魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎

アノマロカリス

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第五章

第十二話・閑話 リュカの死因(リュカの死は、大体こんな感じです。)

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 これは、まだカナイ村から出発前に起こった出来事だった。
 リッカとシオンとガイアンの前には、死んでいる僕が寝そべっている。
 そしてオートリレイズの効果で息を吹き返すと、何事も無かった様に起きたのだった。

 「僕はまた死んでいたのか…」
 「リュカ兄ぃ、おかえり!」
 「リュカさん、おかえりなさい。」
 「リュカ、今回も手酷くやられたな。」
 「え~と…?」

 今回は何で死んだんだっけ?
 何か強い衝撃が後ろからぶつかって来て…?

 「僕は何で死んだの?」
 「かー祖母ちゃんの魔道具の暴発事故でね。」
 「またか…というか、何でいつも僕目掛けて飛んでくるんだ‼」
 「リュカ兄ぃに向かって飛んできたよね。」
 「リュカさんに当たってから消えたので、具体的に何だったのかが良く解りませんでしたが。」
 「なんかモーニングスターの鉄球の様な物が物凄いスピードでリュカの頭に直撃していたな。」
 
 かー祖母ちゃんの魔道具によって殺された回数は結構ある。
 なぜか毎回僕目掛けて飛んで来て、他の家族には一切飛んで来ないのだ。

 「あんのクソババァ、僕に何か恨みでもあるのか‼」
 「それにしてもリュカさんは…良く殺されますね。」
 「特に家族からね、魔物で死んだ事は1度も無いのに…」
 「家族から…って事は、リッカにも殺された事があるのか?」
 「私、リュカ兄ぃを殺した事なんてないよ!」
 「・・・・・・・?」

 僕は腕を組んで考える。
 リッカに殺された事は無いと本人が言っているが、果たしてそうだろうか?

 「リュカ兄ぃ、否定してよ!」
 「リッカに殺された事は…?」
 「ないよ! ないでしょ‼」
 「う~~~ん…?」
 
 僕が思い付く限りでは、リッカから直接手を下された事は一度も無い…はず?
 いや、忘れているだけで思い出せないだけかな?

 「ボクがこの村にいる間にも、リュカさんは3回くらい殺されていますが…リュカさんは家族全員から殺されるんですか?」
 「特には母さんが多いかも。他だと、かー祖母ちゃんとか、とー祖母ちゃんかな?」
 「師匠とか、ジェスター師匠からは?」
 「それも何回もある。」
 「リュカさんは、家族の誰に一番殺された回数が多いですか? 名前が上がっていないようですが、ジーニアス師匠からは無いのですか?」
 「父さんは…最近ではないなぁ。 子供の時は、母さんよりも多かったかもしれない。」
 「へっ? 父さんが⁉」

 家族の中で殺された回数を改めて数えると、総合では父さんか母さんが一番多い。
 どっちかと言われたら、甲乙が付け難いかも。

 「少し長い話になるが、良いか?」
 「面白そうな話ね、私も混ざって良いかしら?」

 リッカから別な声が聞こえると、ノワールがリッカから分離して現れた。
 僕は以前に見たが、シオンとガイアンは初めて見たみたいで驚いた表情をしていた。

 「それがリッカのもう1つの人格か?」
 「ボクと剣で戦った時の気配がします。」
 「私はノワールっていうの、この姿になれるのは魔素が多い場所だけなので、何処かで会えたら宜しくね!」
 「自己紹介が終わったみたいだから話すよ。」

 僕は最初に、呪いの話をし始めた。
 この話に関しては、リッカとシオンは知っていたが、ノワールとガイアンは知らなかったので少し驚いていた。
 その後に僕は家族から殺される切っ掛けの話をし始めた。

 「とー祖父ちゃん…ジェスターじっちゃんの場合は、主に剣の斬撃が飛んで来て殺されたね。 何度か手足が斬り飛ばされたり、体が真っ二つになって死んだ事がある。」
 「リュカ…良く生き返れたな?」
 「とー祖母ちゃん…カーディナルばっちゃんの時は、7割が魔法の実験で3割が魔法薬の実験だったな。」
 「とー祖母ちゃん、魔法の実験って…それに魔法薬ってどういうの?」
 「グールパウダーを吸わされてから、魔法実験されたね。」
 「ゾンビパウダーというのは聞いた事がありますが、グールパウダーって⁉」
 「ゾンビパウダーは、使用すると人間そのものをゾンビに変える薬で自我すら失う魔法薬で、グールパウダーは、使用すると人間そのものをグールに変える薬だけど、世の中にいるグールの大半は生前に生きていた者の自我が残っている状態で人を襲い掛かるんだよ。 本人の意思とは関係なしにね。」
 「グールの状態で魔法の実験されたの?」
 「体を燃やされて熱さを感じるか…とか、氷漬けにされて寒さを感じるか…とかね。」
 「それって、もはや人体実験では? 良く戻れたね。」
 
 懐かしいなぁ、あれ何歳の時だっけ?
 目の前に見える人間が全て食べ物に見えたんだよね。
 こちらからは何も言葉を発せないし、自我には逆らえずに襲い掛かろうとしたり…。
 グールを治せる薬があると言われて、魔法薬をぶっ掛けられたけど結局治らなくて、殺されてから生き返させられた記憶があるな。
 あれ、結構危なかったんだよね…母さんに見付かって神聖魔法でターンアンデットされそうになったからなぁ。
 とー祖母ちゃんが止めなかったら、僕は確実にこの世にはいなかっただろう。

 「かー祖父ちゃん…ブライアンじっちゃんの場合は、言わなくても分かるか。」
 「師匠のあの様子じゃ、大体何が起きているかがな。」
 「シオンとノワールが多分知らないと思うから一応話しておく。 かー祖父ちゃんから気功術を習った際に、気功術にも身体強化魔法みたいなものがあってね。 それで体を強化して、かー祖父ちゃんに殴られるという修業で何回か死んだ事がある。」
 「私もそれで何回か死んだなぁ…。」
 「素手でオリハルコンを砕く拳を持っている人間に殴られて、身体強化もクソもあったもんじゃないよ。 若い頃にはアダマンタイトを殴ってヒビが入ったとか言っていたからね。」
 「2人のおじいさまは、素手でオリハルコンを砕けるの? 普通は出来ないわよね?」
 
 僕とガイアンはうんうんと頷いた。
 でも実際に…かー祖父ちゃんはオリハルコンゴーレムを素手で破壊していたからなぁ。

 「かー祖母ちゃん…アーシアばっちゃんの場合は、僕が主に死ぬ理由は魔道具によるもの…というのはさっき話した通り。 鉄球が飛んで来て直撃、剣が飛んで来て串刺し、謎の液体が飛んで来て溶かされそうになったり、大火傷を負った時もあったな。」
 「この世で拷問で殺される方法を全て体験しているんじゃないか?」
 「そうだな、父さんの時も結構あったからな。」

 他にもベッドのマットレスに窒息させられそうになったり、レイスやスペクターで体力を吸われまくって死に掛けた事もあったからなぁ。
 
 「でも、リュカ兄ぃが父さんに殺された話って初めて聞くかも。」
 「その時にリッカは別な場所に居たからね。 父さん…ジーニアス父さんの場合は、主に薬物だった。 猛毒を飲まされて何時間後に死ぬかという実験をさせられたり、麻痺薬で心臓の鼓動を止めさせるという薬品もあったな。 他には体中の細胞を死滅させる薬とか、体中の血管が破裂させる薬を飲まされたり…あと何だったっけ?」
 「親が子供にする仕打ちじゃないわね…」
 「あ、召喚魔法というのもあったな! スライムを召喚されてから捕食させて、手足が溶けても回復薬で元に戻るか…とか、蛙みたいな奴を召喚させてから捕食させて、消化される寸前でエリクサーで復元させられたり、オーバーヒールポーションで回復細胞を破壊させる薬品を飲まされて体が腐りかけた時もあった。」
 「ジーニアス師匠の学会で発表した論文って、リュカさんの犠牲の元に成り立っていたんですね。 通りで詳細な情報が書かれていると思った。」

 ただ、とー祖母ちゃんの時と違って…自我がある状態での実験では無かったからまだマシかな?
 薬品で意識が朦朧としていた状態でやられたから、自我があった状態だったら精神がおかしくなっていただろう。

 「あとは母さん…トリシャ母さんの場合は、ほぼメイスで滅多打ちの撲殺だった。 最初は体だけで頭はやられなかったんだけど、ある時に頭を殴られて潰れた事があったらしく、それでも蘇生と回復が出来てから…頭を狙われる事が多くなったな。」
 「うん…リュカ兄ぃがミンチになった状態を見た時に、何度か食事を食べられなかった時があった。」
 「ガイアンがさっき、あらゆる拷問で殺されたんじゃないかと言われたけど、さすがに首を刎ねられた事は無かったよ。 あれで殺されていたら、多分本当に死ぬんじゃないかと思ったんじゃないかな?」
 「頭が潰れている状態でも大して変わらないと思うけど?」
 「そうよね、普通蘇生出来るからってそこまでする⁉」
 
 呪いの所為もあったけど、他に何か理由があったっけ?
 あ…!

 「最後にリッカに殺された事が無いかという話だけど…」
 「無いでしょ⁉」
 「リッカに剣で刺されて殺された事は無いけど、直接手を下さなかった分たちが悪いと思った時は何度かあった。」
 「私…リュカ兄ぃに何かしたっけ?」
 「シオンと一緒に天蜂虫の巣に蜂蜜を採りに行った時の事は覚えてる?」
 「山の上のですよね?」
 「山の手前に吊り橋があったのはわかる?」
 「ありましたね。 浮遊魔法を使うと、蜂が警戒するからと言って渡ったのを覚えています。」
 「あれは、12歳くらいの時かな? ある試験の時に、リッカと天蜂虫の巣に蜂蜜を採りに行けという事があって、僕が吊り橋を渡っている時に、リッカが吊り橋の縄を切って僕を谷底に落とした事があった。 あの時は浮遊魔法が使えなくて、木に引っ掛からなければ地面に激突して死んでいたかもしれなかった。」

 ガイアンとシオンとノワールは、リッカに対して冷めたい目を向けた。
 リッカはそんな事あったっけ?
 そんな顔をしているが、リッカは一度忘れた事は中々思い出せないので、多分覚えてないだろう。

 「他にも、僕がリッカに対してあらぬ誤解を母さんにさせて、僕が殺される姿を何度も味合わせたり…」
 「あれは、ちょっとしたイタズラで…」
 「他にも変声魔法という魔法を覚えた時に僕の声を真似して、とー祖母ちゃんに対して…「このクソババァ、若作りしてんじゃねーよ! 正体は梅干しみたいに皺くちゃなのがそんなに恥ずかしいのか?」と言って、僕がとー祖母ちゃんの魔法の餌食にされていたのを嘲笑っていたりしていたっけか。」
 「あの時は、リュカ兄ぃが私のおやつを食べちゃったから仕返ししようと。」
 
 3人のリッカに対する視線が、より一層冷たくなった。
 
 「他にも変声魔法で、母さんの料理は生ごみの方がまだマシ!とか、とー祖父ちゃんの剣を折ったのを僕の所為にしたり、かー祖父ちゃんの大事な酒瓶を割ったのも…かー祖母ちゃんの魔道具を壊したのや父さんのエリクサーを無断で使用したのを僕の所為にしたりして、その皺寄せが全部僕の所に来て…」
 「ひっど!」
 「リッカさん…それは。」
 「リッカ、さすがにそれは酷いぞ!」
 「後は何があったっけ?」
 「リュカ兄ぃ、その辺にして…」

 リッカはどんどん顔が青ざめて行った。
 するとシオンが言った。

 「まぁ、リュカさんが家族から酷い仕打ちを何度も請けていた事は解りました。 ならボクの様に、家を出るという選択はしなかったんですか?」
 「僕がしなかったと思うか? 何度も家出をしたけど、かー祖母ちゃんの魔道具で的確に追跡されて行場所がバレると連れ戻されたり、とー祖母ちゃんの追跡魔法から逃げられずに捕まって連れ戻されたりされた事もあったよ。 それを繰り返していく内に、逃げれるのは不可能だと思ったので、ちゃんとした理由で家を出る方法として冒険者になる事にして家を出たんだよ。」
 「そうですよね、あの2人の魔道具や魔法はとても精巧ですからね。 ボクがリュカさんの立場でも逃げれるとは思えません。」
 「数回だけ逃げれた時もあったけど、森の中に逃げた時かな? 気配を殺してやり過ごそうとしたら、とー祖母ちゃんに極大爆炎魔法で森全体を燃やされてから焼死して連れ戻された時もあった。 その時に悟ったよ、どう足掻いても逃げる事は出来ないんだな…と。」
 「家族は何でそこまでリュカ君に執着していたの?」
 「呪いの関係があったからだよ。 呪いの関係で年齢が幼い時は、下手に手放せなかったからと呪いの話をされた時に納得したよ。 あの当時はその話をされる前だったから、何で執拗に捕まえられるのかが意味が解らなかった。 僕はてっきり、実験台を手放したくないと思っていた時がある。」
 「俺ならグレていたな。」
 「グレて勝てる相手なら…」
 「無理だろうな、あの師匠達が相手だったらどう足掻いても勝てる気がしない。」
 
 何も全てが迫害される様な悪い出来事ばかりではない。
 両親や祖父母達は、飴と鞭の使い方を心得ていたので、死にそうな辛い目に遭った時でも飴というご褒美を用意してくれていた。
 中には釣り合いが取れなかった時もあったけど、予想以上の物を得られたから良しと思っていたな。
 今となっては、何てチョロいんだろうと思った時が何度かある。
 
 「リュカの忍耐力の強さとか精神力の強さってそこから来ていたんだな!」
 「リュカ君のされていた事って、ほぼ拷問よね?」
 「拷問といえば、そうなるのかな? 生きたまま炎で焼かれて死んだり、溺死して死んだり、生きたまま土に埋められて窒息死したり、雷魔法で感電死したり、氷魔法で凍らされて体の温度が低下しながら死を待っていたり、剣で貫かれたり、針を全身に串刺しにされて死んだり、薬で様々な方法で死んだりと…首を刎ねられる以外の方法は全て経験したと思う。」
 「お前、本当に人間か?」
 「良く今迄、精神が保てましたね?」
 「うん、目標があるからね!」
 「目標ってどんな?」
 「いつか家族に纏めて復讐をする為に!」
 「リュカ兄ぃ、それって私も含まれているの?」
 
 僕は蔓延の笑顔をリッカに向けながら言った。

 「安心してよリッカ、旅が終わるまでは何もしないから!」
 「それって、旅が終わったら仕掛けると取れるんだけど?」
 「リッカが聖女になれば問題なしで、聖女を他の子に奪われたその時は…ふふふ!」
 「はい、私は巡礼の旅を完遂して聖女になります!」

 ちょっと脅しが効きすぎたかな?
 まぁ、これ位にやる気を出してくれないとね。
 そして僕達は数日後にカナイ村から出発してクラウディア王国に行く事になるんだけど?
 
 そこでちょっとした厄介事に巻き込まれるのだった。
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