剣聖⁉」
その言葉を聞いた冒険者達は、一瞬で静まり返った。
それもその筈、剣聖というジョブは…世界でも8人満たない程に少ない最上位ジョブだからだ。
リットの登録が終わると、冒険者達が一斉にリットの周りを囲んでいたのだった。
「お嬢ちゃん、ウチらのパーティーに入らないか?」
「リット、パーティーなら私らの所はどうだい? 私らは女だけのパーティーだからな!」
「君は、自分等のパーティーに来ると良い!」
「初心者なら、初心者の方が気が楽だろ? 俺達の所に来いよ!」
剣聖が仲間に居れば、依頼達成率や帰還率はかなり上昇する。
なので、リットへの勧誘は凄まじかった。
だが、リットは…?
「ごめんなさい! 初めてのパーティーはお兄ちゃんと一緒と決めているので…」
なるほど…そういえば、諦めてくれるか…?
そう思っていたが、他の者達は諦めずに声を掛けて来た。
「なら、最初だけなら次のパーティーはうちの所に!」
「いや、あたしらの所に来いよ!」
「自分等の所に来なよ!」
「俺達の所でやろうぜ!」
「ごめんなさい、言葉が足りなかったです。 私はお兄ちゃんのパーティーでやりたいんです。」
これを言っても、まだあきらめがつかないみたいで…
「お兄さんと2人だけなら危険だよ! 複数のパーティーがお勧めだから…」
「2人じゃパーティーじゃないよ! 人数のいるあたし等の所に!」
「俺達なら人数が多いぞ! 俺達を選べよ!」
「自分等の所に…」
さすがにしつこすぎるだろ…?
僕はリットの元に行こうとしたが、リットは大丈夫と口パクで言った。
「では、こうします! お兄ちゃんより強いパーティーに参加します。」
リットがそう言いながら僕を指さすと、冒険者達の視線は僕に集中した。
「あぁ…リットちゃんのお兄さんは、英雄テッド君か…」
「冒険者殺しのマーダーグリズリーを単騎討伐した奴に勝てる訳ないだろ! あたしらはアイツに歯が立たなかったって言うのに…」
「自分等も諦めるよ。 さすがに相手が悪い…」
「俺達が全員で掛かっても勝てる気がしない…諦めるよ。」
冒険者達は、次々に勧誘を辞退して行った。
リットは笑顔で僕の所に来て微笑んでいた。
「ね、大丈夫だったでしょ?」
「はは…ははは…」
「昨日の約束通りに、登録は済ませたな?」
「はい、おじさま…これから宜しくお願いします!」
「うむ…で、テッド…リットの武器はどうするんだ?」
リットの武器か…?
体格に合わせると、僕と同じミドルソードだろうか?
ロングソードは、さすがに無理…と思っていたけど、冒険者に借りたグレートソードを軽々と振り回しているな。
僕より腕が細いのに…ジョブだとここまで違うのか。
「買いに行って来ますよ。 あの様子ならロングソードでも使いこなしそうですしね。」
「いや、振り回すだけならな…剣聖は専用の武器でないと、魔物に攻撃を与えた瞬間に砕けるんだ。」
「え? なら、その専用の武器を買わないと駄目という事ですか? この島に剣聖専用の武器ってあるんですか?」
「ハッキリ言おう…そんな物は無い!…と言いたい所だが、実はあるんだ。」
「どっちですか⁉」
僕は思わずツッコミを入れた。
「これはな…バットンがテッドが成人を迎えた時に渡してくれと預かっていた剣なんだが、これならリットだったら使えると思ってな。」
「これって…聖剣?」
「そうだ、国王陛下からバットンが受け取った聖剣グランマルスだ。」
聖剣グランマルス…全長はリットの身長と変わらない程のロングソードタイプだ。
成人男性ならそれほど長くは無いのだが、10歳の子が持つには長すぎる剣だった。
僕は柄に手を掛けて鞘から抜こうとしたが、全く抜けなかった。
「あ、お前では抜けなかったか…聖剣は使い手を選ぶからな。 テッドは不適合者なのだろう。」
僕はリットに聖剣グランマルスを渡すと、リットは聖剣グランマルスを鞘から抜いて軽々と振り回した。
僕はその姿を見て、リットにさらに嫉妬したのだった。
「まぁ…リットが使いこなしているのだから、聖剣グランマルスはリットの物で良いな。」
「私が使っても良いの?」
「僕は鞘から抜く事すら出来なかったからね。 リットが持つと良いさ! 父さんが使っていた聖剣だからね。」
「これが…父さんの!」
僕はリットが嬉しそうに聖剣グランマルスを操っているところを見て羨ましかった。
「僕も聖剣が欲しかった…」
「その事なんだが、お前にも剣はある…のだが?」
「え? もしかして、聖剣⁉」
「いや、魔剣だ。 しかも、今迄名のある者達が手にしても一切抜けなかったという…」
「???…それで、何故魔剣だと解るの?」
「この剣を鑑定した者がいっていたのだ。 この魔剣の名前はシーズニングといって、真の持ち主が手に取る事によって、その剣は鞘から抜けるだろうと…以前、ある古代遺跡でバットンが見付けた剣だったのだが…」
僕は魔剣シーズニングをギルマスから受け取ると、色々見て行った。
鞘には何かの絵が描かれていた。
文字…ではないな? 砂の山? 何かの液体? そんな絵が描かれていたのだった。
「真の持ち主とか、選ばれた者とかっていう話になると、僕には絶対に抜けませんね。 ジョブすら神に与えられなかったハズレスキルの持ち主ですから…」
「だが、試してみる価値はあるだろ? 抜いて見ろよ!」
「無駄だと思いますが…って抜けた⁉…けど、おかしいな…僕だけかな? この魔剣…刀身が無い様に見えるんですけど…?」
「気の所為ではない! 俺にも刀身が無い様に見える。」
刀身が無くても魔剣なのか?
っていうか、これって何の役に立つんだろう??
「驚いたな…誰も抜く事すら出来なかったのに…」
「でも、刀身が無いですよ? なのでこれは、お返しします。」
そう思って魔剣シーズニングを返そうと思ったが、鞘が腰にくっ付いて離れなかった。
「鞘が体から離れない! ギルマス…この魔剣シーズニングって呪われていたりします?」
「いや…呪いの効果は無い筈だが? 確かに離れないな。」
ギルマスが僕の体から魔剣シーズニングを力いっぱいに引き剥がそうとするが、ビクともしなかった。
まるで魔剣が離れる事を嫌がっているみたいな感じだった。
「無理だな…いつか役に立つかもしれないから、そのまま所持してろ!」
「刀身の無い剣をですか? 何の役に立つというのですか⁉」
「うむ…俺にも解らん!」
「おい、おっさん…」
仕方ないので僕は、この剣を持って帰る事にした。
リットのギルドカードが発行されて、ついでに僕のギルドカードも調整が終わったので受け取った。
そしてギルドカードの情報を見ると…?
僕のレベルは信じられない程に上がっていたのだった。
「れ…レベル30⁉ マーダーグリズリーを倒す前までは、レベル6だったのに…」
「それだけマーダーグリズリーの経験値は多かったという訳だな。 しかも奴は魔物では無く魔獣でしかも変異種という話だからな。」
「変異種って…聞いた事はありますが、実際にいるんですねぇ?」
「人は魔物を倒してレベルを上げて強くなる…なら、魔物はどうやって強くなるか知っているか?」
「いえ? 食事をして成長するとか?」
「魔物の成長は、多種の魔物を取り込むこと以外に、レベルの高い人間を殺すとその者が持っていた経験値やレベルを得る事が出来るんだよ。 魔獣は、魔物から進化した個体だから…主な魔獣は、どれだけ冒険者の命を奪って来たかによって成長するんだ。 もっとも、生まれつきの魔獣もいるから、一概に全てではないがな。」
あまり…聞きたくない話だった。
僕はとりあえず、家に帰ってスキルを確認しようと思っていた。
レベル30という事は…少なくとも15種類中12種類は新しい調味料を覚えている筈!
僕はギルマスとライラさんに挨拶をすると、リットを連れて家に帰った。
そして夕食後にベッドでスキルの確認をしたのだが…?
「なんか良く解らない調味料があるな? でも、砂糖は覚えたぞぉ!」
テッドのスキル…それは別で表示されますので確認をw
『リット・リターンズの神から与えられた神託は…これは凄いぞ! ジョブ剣聖! ジョブ料理人! スキル炎魔法だ‼』
神殿長が発表すると…神殿中から歓声が上がった。
それもその筈、過去にジョブとスキルを授かった者は数多くいるが、ジョブを2つにスキルを得た人間は初だからだ。
リットは信じられない…という顔をしながら、神殿内にいた者達から囲まれていたのだった。
「すげぇな! ジョブを2つとスキルもかよ…」
「えぇ…そうですね。」
テスタおじさんの声に僕はそう反応した。
僕は正直…リットに嫉妬をした。
僕はジョブはなしで、スキルだけだったのに対して、リットはジョブが2つも授かった事に…
リットは人込みを掻き分けて僕の所に来た。
妹達はリットに祝いの言葉を送っていた。
僕は…正直、何て声を掛けたら良いか言葉が見付からなかった。
ただ、シンプルに…
「さすがリットだ! 父さんと母さんの子だな!」
僕はそう言って、リットの頭を撫でた。
リットは嬉しそうに笑っていたが、僕の心はそれとは対象的に複雑な心境だった。
「なぁ、リット! このままだと、色々な奴等に目を付けられるから、明日冒険者ギルドに登録しろ。 そうすれば、何かあれば冒険者ギルドで守れるからな!」
「わかりました、テスタおじさま! お兄ちゃんもそれで良いかな?」
「あぁ…明日顔だそうな!」
僕はそう言って、テスタおじさんと別れてから僕達は家に帰った。
その夕方…僕の家に魔道機材の道具が届いて、夕食後にルットとロットは僕達の装備品を作る為に作業に当たっていた。
リットは嬉しそうにしていたが、僕はというと…まだ心の整理が付かなかった。
「落ち込んでいても仕方がない! リットには才能があって、僕にはなかった…それだけだ。」
僕はそう自分に言い聞かせながら、眠りに就いた。
翌日、僕とリットは朝食を済ませると、テスタおじさんの言う通りに…冒険者ギルドに顔を出したのだった。
そして受付に行って、ライラさんにリットの冒険者登録の話をした。
「テッド君、本気? リットちゃんに危険な仕事の世界に入れるというの?」
「あ、はい。」
「ライラおねえちゃん、お願いします!」
リットは頭を下げてお願いをしていた。
ライラさんの反応を見る限り…昨日の出来事はまだライラさんの耳には入っていなかった様だった。
なので、ライラさんは複雑そうな顔をしていたのだった。
冒険者登録をする為に、リットは指先をナイフで切ってからクリスタルに垂らした。
そして…リットのジョブが判明されたのだった。
「リット・リターンズ様は、ジョブ…剣聖⁉」
その言葉を聞いた冒険者達は、一瞬で静まり返った。
それもその筈、剣聖というジョブは…世界でも8人満たない程に少ない最上位ジョブだからだ。
リットの登録が終わると、冒険者達が一斉にリットの周りを囲んでいたのだった。
「お嬢ちゃん、ウチらのパーティーに入らないか?」
「リット、パーティーなら私らの所はどうだい? 私らは女だけのパーティーだからな!」
「君は、自分等のパーティーに来ると良い!」
「初心者なら、初心者の方が気が楽だろ? 俺達の所に来いよ!」
剣聖が仲間に居れば、依頼達成率や帰還率はかなり上昇する。
なので、リットへの勧誘は凄まじかった。
だが、リットは…?
「ごめんなさい! 初めてのパーティーはお兄ちゃんと一緒と決めているので…」
なるほど…そういえば、諦めてくれるか…?
そう思っていたが、他の者達は諦めずに声を掛けて来た。
「なら、最初だけなら次のパーティーはうちの所に!」
「いや、あたしらの所に来いよ!」
「自分等の所に来なよ!」
「俺達の所でやろうぜ!」
「ごめんなさい、言葉が足りなかったです。 私はお兄ちゃんのパーティーでやりたいんです。」
これを言っても、まだあきらめがつかないみたいで…
「お兄さんと2人だけなら危険だよ! 複数のパーティーがお勧めだから…」
「2人じゃパーティーじゃないよ! 人数のいるあたし等の所に!」
「俺達なら人数が多いぞ! 俺達を選べよ!」
「自分等の所に…」
さすがにしつこすぎるだろ…?
僕はリットの元に行こうとしたが、リットは大丈夫と口パクで言った。
「では、こうします! お兄ちゃんより強いパーティーに参加します。」
リットがそう言いながら僕を指さすと、冒険者達の視線は僕に集中した。
「あぁ…リットちゃんのお兄さんは、英雄テッド君か…」
「冒険者殺しのマーダーグリズリーを単騎討伐した奴に勝てる訳ないだろ! あたしらはアイツに歯が立たなかったって言うのに…」
「自分等も諦めるよ。 さすがに相手が悪い…」
「俺達が全員で掛かっても勝てる気がしない…諦めるよ。」
冒険者達は、次々に勧誘を辞退して行った。
リットは笑顔で僕の所に来て微笑んでいた。
「ね、大丈夫だったでしょ?」
「はは…ははは…」
「昨日の約束通りに、登録は済ませたな?」
「はい、おじさま…これから宜しくお願いします!」
「うむ…で、テッド…リットの武器はどうするんだ?」
リットの武器か…?
体格に合わせると、僕と同じミドルソードだろうか?
ロングソードは、さすがに無理…と思っていたけど、冒険者に借りたグレートソードを軽々と振り回しているな。
僕より腕が細いのに…ジョブだとここまで違うのか。
「買いに行って来ますよ。 あの様子ならロングソードでも使いこなしそうですしね。」
「いや、振り回すだけならな…剣聖は専用の武器でないと、魔物に攻撃を与えた瞬間に砕けるんだ。」
「え? なら、その専用の武器を買わないと駄目という事ですか? この島に剣聖専用の武器ってあるんですか?」
「ハッキリ言おう…そんな物は無い!…と言いたい所だが、実はあるんだ。」
「どっちですか⁉」
僕は思わずツッコミを入れた。
「これはな…バットンがテッドが成人を迎えた時に渡してくれと預かっていた剣なんだが、これならリットだったら使えると思ってな。」
「これって…聖剣?」
「そうだ、国王陛下からバットンが受け取った聖剣グランマルスだ。」
聖剣グランマルス…全長はリットの身長と変わらない程のロングソードタイプだ。
成人男性ならそれほど長くは無いのだが、10歳の子が持つには長すぎる剣だった。
僕は柄に手を掛けて鞘から抜こうとしたが、全く抜けなかった。
「あ、お前では抜けなかったか…聖剣は使い手を選ぶからな。 テッドは不適合者なのだろう。」
僕はリットに聖剣グランマルスを渡すと、リットは聖剣グランマルスを鞘から抜いて軽々と振り回した。
僕はその姿を見て、リットにさらに嫉妬したのだった。
「まぁ…リットが使いこなしているのだから、聖剣グランマルスはリットの物で良いな。」
「私が使っても良いの?」
「僕は鞘から抜く事すら出来なかったからね。 リットが持つと良いさ! 父さんが使っていた聖剣だからね。」
「これが…父さんの!」
僕はリットが嬉しそうに聖剣グランマルスを操っているところを見て羨ましかった。
「僕も聖剣が欲しかった…」
「その事なんだが、お前にも剣はある…のだが?」
「え? もしかして、聖剣⁉」
「いや、魔剣だ。 しかも、今迄名のある者達が手にしても一切抜けなかったという…」
「???…それで、何故魔剣だと解るの?」
「この剣を鑑定した者がいっていたのだ。 この魔剣の名前はシーズニングといって、真の持ち主が手に取る事によって、その剣は鞘から抜けるだろうと…以前、ある古代遺跡でバットンが見付けた剣だったのだが…」
僕は魔剣シーズニングをギルマスから受け取ると、色々見て行った。
鞘には何かの絵が描かれていた。
文字…ではないな? 砂の山? 何かの液体? そんな絵が描かれていたのだった。
「真の持ち主とか、選ばれた者とかっていう話になると、僕には絶対に抜けませんね。 ジョブすら神に与えられなかったハズレスキルの持ち主ですから…」
「だが、試してみる価値はあるだろ? 抜いて見ろよ!」
「無駄だと思いますが…って抜けた⁉…けど、おかしいな…僕だけかな? この魔剣…刀身が無い様に見えるんですけど…?」
「気の所為ではない! 俺にも刀身が無い様に見える。」
刀身が無くても魔剣なのか?
っていうか、これって何の役に立つんだろう??
「驚いたな…誰も抜く事すら出来なかったのに…」
「でも、刀身が無いですよ? なのでこれは、お返しします。」
そう思って魔剣シーズニングを返そうと思ったが、鞘が腰にくっ付いて離れなかった。
「鞘が体から離れない! ギルマス…この魔剣シーズニングって呪われていたりします?」
「いや…呪いの効果は無い筈だが? 確かに離れないな。」
ギルマスが僕の体から魔剣シーズニングを力いっぱいに引き剥がそうとするが、ビクともしなかった。
まるで魔剣が離れる事を嫌がっているみたいな感じだった。
「無理だな…いつか役に立つかもしれないから、そのまま所持してろ!」
「刀身の無い剣をですか? 何の役に立つというのですか⁉」
「うむ…俺にも解らん!」
「おい、おっさん…」
仕方ないので僕は、この剣を持って帰る事にした。
リットのギルドカードが発行されて、ついでに僕のギルドカードも調整が終わったので受け取った。
そしてギルドカードの情報を見ると…?
僕のレベルは信じられない程に上がっていたのだった。
「れ…レベル30⁉ マーダーグリズリーを倒す前までは、レベル6だったのに…」
「それだけマーダーグリズリーの経験値は多かったという訳だな。 しかも奴は魔物では無く魔獣でしかも変異種という話だからな。」
「変異種って…聞いた事はありますが、実際にいるんですねぇ?」
「人は魔物を倒してレベルを上げて強くなる…なら、魔物はどうやって強くなるか知っているか?」
「いえ? 食事をして成長するとか?」
「魔物の成長は、多種の魔物を取り込むこと以外に、レベルの高い人間を殺すとその者が持っていた経験値やレベルを得る事が出来るんだよ。 魔獣は、魔物から進化した個体だから…主な魔獣は、どれだけ冒険者の命を奪って来たかによって成長するんだ。 もっとも、生まれつきの魔獣もいるから、一概に全てではないがな。」
あまり…聞きたくない話だった。
僕はとりあえず、家に帰ってスキルを確認しようと思っていた。
レベル30という事は…少なくとも15種類中12種類は新しい調味料を覚えている筈!
僕はギルマスとライラさんに挨拶をすると、リットを連れて家に帰った。
そして夕食後にベッドでスキルの確認をしたのだが…?
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