女嫌いの騎士は呪われた伯爵令嬢を手放さない

魚谷

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32 告白★

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 王都を出たアリッサは街道沿いの街の宿屋へ連れていかれると、キャサリンが出迎えてくれた。

「キャサリンさん!」
「アリッサ!」

 二人は抱き合う。

「……シュヴァルツ様たちから聞いたわ。あなたのお陰で、私がどこに連れ去られたか分かったって!」

 ドレスにかけられた防護魔法。魔術師は同じ属性の魔法を使っていても、本人にしか分からない繋がりが見える。今回、誘拐されたアリッサのまとうドレスに使っていた防護魔法との繋がりをキャサリンがたどり、アリッサが王都にいることを突き止めてくれたのだ。

「私たち、友だちでしょう。助けるのは当然じゃない」
「友だち……」

 かつて友だちと思っていた令嬢たちはいたが、アリッサに呪紋が現れたことでそのつながりも途絶えた。

 ありがとう、とアリッサは呟く。

「……キャサリン、ごめんなさい。せっかく用意してもらったドレスだったのに、こんなに汚れて、ボロボロになってしまって……アクセサリーも壊されて……」
「ドレスならまた作ればいい。アクセサリーも一緒。そんなことより、あなたがこうして帰ってきてくれたことが何より嬉しい!」

 アリッサは久しぶりにお湯につかり、汚れを落とす。

 汚れが落ちる以上に、温かなお湯につかれることでようやく自分が開放されたことを実感した。 お風呂からあがって寝巻を着ると、ふかふかのベッドで身体を丸めて眠った。

 目が覚めると、キャサリンに第一声、「良かった」と呟かれた。

「このまま起きないんじゃないかって、みんなで心配してたの。でもそれだけ大変な思いをしたんですものね」
「どれくらい寝てましたか?」
「三日」
「そんなに!?」

 その時、盛大にお腹が鳴った。

「う」
「ふふ。お腹が空くのは元気な証拠。スープをもってくるわね」

 アリッサはキャサリンが部屋を出ている間に寝巻から、キャサリンが持って来てくれたドレスに袖を通す。
 そのタイミングで、キャサリンが肉と野菜のコンソメスープを運んできてくれた。

 食欲を誘う香りに、夢中になってスプーンを動かし、あっという間に完食してしまう。

「ごちそうさま」
「それくらい元気があるんだったらもう大丈夫ね。あ、それからこれ。紐が切れてたから、新しいものに取り替えておいたわ」

 キャサリンは双星石を差し出す。

「ありがとうございます」

 双星石。ルゥとの約束。アリッサは無意識のうちに唇に触れた。

「おめでとう。これでようやくシュヴァルツと結ばれるわねっ」

 キャサリンがウィンクをする。

「ど、どうしてそんな話になるんですか!?」
「どうしてって……。だって、告白がうまくいったんでしょ?」
「……告白してません。その前に襲われてしまったので」
「嘘! でも、その石と同じもの、シュヴァルツが持ってたのよ。てっきりあなたと恋人になったから渡したのかと……。それに、あなたが誘拐されたことを知って、彼、すごく取り乱してたし。あんな姿、はじめてみるもの。みんなで引き留めなきゃ一人で王都に乗り込んでいきそうな勢いだったのよ……」

 キャサリンの語るシュヴァルツは、普段の彼からは想像もできない。

「シュヴァルツ様、本当にこれと同じものを持ってたんですか!?」
「ええ。いつか遠征にいった時にたまたま手にしていたのを見ててね。すごく貴重な石なのよね、これ。大切な人との約束だって彼、珍しく饒舌だったからよく覚えてる」
「シュヴァルツ様はどちらに?」
「部屋だと思うけど」

 部屋から飛び出すと、ちょうどカーティスと鉢合わせた。

「アリッサちゃん、起きたんだ。心配したんだぞ。一生寝ているのかと」
「心配していただいてありがとうございます! ところで、シュヴァルツ様はどちらにいらっしゃいますか!? 部屋にいらっしゃいますか!?」
「あいつなら外だと思う。さっきすれ違ったから……」
「ありがとうございます!」

 宿を飛び出し、外を見回っていた団員の人にシュヴァルツの行方を聞くと、森へ向かった言われた。

 アリッサは脇目もふらず、街のそばにある森へ駆ける。

 満月が綺麗な晩で、森の中も見通しが立つ。

 ――シュヴァルツ様がどうして双星石を!? あれはもう手に入らないはずなのに!

 シュヴァルツは湖畔に立っていた。

「シュヴァルツ様!」

 アリッサは肩で息をしながら、声を絞り出す。

「アリッサ……目が覚めたのか!」

 シュヴァルツが駆け寄り、支えてくれる。

「聞きたいことがあります。あなたは……ルゥ君、なんですか!?」

 シュヴァルツははっとした表情を見せる。
 アリッサは首にかけた双星石を見せる。

「キャサリンさんから、あなたがこれと同じものを持っていると聞きました! 本当ですか!?」
 アリッサはバクバクと高鳴る鼓動を意識しながら、シュヴァルツの菫色の瞳をじっと見つめる。月明かりを浴び、その瞳が幻想的にきらめいている。

 シュヴァルツからポケットから双星石を取り出す。
 二つの石が共鳴するように、輝く。
 共鳴現象は、二つの石が元々同じ石だから。

「……俺のことを、覚えていてくれてたのか」

 シュヴァルツはかすれた声をこぼす。

「忘れるわけないよ!」
「忘れていると思っていた……。お前を助けた時、身につけていなかったから」
「ルリア……妹に石を奪われていたから! 片時も離したことなかった!」

 アリッサの声に涙が混じる。

「ずっとそばにいて、私を守っていてくれたんだね……ルゥ君」
「当たり前だろ。お前を守る為に魔塔へ行って、やりたくもないことをやりつづけたんだ」
「そうだったね」

 シュヴァルツの瞳が潤んでいる。
 アリッサはこみあげる感情を我慢できず、涙が頬を濡らすに任せる。

「アリッサ、愛している」

 心臓がドクンと強く高鳴った。

「私も、あなたを愛してる」

 彼の手が涙を優しく拭ってくれる。

「本当は祭りの日に告白するつもりだった。たとえ、お前が俺のことを忘れていても、関係ない。想いを我慢するなんてできなかったから」
「私だってそう……私も告白するつもりだったの」

 シュヴァルツに唇を塞がれる。痺れるような熱い口づけに、体が燃えるように火照った。
 呪紋はほとんど消えかかっているが、まだ体に刻まれている。しかし今は衝動が起こってはいない。

 ――なのに、どうしてこんなに体が熱くなってしまうの……。

 舌がぬるりと押し入ってくる。
 アリッサの背中に回されていた腕に力がこもり、痛いくらい抱きしめられる。
 シュヴァルツに抱かれている。それを体に強く刻まれるようだった。

 口内が荒々しく掻き混ぜられる。うねった舌が、うねり、アリッサの舌を攫う。
 舌を甘噛みされ、痛いくらい吸われ、唾液がもたらされる。

「アリッサ、好きだ……ずっと、ずっと、お前が恋しくてたまらなかった……何度、この想いを打ち明けたいって思っていたか分かるか? お前と口づけてるのに、体を重ねているのに、愛していると言えないなんて……」

 唇を甘噛みされるたび、首筋がゾクゾクした。彼に触れられたあらゆる場所がひりひりと疼いてしまう。
 これまで経験してきた色欲の衝動が塗り潰されるほど、彼を求めずにはいられない。

 飲みきれなかった唾液が口の端からこぼれるが、拭うのも忘れて、息をつかせぬほどに荒々しい口づけに没頭する。
 ヌチャヌチャと舌が絡まりあうたび、生々しい水音が擦り合わせる唇の合間からこぼれでた。吹き付ける呼気は熱く、湿ている。

 彼の鮮やかな菫色の瞳がさっきよりもずっと潤んでいる。

「……シュヴァルツ、く、苦しい……」
「悪い……」

 唇が離れる。こぼれた唾液が服を汚すことも気にならなかった。

 唇を離したが、体は少しも離れたくない。アリッサはシュヴァルツの背に腕を絡ませ、縋るように抱きしめる。ドクドクと激しく高鳴る鼓動を意識する。

 ――シュヴァルツの体もすごく熱い……。

 背中に回されたシュヴァルツの腕に力がこもる。

「もう離さない」

 それはまるで、巨大な肉食獣が唸っているようだった。

 ――シュヴァルツ、こんなにも強く私を想ってくれていたんだ。

 いつもほとんど表情が変わらない彼が目元を紅潮させ、夢中で求めてくれている。
 彼の独占欲の強く滲む、上擦った声が、アリッサの体ますます悩ましくさせた。

「唇も、体も、全部、俺がはじめてなんだろう。だから、お前は俺のものだ」
「体だけじゃないよ。心も、ぜんぶ、あなたのもの」

 シュヴァルツは呻く。

「伯爵家の令嬢が、どうしてそんなそそる言葉を知ってるんだよ。もう……このまま、ここで抱く」
「え、でもここは外……」
「お前が寝ている間、ここで自分を落ち着けてたけど、誰も来たことがないから安心しろ」

 シュヴァルツはその場で上衣を脱ぐと地面に置いた。その上に、アリッサの体を横たえさせる。後ろのチャックを
はずし、上半身を脱がされる。胸当ても外され、露わになったふくらみにしゃぶりつく。

「んん」
「もう、勃ってるな」
「そんなこと、い、言わないで……んん」

 シュヴァルツは舌で右の乳頭を弾くように動かし、頬張る。優しく歯を立て、ぢゅるぢゅると音をたてて啜る。
 さらに空いている方のふくらみを鷲掴みにする。優しいはずなのに、その菫色の鮮やかな瞳にはギラギラした貪欲な光が浮いている。

 ――シュヴァルツ、これまでずっと本当の気持ちを隠していたんだ。

 こんな挑発的な眼差しで見られたことなどない。

 そしてそんな風に見られていることに、悦びを覚えずにはいられない。

「お前の肌は甘い……匂いを感じているだけでおかしくなりそうだ……」

 シュヴァルツはますますおっぱいを味わい、乳尖を指で弾く。
 そうして敏感に反応するアリッサの反応を楽しんでいるかのよう。

 たっぷり唾液をまぶし、吸い上げつつ、胸に口づけをする。少し強めに吸われることで痕が刻まれてしまう。胸だけではない。脇腹は、お腹をきつく吸われた。

「あ……ん……何してるの……?」
「俺のものだってちゃんと痕をつけておかないとな」
「そんな必要なんかないわよ……」
「分かってる。でもずっと我慢してたからな。本当に団員とも話して欲しくない。カーティスとも……」

 シュヴァルツが吐露してくれる独占欲に、アリッサは驚く。無表情の仮面の下に、そんなドロドロした感情が流れているなんて。

「そんなことできないよ。私も団員なんだから」
「あぁ、だから我慢してた。本当はみんなの前で、お前に口づけをして、近づくなって言いたくてしょうがなかった。お前、優しすぎるんだよ」

 シュヴァルツは執拗に口づけを太腿にも吸い付く。普段触られることない場所への口づけに、鳥肌が立ってしまう。

「どんな奴にも優しそうに笑いかけるから……絶対、勘違してる奴がいるぞ」
「わ、分かった。じゃあ……ん……これからは気を付けるわ。不用意に笑いかけたりしないように……」
「平気だ。これからは俺のものだって、しっかり周りにも分かるようにする」

 そのままキスの雨をふらされ、そして靴を脱がされ、足の指を優しく吸われるら。
 足指のまたにくすぐったいのに、執拗に繰り返されると、息が上がってしまう。

「そんなところ、舐めないで……変態だよ……」
「そういうお前だって、感じてるんだろう。衝動もないのに、いやらしく目を輝かせて、頬を赤らめて……唇も開きっぱなしだ」
「違う、これは……」

 恥ずかしさのあまりうまく反論できず、アリッサは顔を背けるので手一杯だ。
 足の指先から舌が遠ざかる。外気に触れ、寒暖差でゾクゾクした。

「んんっ」

 下履きを指で圧迫されると、生々しい水音が弾けた。

「……ぐしょぐしょだ。俺にキスされて、胸を吸われて……嬉しい。俺でこんなにも感じてくれるなんて」

 シュヴァルツもまた肩で息をし、これまで見たことがないくらい色気のある表情で、アリッサを見下ろす。
 下履きを取り去れば、ひくつく秘裂が露わにされてしまう。

「だめ……み、見ないで……」
「これまで散々、抱いてきたんだ。いやがるなんて今さらだろう」
「で、でもこれまではそんなにまじまじ見なかったじゃない……」
「ずっと見たかった。でもそんなことしたらおかしいだろう。あくまで俺は解呪のために行為をしてるっていうフリを見せなきゃならなかったんだ。本当はこうして」

 シュヴァルツは躊躇うことなく、秘処に口づけを落とす。

「あぁっ」

 大きく腰が跳ねてしまう。

「そこ、き、汚いから……」
「そんなことない。すごくいやらしい香りがして……ドキドキする。お前の体に汚い場所なんてあるわけないだろう。俺が愛した女だ。どこもかしこも綺麗だ」

 舌で優しく表面を刺激される。こぼれる蜜を吸われ、そして秘芽も優しく刺激された。

「ん……んん……」

 頭が真っ白になる。自分の体を抱きしめ、昇り詰めたことを隠すつもりだったが、舌なめずりするシュヴァルツには全てお見通しだ。その姿はまさに貪欲な狼。

「指をいれるぞ」

 右手の中指と人差し指が一気に、入れられる。強い圧迫感に、いやいやとかぶりを振るう。本心で嫌がっているのではない。これ以上されてしまったら頭がおかしくなるほど感じてしまうことが分かっていたからだ。

「どろどろだ。アリッサの中、温かくて……締め付けてくる」

 繊細な場所を傷つけないよう優しく指を動かされるが、それがかえって焦らされているような気分にさせられた。
 舌で粒だった秘芽を、乳首よりもずっと優しく丁寧な舌遣いで刺激された。

 中がうねり、奧から蜜がひっきりなしに溢れてしまう。

「や、やめてくださぃ……両方なんて……ああああっ」
「こんなにも俺を求めてくれているのにやめられない」

 熱い息を吐きかけ、ぐりぐりとお腹側の柔壁を押すように刺激されしまえば、「んんん!」と息を詰まらせ、またも果ててしまう。

 アリッサは右手の人差し指を噛んで、声を必死に抑えようとするが、それでも殺しきれなかった。

「よせ」

 シュヴァルツは優しく囁き、指を噛むのをやめさせる。

「こんなことするな。声なら、俺が塞ぐ」

 唇を塞がれ、舌を交えながら、唾液を啜られた。恍惚とした意識が遠ざかりそうになってしまうが、それを見抜いたように唇を離す。

「一人で勝手に気を失うことは許さない」

 シュヴァルツは下衣を脱ぎ捨てれば、すでにはちきれんばかりに脈打つ牡杭を露わにした。汗の粒が胸板から腹筋の筋を伝うように流れていく。

 玉の汗が月明かりを浴び、まるで真珠のように彼の体を輝かせる。

「もうこれ以上我慢したらおかしくなりそうだ」
「……うん、きて」

 シュヴァルツの楔が濡れそぼつ秘裂へあてがわれ、ゆっくりと埋まっていく。

「あああっ」

 圧倒されるような存在感は健在で、蕩けきった柔肉を押しのけながらジワジワと挿入されていく。

「ぐ……ぁ……もう何度も何度も、お前を感じているはずなのに、ここはいつまで経っても、狭くて……う……」

 シュヴァルツが切なげに眉間にシワを刻みながら、腰を強く押し出す。
 奧まで隙間なく満たされる。まるで心の欠けた部分まで包み込もうというかのよう。

「う……ぐ……」

 剛直がゆっくりと抜かれ、完全に抜けそうになる直前に再び満たされる。
 荒波がぶつかるような激しさなのに、そんな風に抱かれることが嬉しい。
 彼が動くたび、前髪を伝って汗の雫が、アリッサの柔肌に当たって弾ける。

 腰を前後に動かすたび、彼の筋肉が大きく躍動する。アリッサはそれを見るのが好きだ。
 魔術師の地位を向上させるため魔獣と死闘を繰り広げ、そして寮では一人の騎士として日々の鍛錬に励む。彼は双肩には多くの責務がのしかかっている。そこに、アリッサの入り込む余地はない。

 でもこうしてアリッサを抱く時には、一対一。自分だけを見てくれている、とアリッサは頭の中で、彼を独占できるのだ。
 汗に濡れた隆起した筋肉に触れる。溶けてしまいそうなほどの熱を、締まった体躯に宿しているのが分かる。

 まるで対抗するかのように、シュヴァルツは奧を突きながら、敏感になっている胸を握り締める。さっきよりもだいぶ力が入っているが、それが甘美となってほどよい刺激となって、快感が流れた。

「シュヴァルツ、好きっ」

 奧を突かれた刹那、アリッサはシュヴァルツの太い首に抱きつき、声を上げた。
 かすかにだが、シュヴァルツの目が見開かれた。

 中に埋まっていた、雄が太く、熱くなる。

 ――まだ大きくなるの!?

「もっと、言ってくれ。もっと……」
「好きよ、シュヴァルツ。あなたが好き。大好きなのっ」

 シュヴァルツもずっと己の真意を心の深い場所に閉じ込めていたのだろうが、それはアリッサも同じ。

 こうして体だけでなく、想いを交えることをどれだけ夢見、待ち望んでいたか。

「俺だ。好きだ、アリッサ。愛してる!」

 シュヴァルツは、アリッサの頭を抱きかかえ、腰を打ち付ける。振幅が短くなる。

 長大な雄が叩きつけられる。さきほど体のいたるところに痕を刻んだのと同じように、そこにも自らの所有物であるという印を刻もうとするかのように。

「アリッサ。呪紋の衝動もないのに、いつもよりもずっと乱れてるんだな」
「い、言わないで」
「いや、言ってくれ。嬉しいからな。だってそれだけ俺を求めてくれてるってことだろ」

 まるで尋問するような口調と同時に行われる容赦のなく奧を穿たれる。こぼれる蜜で腰がどろどろだ。

 アリッサはうなずく。

「声に出せ」
「うん、そう……あなたが欲しくて、しょうがなかった」

 恥ずかしいことを言わされているのに、想いを伝えると、彼のものをきつく締め付けてしまう。
 腰のうねりがさらに激しくなる。腰同士がぶつかり、パンパンと弾く音が夜の森の静寂を引き裂く。

 めちゃくちゃにかきまぜながら、アリッサの唇を塞ぐ。

「シュヴァルツ……あぁ……また……い、く……」
「俺もだっ……ぐ……お前が、気持ち良すぎるから……ぐう……」

 共に果てる。熱い迸りが中へ注ぎ込まれる。深い場所に達している楔がビクンビクンと欲望を解き放つ余韻が、暴れた。

 呼吸を弾ませ、体内に淫らな熱が広がっていく。
 シュヴァルツの指が、胸元に触れる。

「……呪紋が完全に、消えたな」
「ようやく、解放されたのね。もう、悩まされずに済む……」
「これからは衝動なんて無関係にお前を抱けるし、な。色欲の呪紋のせいで感じていると思わなくても済むっ」

 シュヴァルツは獰猛な笑みを浮かべながら、アリッサの腰を抱きしめるとつながったまま、体勢を変えた。

「シュヴァルツ!?」

 四つん這いの格好で、お尻を高くもちあげさせられる。
 彼の雄肉の存在感が奧をグリグリと圧する。

「す、少し、休ませて」
「駄目だ」

 シュヴァルツは汗に濡れた肌にからみつくアリッサの髪に口づけると、容赦のない突き込みで美しい体を揺さぶり始めた。
 逞しい腰つきでお尻の形が変わるくらい圧迫され、鋭く楔で奧を穿たれる。

 愛していると囁きながら、その動きは猛獣だ。

「あっ……はぁ……あっ、ふ、深い……!」

 なのに、アリッサの中はぐずぐずに蕩け、彼からもたらされる重たいほどの愛情で溺れられて幸せだった。

「ぐずぐずに蕩けて……貪欲に絞ってくるな。アリッサの体、本当に大好きだっ」

 夜の静寂を引き裂く感涙の声は、夜通し続くのだった。
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