5 / 99
第一部 魔法使い、双子の悪魔を飼う
5
しおりを挟む
「君達は.....」
誰なんだ。
こんな所で何をしているんだ。
そう言いかけて口をつぐんだのは「おい」という野太い声が聞こえてきたからだ。スッと透明魔法を使い、身を潜める。影から改めて様子を窺うと、大柄な男が二人.....いや、三人、少年達に群がっている。そして、次の瞬間間髪入れずに勢いよくみぞおちに蹴りを入れる。
「ったく.....何処に行ったのかと思えば管理の奴等の急所を蹴って逃げようとするとは.....本当、徹底的に痛ぶらないと気が済まないみたいだな」
「ゲホゲホッ.....!っ.....!」
苦しそうに顔を歪ませる少年に、もう一人の少年が「何でヨルを蹴るんだ!」と守る様に丸くなる。
あの黒いローブ.....紋章.....間違いない、この国で有名な闇商人のグループのものだ。極秘情報だが、こっそりと調査対象に昔からずっと入れられている存在だ。
タチの悪い奴等で群がっていて、その中には国の偉い方も関与しているという事で簡単に取り締まれなくなっている悪徳商売の連中である。場所も極秘で当人等同士でしか情報が回っていなかったのだが──。
(回復魔法)
物陰から、ひたすら蹴られ続ける少年と身を挺して守る少年にヒールを掛け続ける。痛覚を感じない事に違和感を感じたのか、二人とも不思議な表情を浮かべている。気が済んだのか、殴り終えた商人の男はグイッと首根っこを掴むと「ほら、行くぞ」と無理矢理立たせて連れて行く。よろよろと立ち上がった彼等は、顔を俯いた状態でボロボロになった素足のまま歩き出した。
「今日は半年に一度のオークションなんだ。たんまり稼げる絶好の機会なんだから」
(オークション──!)
ハッと我に返り思わず考える。
ずっと追っていた闇商人の居所をこんな形で知ってしまうとは。場所が分からずカミラ様も命令を出せないままでいたが、これで突き止められたら──!
そう思ったら追い掛けずにはいられなかった。結局僕の体は無意識に国の為に動いてしまうらしい。
街の中では飛行魔法は使えない。諦めた自分は透明魔法を纏ったまま、静かに彼等の後ろを尾け続けた。
(おかしいな.....見当たらない)
段々と辺りは暗くなり、怪しい雰囲気が立ち込み始める。途中人が多い路地に出たせいか見失ってしまったらしい。しかし.....
「!」
オークションと綴られたチケットを手にした明らかにお金持ちそうな風貌の男がある建物の入り口へと入って行くのが確認出来た。ごくりと生唾を飲みながら、ゆっくりと入り口に入る。地下に繋がる階段らしい。薄暗い階段を降りた先には、管理人らしきものが待ち構えていた。
誰なんだ。
こんな所で何をしているんだ。
そう言いかけて口をつぐんだのは「おい」という野太い声が聞こえてきたからだ。スッと透明魔法を使い、身を潜める。影から改めて様子を窺うと、大柄な男が二人.....いや、三人、少年達に群がっている。そして、次の瞬間間髪入れずに勢いよくみぞおちに蹴りを入れる。
「ったく.....何処に行ったのかと思えば管理の奴等の急所を蹴って逃げようとするとは.....本当、徹底的に痛ぶらないと気が済まないみたいだな」
「ゲホゲホッ.....!っ.....!」
苦しそうに顔を歪ませる少年に、もう一人の少年が「何でヨルを蹴るんだ!」と守る様に丸くなる。
あの黒いローブ.....紋章.....間違いない、この国で有名な闇商人のグループのものだ。極秘情報だが、こっそりと調査対象に昔からずっと入れられている存在だ。
タチの悪い奴等で群がっていて、その中には国の偉い方も関与しているという事で簡単に取り締まれなくなっている悪徳商売の連中である。場所も極秘で当人等同士でしか情報が回っていなかったのだが──。
(回復魔法)
物陰から、ひたすら蹴られ続ける少年と身を挺して守る少年にヒールを掛け続ける。痛覚を感じない事に違和感を感じたのか、二人とも不思議な表情を浮かべている。気が済んだのか、殴り終えた商人の男はグイッと首根っこを掴むと「ほら、行くぞ」と無理矢理立たせて連れて行く。よろよろと立ち上がった彼等は、顔を俯いた状態でボロボロになった素足のまま歩き出した。
「今日は半年に一度のオークションなんだ。たんまり稼げる絶好の機会なんだから」
(オークション──!)
ハッと我に返り思わず考える。
ずっと追っていた闇商人の居所をこんな形で知ってしまうとは。場所が分からずカミラ様も命令を出せないままでいたが、これで突き止められたら──!
そう思ったら追い掛けずにはいられなかった。結局僕の体は無意識に国の為に動いてしまうらしい。
街の中では飛行魔法は使えない。諦めた自分は透明魔法を纏ったまま、静かに彼等の後ろを尾け続けた。
(おかしいな.....見当たらない)
段々と辺りは暗くなり、怪しい雰囲気が立ち込み始める。途中人が多い路地に出たせいか見失ってしまったらしい。しかし.....
「!」
オークションと綴られたチケットを手にした明らかにお金持ちそうな風貌の男がある建物の入り口へと入って行くのが確認出来た。ごくりと生唾を飲みながら、ゆっくりと入り口に入る。地下に繋がる階段らしい。薄暗い階段を降りた先には、管理人らしきものが待ち構えていた。
220
あなたにおすすめの小説
【完結】お義父さんが、だいすきです
* ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。
種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。
ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
トェルとリィフェルの動画つくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
オメガの悪役令息に推しの愛が届かない
* ゆるゆ
BL
BLゲームの最愛の推しが、主人公に発情誘発剤を盛られてる……! 推しを助けたい一心で、悪役令息らしい俺はお手伝いを──いや、めちゃくちゃ下心ありました、 ごめんなさい! 一生の思い出をありがとうございます。絶対に推しの恋を邪魔しないので、心配しないで!
最愛の推しを遠くから応援したい悪役令息と、愛してるのに逃げられて泣いちゃいそうな推しの、オメガバースなお話です。
ルゼやジークの絵があがるインスタです @yuruyu0
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願いします!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる