聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

アノマロカリス

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新天地の章

第八十五話

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 股間を攻撃するという行為は、男女問わず…抗える者はいないだろう。

 普通だったら、そんな場所に手を出す事は躊躇われる場所だと思うのだけれど?

 普通ならね…でもディーノは、年齢相応に見えない私よりも幼い見た目だった。

 なので、年齢は…恐らく10歳か11歳といったところでしょう。

 だから、異性に対しても抵抗なく攻撃出来たということね。

 怖いわ、幼い年齢の無邪気な行動って…

 でもね、私を辱めてくれた報いを受けてもらうわよ!

 例え幼い子供であってもね。

 「流石にこの攻撃には耐えられなかったみたいだな、これで逆らう真似はもう…」

 「でも無いわよ、悪いけど反撃させて貰うわ!」

 「反撃って何をするつもりだよ。」

 「こうするのよ!パワーアジテーション‼︎」

 「⁉︎」

 パワーアジテーションとは?

 男性の股間を刺激して、肥大させて硬くさせるという魔法である。

 この魔法には段階があり、私よりも魔力に高い人がこの魔法を使用した場合、追加効果を発生させるという話だけれど。

 今の私にはこれで十分ですね。

 その証拠に、ディーノは股間を抑えて苦しがっているから。

 性行為経験のある男性なら、こうなった場合の対処法は心得ているけど、10歳か11歳の子供には対処の仕方が分かるわけもない。

 私はディーノが苦しんでいる内に、縄を風魔法で切断してからシュラスコを奪って逃げようとしたんだけど…?

 私がテーブルの方に近付こうとしているのをディーノが見た瞬間、テーブルに蹴りを入れて倒して料理が地面に散らばったのだった。

 あんな苦しい思いをしている癖に、良くもあれだけ動けたものね…と感心した。

 お肉は勿体無い事をしたけど、今ならディーノも碌に動けないので逃げることが出来る。

 「じゃあねディーノ、私はこのまま別な場所に行く事にするわ。」

 「おい、これは明らかにお前の仕業だろ?どうすれば治るんだ‼︎」

 あらあら、それを私に聞く?

 …って、私も良くは分からないけど。

 ちなみに、このパワーアジテーションという魔法は、4人と行動をしていた時に…オメガと宿屋の中で監視されている際に、オメガの目を盗んでバックれる為に放った魔法である。

 その時にオメガに、散々揶揄った言葉を浴びせたっけ。

 「どうしたの、大丈夫?痛い所を見せてくれる?癒してあげるから…」

 …と、テルミガンからどうなっているのかを分かった上で近寄ったんだけどw

 オメガは股間を抑えながら、私から距離を取る様に移動をし、遂にはトイレに入って暫く出られなかった。

 オメガを含めた神殿騎士達は、攻撃魔法や弱体魔法には耐性が有り…殆どがレジストされてしまうんだけど?

 パワーアジテーションは、寧ろ強化魔法の類に入る為にレジストは不可能だった。

 「治し方はね、ズボンを脱いでから海の中で冷やして暫くすると治るという話らしいけど…?」

 「海の中だな‼︎」

 そう言って、ディーノはヨロヨロと立ち上がってから海にダイブした。

 そしてゴソゴソと動作をしてからそのまま動かなくなった。

 「そう言えば、テルミガンから…この時期はクラゲが多く発生しているから、海に入るのはやめた方がいいって言われたけど…ディーノは大丈夫なのかな?」

 まぁ、ディーノはこの場所が故郷なのだから、クラゲの対処くらいは私が口を出すまでもないわね。

 私はその場から立ち去って歩いていると、背後の方からディーノの叫び声が聞こえたのだった。

 …恐らく、クラゲに刺されたのかな?

 それにしても、ディーナがこの島に居るなんて…本来の目的通りに、ゾイディック大陸に向かおうかしら?

 あ、でも…残り二人がゾイディック大陸にいる可能性もある………って、大陸の様な広い場所で、そうそう見つかるとも思えないし…いざとなったらフェイク魔法を使って姿を偽れば良いしね。

 私はトルーデ港に転移魔法で移動をした。

 次の目的地は、ゾイディック大陸…

 本当に平気よね?
 
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