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幼稚舎組と中入組
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鶴水在学時、京極と俺は先輩後輩といっても特に親しい間柄ではなかった。多少の因縁はあったものの、むしろ同門なだけで他人に限りなく近かった。
なぜなら京極は幼稚舎組だからだ。
俺は中学受験をして入学したわけだが、幼稚舎上がりの連中は俺達のことを中入組と言っていた。
俺達もそんな彼等を幼稚舎組と呼ぶようになるには時間はかからなかった。
鶴水学園では、幼稚舎組と中入組ははっきりと区別されていた。
まず物理的にクラスが分かれている。
それから、幼稚舎組には 学年を超えて在校生同士で特別な友好関係を結ぶ、そんな習慣があるようだった。
中入組には何も知らされないので詳しいことは分からないが、俺はそれをメンター制のようなものだろうと見ていた。
幼稚舎組が中心であるという考えが学園には一貫して流れており、その最たるものは生徒会は幼稚舎組により選出され、中入生には投票権しか与えられないという身も蓋もないものだった。
そんなわけだから、幼稚舎組の生徒たちが俺たちを視界に入れるときは、文化の違う外国人 もしくは一時の間借り人を見るような そんな視線を投げかけてきた。
もしかしたら俺たちは、彼らが下々の人々の生態を観察できるように、学園が用意した教材だったのかもしれないと思うのは穿ちすぎだろうか。
だが、学園の豊かな教育資源を支えているのは幼稚舎組の圧倒的な資金力であるのは確かで、そこは俺は割り切ることにしていた。
実際に、学園は教育の質はもちろん、施設が充実していた。
部活動はその充実した施設を利用して行われ、指導者や備品等が不足なく整備されていた。
部活動の参加は任意だったが、中入生のほとんどがどこかに参加し、学園の潤沢な資金力の恩恵を受けたのだった。
俺は馬鹿高い学費の鶴水大学に進むつもりはさらさらなかったので、入学当初から大学は国立を狙っていた。
大学受験が本格化するまでの数年くらいは、ここでしかできない勉強以外の何かをやってみたいと思っていた俺は、かねてから興味があった柔道を選んだ。
そこでは中学から始める奴がほとんどだったので俺のような初心者にも敷居が低かったのと、坊主にしなくてよいのは非常に大事なポイントだった。
一方、幼稚舎組の彼らが部活動に参加することはなかった。多額の資金提供をしてくれている彼らが部活動に参加しないとは、なんともったいないことだと思ったものだが、それはしょせんβの価値観だ。
学園で部活動に投入される経費など、幼稚舎組には痛くもかゆくもないどころか、思いつきもしない位なのだろう。さすがは名門α、豪気なことだと思ったものだった。
こんな風に鶴水学園というところは、αとβとΩの比率に違いはあるものの社会の縮図そのものだった。
そこには物理的だけでなく心理的な線引きが確かにあったのだった。
なぜなら京極は幼稚舎組だからだ。
俺は中学受験をして入学したわけだが、幼稚舎上がりの連中は俺達のことを中入組と言っていた。
俺達もそんな彼等を幼稚舎組と呼ぶようになるには時間はかからなかった。
鶴水学園では、幼稚舎組と中入組ははっきりと区別されていた。
まず物理的にクラスが分かれている。
それから、幼稚舎組には 学年を超えて在校生同士で特別な友好関係を結ぶ、そんな習慣があるようだった。
中入組には何も知らされないので詳しいことは分からないが、俺はそれをメンター制のようなものだろうと見ていた。
幼稚舎組が中心であるという考えが学園には一貫して流れており、その最たるものは生徒会は幼稚舎組により選出され、中入生には投票権しか与えられないという身も蓋もないものだった。
そんなわけだから、幼稚舎組の生徒たちが俺たちを視界に入れるときは、文化の違う外国人 もしくは一時の間借り人を見るような そんな視線を投げかけてきた。
もしかしたら俺たちは、彼らが下々の人々の生態を観察できるように、学園が用意した教材だったのかもしれないと思うのは穿ちすぎだろうか。
だが、学園の豊かな教育資源を支えているのは幼稚舎組の圧倒的な資金力であるのは確かで、そこは俺は割り切ることにしていた。
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部活動はその充実した施設を利用して行われ、指導者や備品等が不足なく整備されていた。
部活動の参加は任意だったが、中入生のほとんどがどこかに参加し、学園の潤沢な資金力の恩恵を受けたのだった。
俺は馬鹿高い学費の鶴水大学に進むつもりはさらさらなかったので、入学当初から大学は国立を狙っていた。
大学受験が本格化するまでの数年くらいは、ここでしかできない勉強以外の何かをやってみたいと思っていた俺は、かねてから興味があった柔道を選んだ。
そこでは中学から始める奴がほとんどだったので俺のような初心者にも敷居が低かったのと、坊主にしなくてよいのは非常に大事なポイントだった。
一方、幼稚舎組の彼らが部活動に参加することはなかった。多額の資金提供をしてくれている彼らが部活動に参加しないとは、なんともったいないことだと思ったものだが、それはしょせんβの価値観だ。
学園で部活動に投入される経費など、幼稚舎組には痛くもかゆくもないどころか、思いつきもしない位なのだろう。さすがは名門α、豪気なことだと思ったものだった。
こんな風に鶴水学園というところは、αとβとΩの比率に違いはあるものの社会の縮図そのものだった。
そこには物理的だけでなく心理的な線引きが確かにあったのだった。
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