【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス

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最終章

第十三話 魔王の定番! 最終形態…って、コレ?

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 なんだろうか?
 魔王にはまだ余裕が感じられた。

 『フハハハハハ! 勇者とは其の程度か?』
 「アレだけの攻撃を喰らったあとに何故まだこんなに動ける!?」

 先程ツノを切り落とした。
 魔族や魔獣の類なら、本来ならば弱体する筈なのに…?
 この魔王には、まだなにかあるのか!?
 俺とリットが攻撃をし、ルットとロットが隙を見て魔法を放つ…
 魔王は攻撃を喰らっているはずなのに、見た目ほど外傷とは裏腹にさしてダメージが通っていなかった様に見えた。

 『フム…そろそろこの体も限界か。 ならばちょうど良い機会だ! 貴様らに真の姿を見せよう‼︎』

 魔王ヴァルサリンガはそういうと、体が半分に裂けて…中から黒い毛深い足が姿を現した。
 その姿はまるで…巨大な蜘蛛だった。

 『我はインセクトマスター・ヴァルサリンガ! 我が体は、無数の魔蟲に変化が可能なのだ!』

 巨大な蜘蛛に変化した魔王ヴァルサリンガの姿を見て、ルットとロットは目を背けて悲鳴を上げていた。
 ルットとロットは、蜘蛛が大の苦手だからであった。
 俺はリットを見ると、リットは虫自体は平気なのだが…足の多いのは苦手な感じだった。
 …というか、足の少ない虫っていたっけ?
 なので3人の妹達は俺にしがみ付いているのだった。

 『フハハハハハハ! 恐れ入ったか⁉』
 「なるほど…人の姿は仮だったのか。 だとしたら、炎攻撃でもあまり効果が無い理由がわかったよ。」

 この世界の昆虫は、氷系の魔法に弱い。
 なので炎に対する抵抗力がある…らしいが、あの火力でも生きている物か?

 『言っておくが、氷魔法なんて物は効かんぞ! さぁ、どうする?』
 「蜘蛛なら弱点は分かる。 調味料合成…水・油・重曹・柑橘系の果汁…」
 『な…何をしておるのだ⁉』
 「調味料合成バブルウォッシャー‼」

 俺は4つの調味料で石鹸水モドキを作ると、魔王ヴァルサリンガにぶっ掛けた。
 
 『貴様…何の真似だ⁉ 何をしたのかは知らんが全く効かんぞ!』
 「当たり前だ! これは前段階だよ…真の攻撃はこれだ! 調味料大暴走・マヨネーズ‼」

 俺は大量のマヨネーズを魔王ヴァルサリンガに覆う程にぶっ掛けた。
 魔王ヴァルサリンガは、俺の攻撃を無駄な抵抗だと言って嘲笑っていた。
 さて、はたして…いつまで笑っていられるだろうか?
 マヨネーズの中から笑い声が聞こえていたが、徐々にその声も小さくなっていった。
 魔王ヴァルサリンガはマヨネーズを掻き分けて、何とか這い出ようとしているが…マヨネーズが体に纏わり付いていた。

 『貴様…この攻撃は一体何なんだ⁉ 呼吸が…』
 「理由を知りたいか?」

 ここで説明しよう!
 蜘蛛は、体に纏っている細かい毛が水を弾く役目をする。
 それは毛に油分が混じっていて、水を弾く仕様になっているのだが…石鹸水などでその油分はなくなり毛が水分を弾く効果が無くなる。
 そして蜘蛛の場合は、人間の様に口で呼吸している訳ではなく、体全体から呼吸をしている為に…石鹸水で油分を洗い流した後にマヨネーズをぶっ掛ける事により、呼吸器官にマヨネーズが入り込んで皮膚呼吸を妨げたのである。
 なので…当然、こうなる。
 
 『ブハッ‼ 死ぬかと思った…』
 「死んだら面白いニュースが世界に広まったのに…魔王ヴァルサリンガはマヨネーズで死す!ってなw」
 『まさか…この姿に対処できる方法を知っているとは⁉ ならば…』

 魔王ヴァルサリンガは、また別な姿に変化した。
 それは…滑っとした体に触角のあるナメクジだった。
 その姿を見て、リット達3人は震えていたのである。

 「な…何、あの生き物は⁉」
 「あれ? この世界にナメクジっていないのか?」
 「あんな生き物見た事ないわよ‼」

 というか、ナメクジって虫だっけ?
 あーーー【蛞蝓】で虫へんがあるから、一応虫になるのか!

 『フハハハハハ! どうだ! この姿に畏怖しただろ? この姿になると、どんな物理攻撃も効かず…そして魔法防御力は…』
 「調味料大暴走・塩!」

 俺は大量の塩を放つと、魔王ヴァルサリンガにぶっ掛った瞬間…徐々に体が小さくなっていった。

 『ば…馬鹿な! 我が肉体が…』
 「他にも何に変化するかは知らんが、俺との相性は最悪だな!」
 『この姿では駄目だ! なら…我が最終形態を見せてやろう! 最終形態はな、この世界の者なら全ての者が畏怖する‼』
 「何となく予想が出来るが…まさかアレか?」
 『その姿に畏怖の念を抱け‼』

 魔王ヴァルサリンガは最終形態に変化した。
 真っ黒の体にやたら長い触覚、細長い無数の足に油でテカった体…そう、その姿は…

 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! キングギヴェリアンよぉ‼」
 「こないで…来ないでぇーーー!!!」

 なるほど…最終形態はGだったか。
 確かに、この世界では畏怖される対象ナンバーワンだ。
 俺は別に平気だが、テッドはその姿を見て悲鳴を上げていた。
 なるほど、テッドにも苦手な物があるのか。

 『どうだ‼ この姿に恐れをなしたであろう‼』
 「まぁ、確かに…ある意味恐ろしい姿だな。」
 『な…何だと⁉ 貴様は我の姿に畏怖しないのか⁉』
 「前世の料理屋で何度も見て見慣れているからな…それが巨大化した所で別に何とも思わん。」
 
 妹達はコイツをキングギヴェリアンと言っていた所を見ると、こいつはこの世界にはいるんだな?
 倒し方も知っているし、対処も知ってはいるが…正直接近するのは遠慮したい所だが…どうするか?

 『さすがにこの姿に、勇者共は動けぬようだな? なら、魔剣シーズニングの所持者よ! どうする?』
 「どうするって…? 倒すに決まっているだろ!」

 すると、魔王ヴァルサリンガは高速で移動した。
 攻撃を普通に当てるのは素早過ぎる。

 『我はこの通り…素早い移動速度を誇る! はたして貴様の攻撃が当たるかな?』
 「カサカサ動くな! 気持ち悪りぃ‼︎」

 魔王ヴァルサリンガがカサカサ動き回る度に、妹達は震えて悲鳴を上げていた。
 妹達に攻撃の期待をするのは無理だな。
 俺はテクニカルセイバーを起動して、素早くカサカサと移動する魔王ヴァルサリンガに向かって行った。
 そして…!
 戦いの決着は呆気ない物で幕を閉じる事になるのだが…?
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