36 / 95
バックれ計画の章
第三十五話
しおりを挟む
「リアラ、考えられる時間はどれ位ある?」
「そんなにありませんよ、私が神殿に帰る前までは御決断をして下さらないと…先程の馬鹿王子の案が出来なくなります。」
「馬鹿王子って…リアラが好きで好きで片時も離れたくないと宣言するアレか?」
「他の理由では簡単に却下されるでしょうからね、多分これが一番の有効な方法だと思います。」
私も結構な無茶ぶりを言っている自覚はある。
カイル殿下に王位を捨てろという決断を迫っている訳なのだから。
まぁこの国には第一王子と第一王女以外に第二王子がいるので、第一王子であるカイル殿下が王位を継がなくても第二王子に王位が継承される場合がある。
カイル殿下は真面目な方だ。
自分勝手な王子ならば、自分の望みを優先するだろうが…?
カイル殿下はまず優先すべきは国民の為という理念がある。
なので王位を手放すという行為は、国民を裏切る行為と思って罪悪感が生まれているのだった。
私には護る物なんて何もないからその苦しみは全く解らないんだけどね。
「仮に…リアラがバックレずに旅を完遂するという話だとどうなる?」
「忘れたのですか?騎士団が私や王子を戦わせないように匿われるだけですよ。領土の視察や他国に訪問する時の様な感じになってしまい、馬車に守られていて一切外に出る事が出来ずに魔物の討伐なんて論外…そんな旅をしたいのですか?」
まぁ私は完遂する前にバックレるけどね。
城に戻ってから王子と結婚する為に礼儀作法や王族になる為の勉強なんて真っ平ごめんなので。
「即決が出来ないのであれば、旅の事は諦めて城にいる事をお勧めしますよ。優柔不断な者ほど、いざという決断が出来ずに身を破滅するだけですからね。」
「結構キツイな…」
「私だって神殿の目を掻い潜ってバックレるという事に対しては、命懸けだと思っていますし色々と悩みましたからね。ですがやるとなったら迷っている暇はありませんし、やるなら即決で即行動ですよ。」
「だが…バックレる人生を送るという事は、今後一切は家族に会えなくなるんだろう?」
「カイル殿下には愛せるべき家族がいるのですね。私には愛する家族なんてものは存在しませんので、気持ちは一切分かりませんが…」
「テリガン侯爵家でのリアラの長年による不遇な扱いに関しては書類を読ませて貰って知っている。あれなら確かに僕の立場でもバックレるのには賛成ですぐにでも行動を起こせるが…」
やっぱりこのお坊ちゃんには旅なんか無理ね。
それどころか、あまりにも優柔不断過ぎてバックレた後の生活も何となく予想が出来そうだし…。
「分かりましたカイル殿下、旅の同行は諦めて城にいる事を望んで下さい。貴方の様な方に外での旅は無理ですし、冒険者になって生計を立てる何て事はまず不可能ですよ。」
「な…!」
「今迄のやり取りをしていて分かりました、貴方は家族を愛し過ぎていて別れるのが辛いと駄々を捏ねている子供なんですよ。自分の夢や憧れは語れるけど、それは自分の事を誰かに聞いて貰って気を引きたいが為に…そう取れなくもありません。そんな甘ったるい事を言っている人に旅なんか無理だし、バックレるなんて事もまず無理でしょうからね。そんな甘ちゃんでは城を出て生計を立てるなんてまず無理ですから諦めて下さい。」
これが最後通告として煽る様に言ってみた。
これでも考えが変わらないのであれば…カイル殿下が旅をするというのは叶わないだろう。
「カイル殿下、御決断を…」
長い沈黙の後にカイル殿下は口を開いた。
「分かった、僕は家族を捨てる!」
「その心に迷いはありませんか?」
「迷いが無いと言えば嘘になるが…リアラに言われて目が覚めたよ。僕は国も家族も捨てて生きる道を選択する!」
良かった。
ただの甘ちゃん王子では無かったか。
では次に段取りを話さないとだけど、カイル殿下は何処まで上手く演技が出来るかな?
「そんなにありませんよ、私が神殿に帰る前までは御決断をして下さらないと…先程の馬鹿王子の案が出来なくなります。」
「馬鹿王子って…リアラが好きで好きで片時も離れたくないと宣言するアレか?」
「他の理由では簡単に却下されるでしょうからね、多分これが一番の有効な方法だと思います。」
私も結構な無茶ぶりを言っている自覚はある。
カイル殿下に王位を捨てろという決断を迫っている訳なのだから。
まぁこの国には第一王子と第一王女以外に第二王子がいるので、第一王子であるカイル殿下が王位を継がなくても第二王子に王位が継承される場合がある。
カイル殿下は真面目な方だ。
自分勝手な王子ならば、自分の望みを優先するだろうが…?
カイル殿下はまず優先すべきは国民の為という理念がある。
なので王位を手放すという行為は、国民を裏切る行為と思って罪悪感が生まれているのだった。
私には護る物なんて何もないからその苦しみは全く解らないんだけどね。
「仮に…リアラがバックレずに旅を完遂するという話だとどうなる?」
「忘れたのですか?騎士団が私や王子を戦わせないように匿われるだけですよ。領土の視察や他国に訪問する時の様な感じになってしまい、馬車に守られていて一切外に出る事が出来ずに魔物の討伐なんて論外…そんな旅をしたいのですか?」
まぁ私は完遂する前にバックレるけどね。
城に戻ってから王子と結婚する為に礼儀作法や王族になる為の勉強なんて真っ平ごめんなので。
「即決が出来ないのであれば、旅の事は諦めて城にいる事をお勧めしますよ。優柔不断な者ほど、いざという決断が出来ずに身を破滅するだけですからね。」
「結構キツイな…」
「私だって神殿の目を掻い潜ってバックレるという事に対しては、命懸けだと思っていますし色々と悩みましたからね。ですがやるとなったら迷っている暇はありませんし、やるなら即決で即行動ですよ。」
「だが…バックレる人生を送るという事は、今後一切は家族に会えなくなるんだろう?」
「カイル殿下には愛せるべき家族がいるのですね。私には愛する家族なんてものは存在しませんので、気持ちは一切分かりませんが…」
「テリガン侯爵家でのリアラの長年による不遇な扱いに関しては書類を読ませて貰って知っている。あれなら確かに僕の立場でもバックレるのには賛成ですぐにでも行動を起こせるが…」
やっぱりこのお坊ちゃんには旅なんか無理ね。
それどころか、あまりにも優柔不断過ぎてバックレた後の生活も何となく予想が出来そうだし…。
「分かりましたカイル殿下、旅の同行は諦めて城にいる事を望んで下さい。貴方の様な方に外での旅は無理ですし、冒険者になって生計を立てる何て事はまず不可能ですよ。」
「な…!」
「今迄のやり取りをしていて分かりました、貴方は家族を愛し過ぎていて別れるのが辛いと駄々を捏ねている子供なんですよ。自分の夢や憧れは語れるけど、それは自分の事を誰かに聞いて貰って気を引きたいが為に…そう取れなくもありません。そんな甘ったるい事を言っている人に旅なんか無理だし、バックレるなんて事もまず無理でしょうからね。そんな甘ちゃんでは城を出て生計を立てるなんてまず無理ですから諦めて下さい。」
これが最後通告として煽る様に言ってみた。
これでも考えが変わらないのであれば…カイル殿下が旅をするというのは叶わないだろう。
「カイル殿下、御決断を…」
長い沈黙の後にカイル殿下は口を開いた。
「分かった、僕は家族を捨てる!」
「その心に迷いはありませんか?」
「迷いが無いと言えば嘘になるが…リアラに言われて目が覚めたよ。僕は国も家族も捨てて生きる道を選択する!」
良かった。
ただの甘ちゃん王子では無かったか。
では次に段取りを話さないとだけど、カイル殿下は何処まで上手く演技が出来るかな?
13
あなたにおすすめの小説
病弱設定されているようです
との
恋愛
『あのようにご立派な家門にお産まれになられたのに⋯⋯お可哀想なご令嬢だそうですのよ』
なんて噂が流れているけれど、誰も会ったことがないミリー・ミッドランド侯爵令嬢。
ネグレクトなんて言葉はない時代に生まれ落ちて、前世の記憶を取り戻したら⋯⋯。
前世の記憶と共に無双します!
再開しました。完結まで続投です。
ーーーーーー
恋愛小説大賞27位、ありがとうございました(感謝)
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定。
完結確定、R15は念の為・・
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】
青緑 ネトロア
恋愛
女神に今代の聖女として選定されたメリシャは二体の神獣を授かる。
親代わりの枢機卿と王都を散策中、初対面の王子によって婚約者に選ばれてしまう。法衣貴族の義娘として学園に通う中、王子と会う事も関わる事もなく、表向き平穏に暮らしていた。
辺境で起きた魔物被害を食い止めたメリシャは人々に聖女として認識されていく。辺境から帰還した後。多くの王侯貴族が参列する夜会で王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。長い間、我儘な王子に我慢してきた聖女は何を告げるのか。
———————————
本作品の更新は十日前後で投稿を予定しております。
更新予定の時刻は投稿日の17時に固定とさせていただきます。
誤字・脱字をコメントで教えてくださると、幸いです。
読みにくい箇所は、何話の修正か記載を同時にお願い致しますm(_ _)m
…(2025/03/15)…
※第一部が完結後、一段落しましたら第二部を検討しています。
※第二部は構想段階ですが、後日談のような第一部より短めになる予定です。
※40話にて、近況報告あり。
※52話より、次回話の更新日をお知らせいたします。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
最初からここに私の居場所はなかった
kana
恋愛
死なないために媚びても駄目だった。
死なないために努力しても認められなかった。
死なないためにどんなに辛くても笑顔でいても無駄だった。
死なないために何をされても怒らなかったのに⋯⋯
だったら⋯⋯もう誰にも媚びる必要も、気を使う必要もないでしょう?
だから虚しい希望は捨てて生きるための準備を始めた。
二度目は、自分らしく生きると決めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつも稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。
私ごとですが、この度レジーナブックス様より『後悔している言われても⋯⋯ねえ?今さらですよ?』が1月31日頃に書籍化されることになりました~
これも読んでくださった皆様のおかげです。m(_ _)m
これからも皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします(>人<;)
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
【コミカライズ企画進行中】ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!
あきのみどり
恋愛
【ヒロイン溺愛のシスコンお兄様(予定)×悪役令嬢(予定)】
小説の悪役令嬢に転生した令嬢グステルは、自分がいずれヒロインを陥れ、失敗し、獄死する運命であることを知っていた。
その運命から逃れるべく、九つの時に家出を決行。平穏に生きていたが…。
ある日彼女のもとへ、その運命に引き戻そうとする青年がやってきた。
その青年が、ヒロインを溺愛する彼女の兄、自分の天敵たる男だと知りグステルは怯えるが、彼はなぜかグステルにぜんぜん冷たくない。それどころか彼女のもとへ日参し、大事なはずの妹も蔑ろにしはじめて──。
優しいはずのヒロインにもひがまれ、さらに実家にはグステルの偽者も現れて物語は次第に思ってもみなかった方向へ。
運命を変えようとした悪役令嬢予定者グステルと、そんな彼女にうっかりシスコンの運命を変えられてしまった次期侯爵の想定外ラブコメ。
※コミカライズ企画進行中
なろうさんにも同作品を投稿中です。
エミリーと精霊
朝山みどり
恋愛
誰もが精霊と契約する国。エミリーの八歳の誕生日にやって来たのは、おもちゃのようなトカゲだった。
名門侯爵家の娘としてありえない恥。家族はエミリーをそう扱った。だからエミリーは居場所を得るために頑張った。役に立とうとした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる