小鳥遊愚香

小鳥遊愚香

FP3級に挑戦中のパン屋。かつて創作の筆を折り、指南書を全て古本屋へ売り飛ばしたことがあります。創作とは、私にとって「喜び」ではなく「悪魔」であり、抗いがたい「衝動」でした。

めくるめく、毒

最近のテクノロジーでは、野草の写真ひとつで、名前や種類、毒の有無まで分かるという。

 一番身近な毒は水仙の葉だろう。
 あれはニラによく似ているので、非常に厄介だ。誤った農協に出回って通報されたニュースがあるくらいだ。

 帰省時、実家の庭に植えてあったので、ガーデニング好きの母に、「食べないから触ってみたい。唇でぱくっと挟んでみたい」と言ったら、野良猫が通るから汚いよと言われた。

 それ以前にまず、毒だろ。

 テクノロジーに暴かれた毒草たちは、もう毒を奪われたに等しいのではないか?

 誰に向けた、何のための毒なのか分からなくなって、それでも毒は美しい。別に誰彼かまわず振るわなくても、ここぞというとき一矢報いれば、それでいいのだろう。

 温暖化の影響で、雑種のフグが生まれているのをご存知か?わかりやすいよう、かなり簡単に説明する。

 毒のあるフグを大きく2種類に分けたとする。Aは体を覆う皮から毒を出している、Bは内臓の一部に毒を持っている。

 本来生息地を棲み分けていたはずのこの2種が、温暖化により生息地の境目を曖昧にしていく。そして巡り合い、交配。生まれた雑種のフグは、もはやどこに毒があるのか分からないのである。

 この話を始めて聞いた時、私はかなり興奮した。不謹慎とは思いつつ、なんて面白い話なんだと思った。

 テクノロジーに暴かれ、どんどん危険が排除されていく世の中で、こんなにもスリリングなことがまだ生まれてくる余地があるのかとワクワクした。

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そんな食と支配をテーマにした毒みたいな小説を書いているので、よかったらご覧ください。


「ネグレクト少年の拾い食いとヤンデレ少女の餌付け 〜全てはあの子の「離れないで」という懇願で。気づけば僕の方が溺愛していた〜」
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登録日 2025.12.12 11:25

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