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第一部
第二十二話 お約束的な…ざまぁ!
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「結構大きい屋敷だな…」
まぁ、伯爵家ともなればそれなりの豪邸だろう。
貴族は最低ランクの騎士爵位の屋敷でも平民の家よりは断然デカい。
そして伯爵家ともなれば、貴族位の中では中間の位置にあるので、それ相応の大きさだった。
「旦那、どう動きやす?」
「ちょっと待っててくれ。今から君たちの計画を話すが、その前に…」
俺は魔法陣を展開してから強化魔法を二人に掛けた。
「高速移動魔法アクセラレーション、軽量化魔法フライトレーション、全ステータスオールアップ、それから…嗅覚遮断魔法デオドラント、静音移動魔法スニーキン、姿消魔法インビジネス。」
「これが旦那の強化魔法か…‼︎」
「これでは、追い出したら価値が分かれば連れ戻したいという意味がわかるという物だ‼︎」
「俺の事はそこまで調べが付いてるんだな?」
「クライアントの情報は事前に調べておきますのでね。」
「僕等は情報屋ですが、悪党からは受けませんからね。」
「ではそんな義賊に動いて貰うが、まずは理不尽な目で遭って捕まっている子達の確認、その中で他種族がいないかの確認と奴隷になっている子がいないかの確認をな。」
「他種族と奴隷…ですか?」
「金持ちって基本的に手に入れた物は手放さない主義だからな。性奴隷として捕まえても飽きたら拷問に回る可能性がある。他種族もエルフとかが捕まっていると国際問題に発展するだろ?」
「なるほど、胸糞悪い話ですね。」
「次に資産…金庫や宝石類の在処の確認を。」
「我らが奪っても宜しいですよ。」
「下手に魔道具が発動したら厄介だからな。今は手を出さずに、二匹のオークを撃退したら頂戴しよう。」
腐っても貴族の屋敷だからな。
騎士もいるだろうが、金持ちは自分の資産や財産を人に任せたりはしないので、必ず警報処置として魔道具を使用している筈だ。
「最後に帳簿とかやましい書類を見付けておいてくれ。証拠などに使うからな。」
「いつまでも機密の書類を残して置きますかね?」
「金持ちは神経質だからな。金の流れに関しては馬鹿みたいに几帳面なんだよ、金遣いは荒い癖にな!」
「了解です!」
「旦那はどうするんですか?」
「正面から入る。俺はここの令息に呼ばれているみたいだからな。正面から入って、恐らくだが理不尽な要求を突き付けられるだろうから…そうなったら暴れるからそれを合図に行動を起こせ!」
「了解しました!」
「旦那、派手に暴れて下さいよ!」
「あぁ、誰を敵に回したのかを思い知らせる為に花火でも打ち上げるさ!」
二人の少年は門の外で待機して貰っている。
俺は正面から事情を話して屋敷の中に入って行った。
そして廊下を通って応接室のような部屋に通されたのだが…来るまでに飾られていた像や絵は、とても趣味が良いと思える物では無かった。
「此方でお待ち下さい!」
執事に言われて通された場所は、応接室は割とまともな部屋だが…何処か殺伐とした部屋だった。
俺はソファーに腰掛けると、成金デブ…もとい、サンデルマン伯爵令息が入って来た。
俺は映像録音スフィアと音声録音スフィアを起動した。
「お前がテクト・バークライドか?」
「そうですが?」
「お前よぉ…ボクが呼んで居るんだから、呼ばれたらさっさと来いよ平民‼︎」
「それは失礼しました。」
「要件は分かっているな?」
「さぁ?見当も付きませんが…」
妹が目当てというのは知っていたが、態と惚けたフリをした。
「お前の妹が気に入ったのでな、ボクに譲れ!」
「いえいえ、それは無理ですよ。それに妹は、国王陛下に認められた勇者ですよ?」
「国王陛下か…あんなヨボヨボのジジイにいつまでも権力なんかねぇよ!あいつが死ねば勇者制度を廃止して、他の勇者の女どもをボクの物に出来るんだからな!」
「それは…あまり穏やかな話ではありませんが、そんな事が可能になるとでも?」
「ボクの背後には侯爵家と公爵家が後ろ盾になっているからな。」
「それはどなたとどなたですか?」
「何故それをお前に話さないといけないんだ?」
「名前を教えてくださらないと信憑性に欠けるからですよ。名前を出さなくても良いのでしたら、俺の後ろ盾をしてくださっているのも公爵様と大公様と言う事が出来ますが?」
流石に簡単に口を割るほど馬鹿では無かったか。
ただ、こういう言い方をすれば恐らく…?
「お前の背後にはどの公爵家が居るんだよ‼︎」
「それはお答え出来ませんよ。守秘義務というものがありますからね…ただし、そちらが話してくださるのであれば、こちらも教え致しますよ。」
さて、どう出るかな?
何か必死に考えているみたいだが…?
「ダングレネグド侯爵様とフォーゲンバルダ公爵様だ!」
「それを証明する証拠はありますか?」
「フォーゲンバルダ公爵が国王陛下に毒を少量ずつ盛っていてな、あのジジイはその内に死ぬんだよ!本人は雑務と年齢から来るものだと思わせてな!そうして国王が死ねば公爵家が王国を支配し、ボク達もその温情に…」
「あの、国家に仇なす発言をよくもまぁ俺に話しましたね?この屋敷から出る時に、俺が国王陛下に話すとか考えないんですか?」
「お前は生きて帰れるつもりでいるのか?生きて帰れないから話したんだよ。」
すると扉から大勢の用心棒…なのかな?が入って来た。
「お前は魔道士という事は知っている。これだけの人数に囲まれては、魔法を唱える暇もない上になす術がないだろう?」
「なら、妹を譲れとか…何で聞いてきたんだ?」
「お前がどういう反応をするか楽しみだったんでな!まぁ、生かして返すつもりはないがな~」
「はぁ…お前は幾つか間違えているぞ。」
「リーダーの癖に魔物との戦いで入院していた奴が強い訳がないだろう!」
「なるほど、それがこの人数か…」
とは言っても、人数だけで大した事がなさそうだな?
この程度なら、まだホブゴブリンの方がマシだぞ?
「ライトニングバインド!」
「!?」
俺は成金デブに雷属性の拘束魔法を放って床に倒した。
「俺は確かに魔道士だが、俺に詠唱は必要ない。」
「お前は魔道士じゃ無かったのか⁉︎」
「魔道士だよ…ただし赤魔道士だが。」
「赤魔道士…あの最弱の魔道士で不人気のか!」
「不人気で悪かったな!それと…グラビティ!」
大勢の用心棒達は、重力魔法で地面に押し付けた。
そしてついでに合図として窓に向かって火魔法を放った。
火魔法は窓ガラスを突き破って、外で破裂した。
「ボクをどうする気だ‼︎」
「お前だけは生かしておいてから、先程の発言を国王陛下に…」
「ボクが言うと思っているのか?」
「映像を記録して、音声を録音した魔道具があるから…国王陛下の前でそれ等を再生するだけだ。」
「そんな事をしたらボクは…平民風情がこんな事をして、許されると思っているのか‼︎」
「平民風情を怒らせたお前に責任がある事くらい分かれよ!それに平民によって生活が出来ているのに、軽視する発言をしても良いと思っているのか?」
「平民なんて逆らえば殺し、また新たな平民を捕らえて貴族様に役に立つ為に働けば良いんだよ‼︎」
「はい、今のも録音しました。王国に捕まって処罰される道もあるが…お前には平民の前でこの映像を見せてから彼らの判断に任せるとしよう。」
「う……頼む、助けてくれないか‼︎」
「お前が無理矢理攫ってきた女の子達も同じ事を言ったと思うが、お前はその子達を助けたか?」
「女なんてその辺に幾らでもいるし、平民は貴族の好きに…」
「そういう感じで妹にも手を出そうとしたのか?俺がお前を殺しても良いんだぞ。」
俺は用心棒達を創造魔法で作った即死魔法のノーライフミストで始末した。
その死体は、成金デブの周りを囲むように死んでいた。
「お前は…こいつ等に何をした⁉︎」
「殺したに決まっているだろ。俺は…自分を殺そうとする者には容赦はしない!」
「だ…誰か来てくれーーー!!!」
「誰もこねぇよ。ここに来る前の執事やメイドは全て時間で眠る様に魔法を放っておいたからな。」
「なら…幾ら欲しい?好きなだけの金をお前に渡すから‼︎」
「金はお前をどうこうした後に全て戴く予定だ。この屋敷に隠している財産や値打ち物も全てな!」
「た…助けてパパーーー!!!」
「そういえばお前の父親もいたんだっけか?生かして連れてく来るのと、殺して死体にしてから連れて来るのとどちらが良い?」
俺は成金デブの前で威圧をしながら脅迫をした。
成金デブは圧に圧倒されて気を失った。
ついでに漏らしながら…。
俺は廊下に出ると、少年達が俺の元に集まった。
「守備はどうだ?」
「地下牢に下位の貴族令嬢や平民の子が捕まっていました。それと数人のエルフ族や獣人族の子達も…」
「令嬢や平民の子には一部ですが拷問の痕が見られる子が数人と、獣人はほぼ拷問の痕が…」
「人数はどれ程だ?」
「今までの事を考えると、奴隷に売られたか始末された子もいるでしょう。」
「地下牢の隣に骨が転がっていました。」
生かして捕らえようかと思ったが、生かしておく必要はないな。
まぁ、判断は外の人間に任せるが…。
「金の場所や値打ち物、書類関連は確認出来たか?」
「はい、それはバッチリです。」
「ついでに隠している財産や機密書類なども全て!」
「あと、伯爵はどこにいるかわかるか?」
「伯爵なら…自室で酒盛りですよ。」
「えぇ、捕らえた娘をいたぶりながら…」
二人の少年は、感情の籠った声で言った。
同じ年頃の子なのだろうか?
「案内してくれ、そして伯爵を捕らえたら…娘の保護に当たってくれ!」
「「了解です!」」
俺は少年に案内されて伯爵の部屋に入った。
すると伯爵がソファーに座って酒を呑みながら、手に持っていた鞭で少女の背中を打ち付けていた。
少女達は拘束されて動くことも出来ずに、ただ泣き叫んでいた。
俺は怒りのあまり、伯爵の顔面を形が変わるまで殴りまくっていた。
「旦那、気持ちは分かりますが…死んでしまいますよ。」
「生かして証拠を国王に引き渡すんですよね。」
「あぁ、済まん。アレを見ていたら我慢出来なくてな!」
「貴様等、ここを何処だと‼︎」
俺は伯爵に麻痺魔法を施してから、ライトニングバインドで拘束した。
そして…少年は仲間を呼ぶ合図をしてから、十数人の少年の仲間達が集まっていた。
すると少年は、他の者達に細かい指示をすると…伯爵や令息を捕らえてきたり、地下牢から捕まった少女達を解放して連れて来た。
更に機密書類や財産や値打ち物の調度品なども全てを。
すると騒ぎを聞きつけた王国騎士が来て事情を話すと、伯爵と令息をそのまま城に連れて行った。
俺も参考人として着いて行き…そして国王陛下の謁見の場で、先程令息が話していた内容を壁に映して見せた。
その場に居たダングレネグド侯爵とフォーゲンバルダ公爵は捕らえられて、地下牢に放り込まれた。
「サンデルマン伯爵の処遇は…」
「あ、それは任せて欲しいのですが、宜しいでしょうか?」
「まさか…許すとかではないだろうな?」
「許される訳がない事をした奴等を許す訳がないでしょう。奴等は平民に理不尽な暴力をし、我が子を奪われたり、平民を軽視する発言をしましたので…王国の転覆を図った一味なら当然待っているのは処刑でしょうが、処刑人は平民に任せるという風にしたらどうでしょうか?」
国王陛下から許可が出てから、平民が住む地域の真ん中に木の柱に縛り付けてから…令息のデブが先程話した内容の映像を集まっていた者たちが見ると…平民達は石を投げ付けたり、木の棒で滅多打ちにしていた。
だが、他の者達は手を出せなかったのを気の毒に思い、俺は伯爵の親子を完全回復させると…平民達のリンチが再開された。
そしてボロボロになったら回復、滅多撃ち、回復を繰り返して行き…平民達は満足をした表情になったので、トドメを刺そうとしたら…酒場にいた先程の男が伯爵の親子を始末した。
そして…事情聴取が終わった奴隷達は解放され、解放された奴隷達には伯爵家から奪って来た金貨を分け与えた。
「後は…エルフや獣人族だが、こればかりは厄介だぞ!」
王国では、エルフ国や獣人国とは友好国である。
だが伯爵のやった事は…明らかな協定違反だ。
下手すると、魔王軍以外にエルフ国や獣人国と敵対するかも知れなくなる。
まぁ、この辺は王国がなんとかするだろう。
そして俺は再び国王陛下に呼ばれ、褒賞の話になったので…捕らえられた侯爵と公爵の資産の半分を要求して、情報屋に今回の報酬として金貨千枚以外全てを渡した。
「旦那、良いんですかい?」
「あぁ…それに俺の依頼は危ない橋を渡ったかも知れないしな。」
闇ギルドの調査なんて、普通なら誰もやりたがろうとはしない。
なので、酒場にいる者の中には負傷している者達が数人見かけた。
俺は可能な限り回復をしたが、欠損した者達の治療は上手く行かなかった。
「旦那の所為じゃありやせんよ。」
「その為の全額譲渡だ…金貨千枚程は貰ったけどな。」
「抜け目ないっすね、旦那!」
俺と統括は笑い合って言った。
そして統括は真剣な表情をして…
「旦那に頼まれていた情報が全て揃いました。」
「あぁ、頼む!」
「此処では…別な場所で良いですかい?」
「あぁ、構わない。」
俺は統括と一緒に酒場を出てから、別な場所に来ていた。
其処は…健全な男が夢見る楽園の娼館だった。
まぁ、伯爵家ともなればそれなりの豪邸だろう。
貴族は最低ランクの騎士爵位の屋敷でも平民の家よりは断然デカい。
そして伯爵家ともなれば、貴族位の中では中間の位置にあるので、それ相応の大きさだった。
「旦那、どう動きやす?」
「ちょっと待っててくれ。今から君たちの計画を話すが、その前に…」
俺は魔法陣を展開してから強化魔法を二人に掛けた。
「高速移動魔法アクセラレーション、軽量化魔法フライトレーション、全ステータスオールアップ、それから…嗅覚遮断魔法デオドラント、静音移動魔法スニーキン、姿消魔法インビジネス。」
「これが旦那の強化魔法か…‼︎」
「これでは、追い出したら価値が分かれば連れ戻したいという意味がわかるという物だ‼︎」
「俺の事はそこまで調べが付いてるんだな?」
「クライアントの情報は事前に調べておきますのでね。」
「僕等は情報屋ですが、悪党からは受けませんからね。」
「ではそんな義賊に動いて貰うが、まずは理不尽な目で遭って捕まっている子達の確認、その中で他種族がいないかの確認と奴隷になっている子がいないかの確認をな。」
「他種族と奴隷…ですか?」
「金持ちって基本的に手に入れた物は手放さない主義だからな。性奴隷として捕まえても飽きたら拷問に回る可能性がある。他種族もエルフとかが捕まっていると国際問題に発展するだろ?」
「なるほど、胸糞悪い話ですね。」
「次に資産…金庫や宝石類の在処の確認を。」
「我らが奪っても宜しいですよ。」
「下手に魔道具が発動したら厄介だからな。今は手を出さずに、二匹のオークを撃退したら頂戴しよう。」
腐っても貴族の屋敷だからな。
騎士もいるだろうが、金持ちは自分の資産や財産を人に任せたりはしないので、必ず警報処置として魔道具を使用している筈だ。
「最後に帳簿とかやましい書類を見付けておいてくれ。証拠などに使うからな。」
「いつまでも機密の書類を残して置きますかね?」
「金持ちは神経質だからな。金の流れに関しては馬鹿みたいに几帳面なんだよ、金遣いは荒い癖にな!」
「了解です!」
「旦那はどうするんですか?」
「正面から入る。俺はここの令息に呼ばれているみたいだからな。正面から入って、恐らくだが理不尽な要求を突き付けられるだろうから…そうなったら暴れるからそれを合図に行動を起こせ!」
「了解しました!」
「旦那、派手に暴れて下さいよ!」
「あぁ、誰を敵に回したのかを思い知らせる為に花火でも打ち上げるさ!」
二人の少年は門の外で待機して貰っている。
俺は正面から事情を話して屋敷の中に入って行った。
そして廊下を通って応接室のような部屋に通されたのだが…来るまでに飾られていた像や絵は、とても趣味が良いと思える物では無かった。
「此方でお待ち下さい!」
執事に言われて通された場所は、応接室は割とまともな部屋だが…何処か殺伐とした部屋だった。
俺はソファーに腰掛けると、成金デブ…もとい、サンデルマン伯爵令息が入って来た。
俺は映像録音スフィアと音声録音スフィアを起動した。
「お前がテクト・バークライドか?」
「そうですが?」
「お前よぉ…ボクが呼んで居るんだから、呼ばれたらさっさと来いよ平民‼︎」
「それは失礼しました。」
「要件は分かっているな?」
「さぁ?見当も付きませんが…」
妹が目当てというのは知っていたが、態と惚けたフリをした。
「お前の妹が気に入ったのでな、ボクに譲れ!」
「いえいえ、それは無理ですよ。それに妹は、国王陛下に認められた勇者ですよ?」
「国王陛下か…あんなヨボヨボのジジイにいつまでも権力なんかねぇよ!あいつが死ねば勇者制度を廃止して、他の勇者の女どもをボクの物に出来るんだからな!」
「それは…あまり穏やかな話ではありませんが、そんな事が可能になるとでも?」
「ボクの背後には侯爵家と公爵家が後ろ盾になっているからな。」
「それはどなたとどなたですか?」
「何故それをお前に話さないといけないんだ?」
「名前を教えてくださらないと信憑性に欠けるからですよ。名前を出さなくても良いのでしたら、俺の後ろ盾をしてくださっているのも公爵様と大公様と言う事が出来ますが?」
流石に簡単に口を割るほど馬鹿では無かったか。
ただ、こういう言い方をすれば恐らく…?
「お前の背後にはどの公爵家が居るんだよ‼︎」
「それはお答え出来ませんよ。守秘義務というものがありますからね…ただし、そちらが話してくださるのであれば、こちらも教え致しますよ。」
さて、どう出るかな?
何か必死に考えているみたいだが…?
「ダングレネグド侯爵様とフォーゲンバルダ公爵様だ!」
「それを証明する証拠はありますか?」
「フォーゲンバルダ公爵が国王陛下に毒を少量ずつ盛っていてな、あのジジイはその内に死ぬんだよ!本人は雑務と年齢から来るものだと思わせてな!そうして国王が死ねば公爵家が王国を支配し、ボク達もその温情に…」
「あの、国家に仇なす発言をよくもまぁ俺に話しましたね?この屋敷から出る時に、俺が国王陛下に話すとか考えないんですか?」
「お前は生きて帰れるつもりでいるのか?生きて帰れないから話したんだよ。」
すると扉から大勢の用心棒…なのかな?が入って来た。
「お前は魔道士という事は知っている。これだけの人数に囲まれては、魔法を唱える暇もない上になす術がないだろう?」
「なら、妹を譲れとか…何で聞いてきたんだ?」
「お前がどういう反応をするか楽しみだったんでな!まぁ、生かして返すつもりはないがな~」
「はぁ…お前は幾つか間違えているぞ。」
「リーダーの癖に魔物との戦いで入院していた奴が強い訳がないだろう!」
「なるほど、それがこの人数か…」
とは言っても、人数だけで大した事がなさそうだな?
この程度なら、まだホブゴブリンの方がマシだぞ?
「ライトニングバインド!」
「!?」
俺は成金デブに雷属性の拘束魔法を放って床に倒した。
「俺は確かに魔道士だが、俺に詠唱は必要ない。」
「お前は魔道士じゃ無かったのか⁉︎」
「魔道士だよ…ただし赤魔道士だが。」
「赤魔道士…あの最弱の魔道士で不人気のか!」
「不人気で悪かったな!それと…グラビティ!」
大勢の用心棒達は、重力魔法で地面に押し付けた。
そしてついでに合図として窓に向かって火魔法を放った。
火魔法は窓ガラスを突き破って、外で破裂した。
「ボクをどうする気だ‼︎」
「お前だけは生かしておいてから、先程の発言を国王陛下に…」
「ボクが言うと思っているのか?」
「映像を記録して、音声を録音した魔道具があるから…国王陛下の前でそれ等を再生するだけだ。」
「そんな事をしたらボクは…平民風情がこんな事をして、許されると思っているのか‼︎」
「平民風情を怒らせたお前に責任がある事くらい分かれよ!それに平民によって生活が出来ているのに、軽視する発言をしても良いと思っているのか?」
「平民なんて逆らえば殺し、また新たな平民を捕らえて貴族様に役に立つ為に働けば良いんだよ‼︎」
「はい、今のも録音しました。王国に捕まって処罰される道もあるが…お前には平民の前でこの映像を見せてから彼らの判断に任せるとしよう。」
「う……頼む、助けてくれないか‼︎」
「お前が無理矢理攫ってきた女の子達も同じ事を言ったと思うが、お前はその子達を助けたか?」
「女なんてその辺に幾らでもいるし、平民は貴族の好きに…」
「そういう感じで妹にも手を出そうとしたのか?俺がお前を殺しても良いんだぞ。」
俺は用心棒達を創造魔法で作った即死魔法のノーライフミストで始末した。
その死体は、成金デブの周りを囲むように死んでいた。
「お前は…こいつ等に何をした⁉︎」
「殺したに決まっているだろ。俺は…自分を殺そうとする者には容赦はしない!」
「だ…誰か来てくれーーー!!!」
「誰もこねぇよ。ここに来る前の執事やメイドは全て時間で眠る様に魔法を放っておいたからな。」
「なら…幾ら欲しい?好きなだけの金をお前に渡すから‼︎」
「金はお前をどうこうした後に全て戴く予定だ。この屋敷に隠している財産や値打ち物も全てな!」
「た…助けてパパーーー!!!」
「そういえばお前の父親もいたんだっけか?生かして連れてく来るのと、殺して死体にしてから連れて来るのとどちらが良い?」
俺は成金デブの前で威圧をしながら脅迫をした。
成金デブは圧に圧倒されて気を失った。
ついでに漏らしながら…。
俺は廊下に出ると、少年達が俺の元に集まった。
「守備はどうだ?」
「地下牢に下位の貴族令嬢や平民の子が捕まっていました。それと数人のエルフ族や獣人族の子達も…」
「令嬢や平民の子には一部ですが拷問の痕が見られる子が数人と、獣人はほぼ拷問の痕が…」
「人数はどれ程だ?」
「今までの事を考えると、奴隷に売られたか始末された子もいるでしょう。」
「地下牢の隣に骨が転がっていました。」
生かして捕らえようかと思ったが、生かしておく必要はないな。
まぁ、判断は外の人間に任せるが…。
「金の場所や値打ち物、書類関連は確認出来たか?」
「はい、それはバッチリです。」
「ついでに隠している財産や機密書類なども全て!」
「あと、伯爵はどこにいるかわかるか?」
「伯爵なら…自室で酒盛りですよ。」
「えぇ、捕らえた娘をいたぶりながら…」
二人の少年は、感情の籠った声で言った。
同じ年頃の子なのだろうか?
「案内してくれ、そして伯爵を捕らえたら…娘の保護に当たってくれ!」
「「了解です!」」
俺は少年に案内されて伯爵の部屋に入った。
すると伯爵がソファーに座って酒を呑みながら、手に持っていた鞭で少女の背中を打ち付けていた。
少女達は拘束されて動くことも出来ずに、ただ泣き叫んでいた。
俺は怒りのあまり、伯爵の顔面を形が変わるまで殴りまくっていた。
「旦那、気持ちは分かりますが…死んでしまいますよ。」
「生かして証拠を国王に引き渡すんですよね。」
「あぁ、済まん。アレを見ていたら我慢出来なくてな!」
「貴様等、ここを何処だと‼︎」
俺は伯爵に麻痺魔法を施してから、ライトニングバインドで拘束した。
そして…少年は仲間を呼ぶ合図をしてから、十数人の少年の仲間達が集まっていた。
すると少年は、他の者達に細かい指示をすると…伯爵や令息を捕らえてきたり、地下牢から捕まった少女達を解放して連れて来た。
更に機密書類や財産や値打ち物の調度品なども全てを。
すると騒ぎを聞きつけた王国騎士が来て事情を話すと、伯爵と令息をそのまま城に連れて行った。
俺も参考人として着いて行き…そして国王陛下の謁見の場で、先程令息が話していた内容を壁に映して見せた。
その場に居たダングレネグド侯爵とフォーゲンバルダ公爵は捕らえられて、地下牢に放り込まれた。
「サンデルマン伯爵の処遇は…」
「あ、それは任せて欲しいのですが、宜しいでしょうか?」
「まさか…許すとかではないだろうな?」
「許される訳がない事をした奴等を許す訳がないでしょう。奴等は平民に理不尽な暴力をし、我が子を奪われたり、平民を軽視する発言をしましたので…王国の転覆を図った一味なら当然待っているのは処刑でしょうが、処刑人は平民に任せるという風にしたらどうでしょうか?」
国王陛下から許可が出てから、平民が住む地域の真ん中に木の柱に縛り付けてから…令息のデブが先程話した内容の映像を集まっていた者たちが見ると…平民達は石を投げ付けたり、木の棒で滅多打ちにしていた。
だが、他の者達は手を出せなかったのを気の毒に思い、俺は伯爵の親子を完全回復させると…平民達のリンチが再開された。
そしてボロボロになったら回復、滅多撃ち、回復を繰り返して行き…平民達は満足をした表情になったので、トドメを刺そうとしたら…酒場にいた先程の男が伯爵の親子を始末した。
そして…事情聴取が終わった奴隷達は解放され、解放された奴隷達には伯爵家から奪って来た金貨を分け与えた。
「後は…エルフや獣人族だが、こればかりは厄介だぞ!」
王国では、エルフ国や獣人国とは友好国である。
だが伯爵のやった事は…明らかな協定違反だ。
下手すると、魔王軍以外にエルフ国や獣人国と敵対するかも知れなくなる。
まぁ、この辺は王国がなんとかするだろう。
そして俺は再び国王陛下に呼ばれ、褒賞の話になったので…捕らえられた侯爵と公爵の資産の半分を要求して、情報屋に今回の報酬として金貨千枚以外全てを渡した。
「旦那、良いんですかい?」
「あぁ…それに俺の依頼は危ない橋を渡ったかも知れないしな。」
闇ギルドの調査なんて、普通なら誰もやりたがろうとはしない。
なので、酒場にいる者の中には負傷している者達が数人見かけた。
俺は可能な限り回復をしたが、欠損した者達の治療は上手く行かなかった。
「旦那の所為じゃありやせんよ。」
「その為の全額譲渡だ…金貨千枚程は貰ったけどな。」
「抜け目ないっすね、旦那!」
俺と統括は笑い合って言った。
そして統括は真剣な表情をして…
「旦那に頼まれていた情報が全て揃いました。」
「あぁ、頼む!」
「此処では…別な場所で良いですかい?」
「あぁ、構わない。」
俺は統括と一緒に酒場を出てから、別な場所に来ていた。
其処は…健全な男が夢見る楽園の娼館だった。
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だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
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頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
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よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
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