器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス

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第一部

第十三話 村でのんびりしたいと思うが、お約束的に無理だろうなぁ?前編

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 マイネア村に久々帰って来た俺達は、今迄のクエストの疲れを癒す為に村で休息を取る事にした。
 はずだったのだが、ジッとしているのは性に合わないと言って、シーリアは村の自警団に向かって村の警備に当たっていた。
 ゴードンは久々に畑の手入れを行っていて、クライヴもそれに付き合っている感じだった。
 そしてマリー…いや、外ではないのでマリアネートはというと?

 「お兄ちゃん、こんな感じで良いのかな?」
 「魔力を放出し過ぎだ、もう少し抑えろ…体に薄い膜を張っている程度にな。」

 僕とマリアネートは、マリアネートの要望で俺から魔力制御を教わっていた。
 マリアネートが天の術法を使用出来る様になったが、勇者ティルティアから習ったのか…魔力制御が出来ていなくて、魔力制御が雑だった。
 なので少しでもモノになる様に鍛え直している所だった。

 「はい、その状態で三時間キープ!」
 「こんな事…ティルティアさんからは習わなかったよぉ。」
 「あいつは魔力制御が雑だから、やり方を知らないんだよ。あんな垂れ流しの魔力では、あっという間にバテるぞ。」
 「でもこれは、結構きついよ。」
 「話せる内はまだ余裕があるよ。良いから言われた通りにやれ!」

 それにしても、皆は休息や休暇を何か誤解していないか?
 まぁ、うちのパーティーメンバーはジッとしているのが苦手な奴が多いから丁度良いのだろうけど。
 少しは俺を見習って欲しい物だ。
 俺は今リクライニングチェアに寝そべりながらワインを飲み、ローストブルを食べながらまったりと過ごしている。
 
 「ほら気を抜くな!魔力量が多いから、もう少し抑えろ!」
 「くぅ…」

 マリアネートは、気を抜くと魔力放出量が多くなってしまう傾向がある。
 それを正す為に付きっきりで見張っているのだが…?
 
 「お兄ちゃんは出来るんだよね?」
 「あぁ、寝ながらでも出来るぞ。休暇は一週間取っているからな、それまでは毎日これをやるぞ。」
 「最終的には寝ながらでも出来る様に?」
 「それは無理だから、起きている間は一日中でも出来る様になるまでな。ほら、また多い!」
 「くぅ~~~!」

 恐らくだが、マリアネートは俺に教えを乞うたのを後悔している頃だろう。
 だが、俺の教え方はまだ優しい方だ。
 師匠に教えを乞うた時は…いや、その話は辞めよう。
 あれはとにかく地獄だったとしか言い様が無いからな。
 また魔力量が多くなってきていたので、声を掛けるのは辞めて、オリーブの実を指で弾いてマリアネートの尻に当てた。
 
 「痛っ!」
 「これからは魔力量が多くなったらこうやって注意するからな!」
 「普通に声を掛けてよ!」
 「面倒だ!」

 俺はまたオリーブの実を摘まんでから、マリアネートの尻に当てた。
 マリアネートはオリーブの実を当てられてこちらを睨んでいたが…これも修業なので仕方がない。
 当てられたくなければ、しっかりやれば良いだけの話だ。
 俺の時はファイアボールが飛んできたからな…あれに比べれば遥かにマシだ。

 「私の体が傷だらけになっても良いの?」
 「冒険者家業をして行けば、傷は多くなるさ。ましてや勇者なんかになれば、冒険者以上に生傷が絶えなくなって来るからな。それに比べれば、お前の尻の傷程度なら軽い物だ。」
 「いつかお兄ちゃんに復讐してあげるわ!」
 「俺が生きている間に頼む。まぁ、そんな日は絶対に訪れないだろうがな!」
 
 俺はオリーブをまた指で弾いてマリアネートの尻に当てた。
 するとマリアネートは怒ったのか、俺に天の術法のライトニングを放った。
 俺は反射魔法のリフレクトを展開して、ライトニングをマリアネートに跳ね返した。
 マリアネートは自分で放ったライトニングを喰らって悲鳴を上げていた。

 「お前なぁ…魔法を使い始めたばかりで俺に勝てる訳ないだろ?」
 「絶対にお兄ちゃんにギャフンと言わせてやるんだから!」
 「ギャフン、ギャフン、ギャッフーン!これで満足か?」
 「いつか心から絶対に言わせるからね!」
 「そんな日が来れば良いな?それよりもまだ三時間経ってないぞ、続きをやれ!」

 マリアネートは魔力制御を再開した。
 本当に俺に勝てる位にまで成長してくれ。
 まぁ、俺が生きている間は無理だと思うが…。
 
 そんなこんなで一日が過ぎて行った。
 こんなゆったりとした日も悪くはないな。
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