25 / 70
第二章
第四話・閑話中編 私のお姉ちゃん(ルット視点)
しおりを挟む
私のお姉ちゃんのリット・リターンズは、頭が少しおかしい。
尊敬出来る点…
1.料理が出来て、どんな材料でも驚くほどの料理が出来る事。
2.スターンズ家のお財布担当で、贅沢は罪という考え。 だけど、どうしても欲しい物があれば融通は効く。
3.家事は万能で、毎日お掃除は欠かさない。 見えない所まで綺麗になっている。
ここまでは尊敬出来る所なんだけど…
尊敬出来ない…というか、異常な行動としか思えない時がある。
それは…?
お兄ちゃんの事を好きすぎるという点だった。
・・・・・・?
別に私もロットもお兄ちゃんは嫌いじゃありませんよ?
寧ろ好きで大好きです。
だってお兄ちゃんは…冒険者になってから、英雄の称号を手に入れるまでに1日も仕事を休まなかった。
晴れの日でも、雨の日でも、嵐の日でも仕事を休む事は無かった。
「お兄ちゃん、今日くらい休んだら?」
そう聞いたら…?
「日々食べる分しか稼げないから仕事を休む訳にはいかな…うちは余裕がある訳じゃないしね。」
…と言っていた。
更に、パンの耳やクズ野菜が手に入らない時は…私達がお腹を空かない様に自分の御飯を渡してくれた。
あとで見たら、お兄ちゃんは水を飲んで飢えを凌いでいた。
そんなお兄ちゃんが嫌いな訳がない!
その翌日から、私もルットも服飾の仕事を始めたのだった。
少しでも家計を助ける為だった…んだけど、稼いでいたお金は材料費に消えてばかりで家計を助ける事は出来なかった。
暫くしてから、私やロットの作った物の品物が売れる様になった。
これで生活の足しになると喜んでいたら、お兄ちゃんが魔獣を討伐して【英雄】という称号を得たのだった。
それからは生活が一変して、私達は人並みの生活を送る事が出来る様になった。
その頃から…お姉ちゃんがお兄ちゃんに対する意識が変わっていたのを感じた。
今迄だと、仕事から帰って来たお兄ちゃんを労ったりして料理を作っているだけだった。
でも…それらは変わってないんだけど、お姉ちゃんはお兄ちゃんの日々の疲れを癒す為にマッサージをする様になった。
ここまでならね………
初めから1週間は、服の上からのマッサージだったんだけど、次の週からお兄ちゃんの服を脱がせてマッサージをしようとした。
さすがにお兄ちゃんはそれを嫌がって、マッサージを拒否した。
そしてお姉ちゃんがおかしくなったのはこの時に発覚した。
「お兄ちゃんと男女の関係になれば、より深い所のマッサージも出来るよね⁉」
私は、その話を聞いて唖然としていた。
ロットはどうかは知らないけど、私のお客様の中には…風俗街のお姉様達がいる。
そのお姉様達と話してをしている所為か、男女の関係という意味は何となく分かる。
だが、当のお姉ちゃんはその事を理解しているのかが怪しい…?
でもその数日間は、何事も無く終わった。
お姉ちゃんの誕生日が1週間後に迫っていた時だった。
「ルット…透けている服って作れる?」
「へ…?」
マジックビロードという布材を使えば、月あかりを浴びると服が透けるという物はある。
風俗街の娼館のお姉様の依頼で作った事はある…んだけど。
ヤバい…このお姉ちゃんは本気だ!
私は一応作ってあげる事にした…けど、いつ使うんだろう?
1週間後に服は完成した。
それをお姉ちゃんに渡すと、お姉ちゃんは袖を通した。
「お姉ちゃん…それをどうするの?」
「多分お兄ちゃんは、仕事の事で私の誕生日のプレゼントは忘れていると思うから、プレゼントのおねだりに一緒に寝るという事をお願いするの。 ところで似合うかな?」
正直言って、娼館のお姉様の中の…ハーフウットのお姉様と大差がなかった。
質問の内容が「似合う?」…だから良かったけど、「私セクシー?」とか聞かれたらどう答えれば良いか解らなかった。
もう…作戦とかという全ての話を聞かなくても、その時に事に及ぶという事が解った。
そしてお姉ちゃんの誕生日の夜…お姉ちゃんがお兄ちゃんに一緒に寝たいという話をしたら、お兄ちゃんはOKした。
お兄ちゃんが部屋に入って行くと、お姉ちゃんはあの服に着替えてから、親指を出してジェスチャーした。
私と意味が解っていなかったロットは、親指を出してジェスチャーをし返した。
そしてお姉ちゃんは、お兄ちゃんの部屋に入って行った。
まぁ、お姉ちゃんはあんなだけど、お兄ちゃんは分別が出来るので一線を越える様な事は無いと思う。
そして翌日…
私はお姉ちゃんから報告を受けた。
「お兄ちゃんにね、好きだって告白をしたの! でもね…僕も好きだよ~って普通に返されたの。」
良かった…お兄ちゃんは、妹の対応の仕方が分かっていた。
だが更にお姉ちゃんは、とんでもない事を言い出した。
「お兄ちゃんの頬にキスしたり、首筋にキスしてから擦り寄っても反応が無くてね…頬を軽く噛んだりしても反応が無いの。 お兄ちゃんはきっと、女の子に対して興味が無いんだわ!」
お兄ちゃん的には、普通に妹が甘えて来たり…妹としてしか見てないからそんな反応だったと思うんだけど?
お姉ちゃんはその事に気付かないのかな?
「次は媚薬を手に入れて…お兄ちゃんの料理に入れてその気にさせて見せるわ‼」
「へぇ…頑張ってぇ。」
私はそう返事した。
もう…このお姉ちゃんは止められない。
私はお姉ちゃんの無駄な作戦を止めなかった。
何で無駄なのか?
媚薬は、成人を過ぎた男性や女性に効果があっても成人以下の子供には全く効果が無いからだった。
この頭のおかしいお姉ちゃんをどうしたら良いのかな?
そしていつになったら、自分がおかしな事をしていると気付くのかな?
尊敬出来る点…
1.料理が出来て、どんな材料でも驚くほどの料理が出来る事。
2.スターンズ家のお財布担当で、贅沢は罪という考え。 だけど、どうしても欲しい物があれば融通は効く。
3.家事は万能で、毎日お掃除は欠かさない。 見えない所まで綺麗になっている。
ここまでは尊敬出来る所なんだけど…
尊敬出来ない…というか、異常な行動としか思えない時がある。
それは…?
お兄ちゃんの事を好きすぎるという点だった。
・・・・・・?
別に私もロットもお兄ちゃんは嫌いじゃありませんよ?
寧ろ好きで大好きです。
だってお兄ちゃんは…冒険者になってから、英雄の称号を手に入れるまでに1日も仕事を休まなかった。
晴れの日でも、雨の日でも、嵐の日でも仕事を休む事は無かった。
「お兄ちゃん、今日くらい休んだら?」
そう聞いたら…?
「日々食べる分しか稼げないから仕事を休む訳にはいかな…うちは余裕がある訳じゃないしね。」
…と言っていた。
更に、パンの耳やクズ野菜が手に入らない時は…私達がお腹を空かない様に自分の御飯を渡してくれた。
あとで見たら、お兄ちゃんは水を飲んで飢えを凌いでいた。
そんなお兄ちゃんが嫌いな訳がない!
その翌日から、私もルットも服飾の仕事を始めたのだった。
少しでも家計を助ける為だった…んだけど、稼いでいたお金は材料費に消えてばかりで家計を助ける事は出来なかった。
暫くしてから、私やロットの作った物の品物が売れる様になった。
これで生活の足しになると喜んでいたら、お兄ちゃんが魔獣を討伐して【英雄】という称号を得たのだった。
それからは生活が一変して、私達は人並みの生活を送る事が出来る様になった。
その頃から…お姉ちゃんがお兄ちゃんに対する意識が変わっていたのを感じた。
今迄だと、仕事から帰って来たお兄ちゃんを労ったりして料理を作っているだけだった。
でも…それらは変わってないんだけど、お姉ちゃんはお兄ちゃんの日々の疲れを癒す為にマッサージをする様になった。
ここまでならね………
初めから1週間は、服の上からのマッサージだったんだけど、次の週からお兄ちゃんの服を脱がせてマッサージをしようとした。
さすがにお兄ちゃんはそれを嫌がって、マッサージを拒否した。
そしてお姉ちゃんがおかしくなったのはこの時に発覚した。
「お兄ちゃんと男女の関係になれば、より深い所のマッサージも出来るよね⁉」
私は、その話を聞いて唖然としていた。
ロットはどうかは知らないけど、私のお客様の中には…風俗街のお姉様達がいる。
そのお姉様達と話してをしている所為か、男女の関係という意味は何となく分かる。
だが、当のお姉ちゃんはその事を理解しているのかが怪しい…?
でもその数日間は、何事も無く終わった。
お姉ちゃんの誕生日が1週間後に迫っていた時だった。
「ルット…透けている服って作れる?」
「へ…?」
マジックビロードという布材を使えば、月あかりを浴びると服が透けるという物はある。
風俗街の娼館のお姉様の依頼で作った事はある…んだけど。
ヤバい…このお姉ちゃんは本気だ!
私は一応作ってあげる事にした…けど、いつ使うんだろう?
1週間後に服は完成した。
それをお姉ちゃんに渡すと、お姉ちゃんは袖を通した。
「お姉ちゃん…それをどうするの?」
「多分お兄ちゃんは、仕事の事で私の誕生日のプレゼントは忘れていると思うから、プレゼントのおねだりに一緒に寝るという事をお願いするの。 ところで似合うかな?」
正直言って、娼館のお姉様の中の…ハーフウットのお姉様と大差がなかった。
質問の内容が「似合う?」…だから良かったけど、「私セクシー?」とか聞かれたらどう答えれば良いか解らなかった。
もう…作戦とかという全ての話を聞かなくても、その時に事に及ぶという事が解った。
そしてお姉ちゃんの誕生日の夜…お姉ちゃんがお兄ちゃんに一緒に寝たいという話をしたら、お兄ちゃんはOKした。
お兄ちゃんが部屋に入って行くと、お姉ちゃんはあの服に着替えてから、親指を出してジェスチャーした。
私と意味が解っていなかったロットは、親指を出してジェスチャーをし返した。
そしてお姉ちゃんは、お兄ちゃんの部屋に入って行った。
まぁ、お姉ちゃんはあんなだけど、お兄ちゃんは分別が出来るので一線を越える様な事は無いと思う。
そして翌日…
私はお姉ちゃんから報告を受けた。
「お兄ちゃんにね、好きだって告白をしたの! でもね…僕も好きだよ~って普通に返されたの。」
良かった…お兄ちゃんは、妹の対応の仕方が分かっていた。
だが更にお姉ちゃんは、とんでもない事を言い出した。
「お兄ちゃんの頬にキスしたり、首筋にキスしてから擦り寄っても反応が無くてね…頬を軽く噛んだりしても反応が無いの。 お兄ちゃんはきっと、女の子に対して興味が無いんだわ!」
お兄ちゃん的には、普通に妹が甘えて来たり…妹としてしか見てないからそんな反応だったと思うんだけど?
お姉ちゃんはその事に気付かないのかな?
「次は媚薬を手に入れて…お兄ちゃんの料理に入れてその気にさせて見せるわ‼」
「へぇ…頑張ってぇ。」
私はそう返事した。
もう…このお姉ちゃんは止められない。
私はお姉ちゃんの無駄な作戦を止めなかった。
何で無駄なのか?
媚薬は、成人を過ぎた男性や女性に効果があっても成人以下の子供には全く効果が無いからだった。
この頭のおかしいお姉ちゃんをどうしたら良いのかな?
そしていつになったら、自分がおかしな事をしていると気付くのかな?
23
あなたにおすすめの小説
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる