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最終章
第八話・閑話 もしも公爵の誘いを受けていたら?
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勇者の叔父とのイザコザの後の夕食で、リットがふと呟いた。
「もしも公爵家の誘いを受けたらどうなっていたのかなぁ?」
「まだ未練があるのか?」
「そういう訳じゃないけど…仮にの話だよ。」
「そうだな…? 考え付くとしたら、まずティスタニア公国に連れて行かれてから会ったこともない祖父や親族に引き合わされる。 その後に上辺だけ取り繕った表情で苦労を掛けたな…とか知りもしないで適当な事を言ってから、社交界やパーティーに連れて行かれて見せ物として扱われて、その後に他の貴族に対して…我が血族は優秀な血を受け継いでいるとか言われて…」
「うわ、サイテー…」
「さらには、カノンはどうのこうのと母さんの悪口を言いまくった挙句、ちゃんとした教育を受けさせるとか言って兄妹はバラバラにされて会うことすら禁止されて、たまに会える時は大勢の貴族に血統の優秀さを見せつける為にアピールの為だけに呼ばれて、用が終われば再教育。 好きな事はさせて貰えず、口答えは許して貰えずに…いつの間にか魔王討伐や幹部討伐の手柄は叔父の勇者の物にされていて、ティスタニア公国は繁栄を築く…という感じになるだろうな。」
「誘いを受けなくて良かった。 でも、どうしてそんなことがわかるの?」
「どうって…あの叔父を名乗る勇者の態度を見れば想像は付く。 あの男が最初に俺はお前らの叔父だ!…という話をしていれば少しは聞く耳を傾けていたかも知れないが、散々話し終わった後に後がなくなって最後の手段で持ち掛けた…という事は、元々叔父を名乗るという事はしたくはなかったんだろうととれる。」
「確かにね…」
「それに、あいつの態度は全く変わらなかっただろ? 高圧的な態度で接して来て、今迄苦労を掛けた詫びも入れないで一方的に自分の話だけ…」
リットは思い返しているみたいで、何度か頷いている仕草を見せた。
「そして論破されれば、今度は力付くで…そんな考えを持つ子供の親がまともな思考の持ち主とは到底思えないからな!」
「確かに…それを考えると、母さんも相当苦労していたのかな?」
「恐らくな…貴族制度が古臭い考えに囚われているような場所だと、男尊女卑もそれなりに…」
「だんそんじょひって何?」
「簡単に言えば、女は黙っていう事を聞け! 男の意見には逆らうな! そう言って女性は意見も口答えもさせて貰えない事を言う事だ。 柔軟な発想やアイデアに関しては、男より女性の方が優れている場合があるのにな…」
貴族に関わらず、学者や政治も女性は軽視されている傾向がある。
いつの時代もこう言った事で発展や可能性を潰している事に気付かないのかねぇ…?
「それで? この話を聞いても行きたかったか?」
「まさか! そんな国は滅びれば良いと思うわ!」
滅びれば良いとは流石に思わんが…まぁ、勇者も聖剣も失った国に未来は無いだろう。
それ程までに勇者という存在と聖剣は重要視されているのだから…
それにあのヴェルガンという男の性格上…恐らく自国以外でも好き勝手にやって来たんだろうな?
あの横柄な態度を見ていればよくわかるという物だ。
「あの叔父の…公爵家が乗り込んでくるとかないよね?」
「それは無いだろう…余程の馬鹿ならともかくな。 それに公爵家では、勇者と聖剣を失った責任でそれどころでは無いだろうし…もう会うことも無いだろう。」
「それなら良いんだけど…」
あるとすれば?
追い詰められた公爵家が、自分の家を守る為に俺達を取り込もうと動く可能性はあるかも知れないが…国が違うから来る事もないだろうな。
「さてと、そろそろ…デザートの時間だ!」
俺は調味料で果物を出した。
この果物は、地球では見慣れた物だが…この世界では見る事はないものらしい。
他の調味料もそうだが、この世界の物では無く地球から届いていると思う物が多かった。
俺はメロンを取り出して空中に放ると、リットが包丁で8当分にした。
この生活も…残り僅かになるか、続けられるかは魔王を討伐出来るかどうかに掛かっている。
そして俺の未来も…な!
「もしも公爵家の誘いを受けたらどうなっていたのかなぁ?」
「まだ未練があるのか?」
「そういう訳じゃないけど…仮にの話だよ。」
「そうだな…? 考え付くとしたら、まずティスタニア公国に連れて行かれてから会ったこともない祖父や親族に引き合わされる。 その後に上辺だけ取り繕った表情で苦労を掛けたな…とか知りもしないで適当な事を言ってから、社交界やパーティーに連れて行かれて見せ物として扱われて、その後に他の貴族に対して…我が血族は優秀な血を受け継いでいるとか言われて…」
「うわ、サイテー…」
「さらには、カノンはどうのこうのと母さんの悪口を言いまくった挙句、ちゃんとした教育を受けさせるとか言って兄妹はバラバラにされて会うことすら禁止されて、たまに会える時は大勢の貴族に血統の優秀さを見せつける為にアピールの為だけに呼ばれて、用が終われば再教育。 好きな事はさせて貰えず、口答えは許して貰えずに…いつの間にか魔王討伐や幹部討伐の手柄は叔父の勇者の物にされていて、ティスタニア公国は繁栄を築く…という感じになるだろうな。」
「誘いを受けなくて良かった。 でも、どうしてそんなことがわかるの?」
「どうって…あの叔父を名乗る勇者の態度を見れば想像は付く。 あの男が最初に俺はお前らの叔父だ!…という話をしていれば少しは聞く耳を傾けていたかも知れないが、散々話し終わった後に後がなくなって最後の手段で持ち掛けた…という事は、元々叔父を名乗るという事はしたくはなかったんだろうととれる。」
「確かにね…」
「それに、あいつの態度は全く変わらなかっただろ? 高圧的な態度で接して来て、今迄苦労を掛けた詫びも入れないで一方的に自分の話だけ…」
リットは思い返しているみたいで、何度か頷いている仕草を見せた。
「そして論破されれば、今度は力付くで…そんな考えを持つ子供の親がまともな思考の持ち主とは到底思えないからな!」
「確かに…それを考えると、母さんも相当苦労していたのかな?」
「恐らくな…貴族制度が古臭い考えに囚われているような場所だと、男尊女卑もそれなりに…」
「だんそんじょひって何?」
「簡単に言えば、女は黙っていう事を聞け! 男の意見には逆らうな! そう言って女性は意見も口答えもさせて貰えない事を言う事だ。 柔軟な発想やアイデアに関しては、男より女性の方が優れている場合があるのにな…」
貴族に関わらず、学者や政治も女性は軽視されている傾向がある。
いつの時代もこう言った事で発展や可能性を潰している事に気付かないのかねぇ…?
「それで? この話を聞いても行きたかったか?」
「まさか! そんな国は滅びれば良いと思うわ!」
滅びれば良いとは流石に思わんが…まぁ、勇者も聖剣も失った国に未来は無いだろう。
それ程までに勇者という存在と聖剣は重要視されているのだから…
それにあのヴェルガンという男の性格上…恐らく自国以外でも好き勝手にやって来たんだろうな?
あの横柄な態度を見ていればよくわかるという物だ。
「あの叔父の…公爵家が乗り込んでくるとかないよね?」
「それは無いだろう…余程の馬鹿ならともかくな。 それに公爵家では、勇者と聖剣を失った責任でそれどころでは無いだろうし…もう会うことも無いだろう。」
「それなら良いんだけど…」
あるとすれば?
追い詰められた公爵家が、自分の家を守る為に俺達を取り込もうと動く可能性はあるかも知れないが…国が違うから来る事もないだろうな。
「さてと、そろそろ…デザートの時間だ!」
俺は調味料で果物を出した。
この果物は、地球では見慣れた物だが…この世界では見る事はないものらしい。
他の調味料もそうだが、この世界の物では無く地球から届いていると思う物が多かった。
俺はメロンを取り出して空中に放ると、リットが包丁で8当分にした。
この生活も…残り僅かになるか、続けられるかは魔王を討伐出来るかどうかに掛かっている。
そして俺の未来も…な!
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