【書き下ろしSS:セドューレ&カルセドニーによる闇騎士談】
「ヴェイグよ。私と手合わせを願おうか」
中庭に響く声に、魔王軍の兵士たちが沸く。
「良いだろう。イシュー、頼む」
事前に許可を取り参加した訓練。随伴のイシューが手際よく強力な防御結界を展開する。二人の間に従者が立ち、宣言した。
「――はじめ!」
その瞬間、視界が赤に染まり、身体が勝手に動く。
『くっ、また勝手に……!』
ヘタレなゲーマー思考が沈み、全身を支配したのは最高幹部『闇騎士ヴェイグ』の完璧な闘争心だった。
「……甘い」
纏う気配が変わったエルニアの剣閃が、セドューレの構えを撃ち抜く。凄まじい衝撃波に、兵士たちが息を呑んだ。
「ははっ、腕は鈍ってないようだな!」
槍を繰り出し、興奮に染めて笑うセドューレ。僕は愛剣でそれを弾き、距離を取る。
「風よ、我が目の前にある障害を粉塵とかせ──フラゴール・ヴァン!」
「甘いな、貫け──!」
「おい、そこまでだッ!! 城の予算と修繕費を跳ね上がらせるなァ!!」
戦闘音を聞きつけ、書類を抱えたカルセドニーが血相を変えて駆けつけてきた。
(まったく、あの無表情……、 恐ろしくて予算の交渉なんてできやしない!)
脳内で絶叫する本来の僕と、冷徹に殺気を放つヴェイグの間で、今日も幹部たちは冷や汗の絶えない訓練に付き合わされるのだった。
───
【作者より読者へ】
★評価やフォローのおかげでランキング掲載中です!温かい応援、本当にありがとうございます。
2ヶ月記念SSの番外編、いかがでしたでしょうか?王都潜入編41話は【9/13(日) 18:00】更新予定です!お楽しみに!
中庭に響く声に、魔王軍の兵士たちが沸く。
「良いだろう。イシュー、頼む」
事前に許可を取り参加した訓練。随伴のイシューが手際よく強力な防御結界を展開する。二人の間に従者が立ち、宣言した。
「――はじめ!」
その瞬間、視界が赤に染まり、身体が勝手に動く。
『くっ、また勝手に……!』
ヘタレなゲーマー思考が沈み、全身を支配したのは最高幹部『闇騎士ヴェイグ』の完璧な闘争心だった。
「……甘い」
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「ははっ、腕は鈍ってないようだな!」
槍を繰り出し、興奮に染めて笑うセドューレ。僕は愛剣でそれを弾き、距離を取る。
「風よ、我が目の前にある障害を粉塵とかせ──フラゴール・ヴァン!」
「甘いな、貫け──!」
「おい、そこまでだッ!! 城の予算と修繕費を跳ね上がらせるなァ!!」
戦闘音を聞きつけ、書類を抱えたカルセドニーが血相を変えて駆けつけてきた。
(まったく、あの無表情……、 恐ろしくて予算の交渉なんてできやしない!)
脳内で絶叫する本来の僕と、冷徹に殺気を放つヴェイグの間で、今日も幹部たちは冷や汗の絶えない訓練に付き合わされるのだった。
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登録日 2026.09.11 20:13
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