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第1章 カイト、五歳までの軌跡
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ゴリランの踊りに、私、そしてルークや騎士らが混ざり、カオスなダンスがやっと終わったようだ。
また緊張が走る。
なぜなら、ゴリラン達が人間を襲う時、ダンスが終わってからなのだ。
警戒しながらも、そろりとゴリランの群れから距離を取り、腰にかけてる剣に手を添える。
その時、スーッとオスのゴリランの視線が剣に向いた気がした。
手に汗が滲む。
その時、年老いたゴリランが私に語りかける。
「ダイジョウブ。ダイジョウブ。オマエタチ、アノ、ニンゲンノコ、オヤ。アノ、ニンゲンノコ、ゴリラント、トモダーチ、トモダーチ。ダカラ、オマエタチモ、ゴリラント、トモダーチ、アルネ」
カイトがゴリラン達と友達になったというのか?
チョーロって奴を助けたからか?
「オマエタチ、ワレラガ、オドリ、オドッタ。トモダーチッ?」
これは話を合わせた方がいいだろう。
ルークを見ると、僅かに頷いた。
「ああ、私たちは友達だ!」
「私の子どもがどこに行ったか教えて欲しい」
ウホッホッウホウホ
メスゴリラン達が騒ぎはじめる。
なっ……ゴリランの尻からランが、…生えた?
私は目の前の状況が掴めない。
尻から、蘭が咲くって!!!
いや、笑っちゃならん。笑ってはいけないはずだ。いや、だけど!
鼻が膨らむ。
背後から誰かのグホォっていう声がきっかけだった。
ランランラン、何故尻から、ランが咲く?
いや、そんな理由は“知ラン”……ランだけに。上手い!グフッ!
私は笑いを隠すために後ろを振り返った。
すると――。
お前ら、肩が震えてるじゃないか?
ルーク!笑いながら泣くな!
「あははははっ!」
「ヒィー。お腹痛い、助けてくれっ」
「なぜ尻に?」
お前たち、もっと声を小さく!
私は誤魔化さなければっ!
「おっ、……お美しいっ」
さっきまで急に笑い出した私たちを老いたゴリランとお供のオスゴリランがキョトンと見ている。
「オマエ、メス、イルカ?」
「いや、私には妻がいる。私は妻ひとりだ。だから、要らない」
そこは、はっきり伝えておくべきだろう。
「友達として教えてくれ。私の子どもは何処にいる?頼むっ」
騒ぐメスゴリラ達とは違い、2頭のオス達は静かに私たちを見ている。
その視線は、獲物を射る目ではない。
どこか温かい。
「コドモ、イナイ。オヤ、シンパイナル。ニンゲンノコ、アッチニムカッタ。」
ゴリランが指した方向。
――ケンブルクか!なぜだ?
王都とは、逆方向。
どうした?方向を見失ったか?
いや…………別の目的か?
「あの方向は、ケンブルクですよ、ダウニー様。なぜ、ハーレンはケンブルクに向かったのでしょう?」
「………んむっ」
サッサッサッ――木々の葉が擦れ合う。
「ハーレンがなぜケンブルクに向かったのかは分からない。だが、その理由を知るためにも、カイトを見つけるためにも……私たちも、ケンブルクへ行くぞ」
「あなたの名前は?」
私は、カイトの行き先を教えてくれた若いオスゴリランに尋ねる。
「ナハ、ナイ。コレ、チョーロ」
オスゴリランが、年老いたゴリランを指差す。
この年老いたゴリランがチョーロ。
カイトが助けたのはこのゴリランか。
私はカイトが起こした奇跡を思う。
ゴリランに襲われなかったこと。
ゴリランを助けたこと。
そして――
ゴリランと友達になったこと。
あの子は、不思議な子だ。
私たちが成し得なかったことを、次々に成し遂げていく。
稀人、だからなのか?
いや、今はどうでもいい。
今はカイトだ。
「チョーロさん、私の子どもの行き先を教えてくれて感謝する。私は子どもを必ず見つけだす。だから、行く。」
「ルーク、行くぞ」
「はい、ダウニー様」
ゴリランの群れに私は深く礼を尽くし、馬に跨る。
向かうは、ケンブルク。
カイトがいるはずのケンブルクへ。
キーーーーーーーーーンッ!
なんだ?この威圧感。
ん?
――キンッ、ドシャ、微かに聞こえる。
戦っている……?カイト達か?
そのとき――
森の奥から、聞き覚えのある幼い声が聞こえた気がした。
「……ゆ………………さないっ」
胸騒ぎと、焦りが一気に吹き上がる。
手網を握る手に力を込め、馬の腹を蹴り上げた。
ハッ!
ルーク達も後に続く。
ドッド、ドッド、ドドドドド
カイト、お前なのか!?
今、パパが助けに行く!待ってろ。
必ず行くから、そこで待ってろ。
また緊張が走る。
なぜなら、ゴリラン達が人間を襲う時、ダンスが終わってからなのだ。
警戒しながらも、そろりとゴリランの群れから距離を取り、腰にかけてる剣に手を添える。
その時、スーッとオスのゴリランの視線が剣に向いた気がした。
手に汗が滲む。
その時、年老いたゴリランが私に語りかける。
「ダイジョウブ。ダイジョウブ。オマエタチ、アノ、ニンゲンノコ、オヤ。アノ、ニンゲンノコ、ゴリラント、トモダーチ、トモダーチ。ダカラ、オマエタチモ、ゴリラント、トモダーチ、アルネ」
カイトがゴリラン達と友達になったというのか?
チョーロって奴を助けたからか?
「オマエタチ、ワレラガ、オドリ、オドッタ。トモダーチッ?」
これは話を合わせた方がいいだろう。
ルークを見ると、僅かに頷いた。
「ああ、私たちは友達だ!」
「私の子どもがどこに行ったか教えて欲しい」
ウホッホッウホウホ
メスゴリラン達が騒ぎはじめる。
なっ……ゴリランの尻からランが、…生えた?
私は目の前の状況が掴めない。
尻から、蘭が咲くって!!!
いや、笑っちゃならん。笑ってはいけないはずだ。いや、だけど!
鼻が膨らむ。
背後から誰かのグホォっていう声がきっかけだった。
ランランラン、何故尻から、ランが咲く?
いや、そんな理由は“知ラン”……ランだけに。上手い!グフッ!
私は笑いを隠すために後ろを振り返った。
すると――。
お前ら、肩が震えてるじゃないか?
ルーク!笑いながら泣くな!
「あははははっ!」
「ヒィー。お腹痛い、助けてくれっ」
「なぜ尻に?」
お前たち、もっと声を小さく!
私は誤魔化さなければっ!
「おっ、……お美しいっ」
さっきまで急に笑い出した私たちを老いたゴリランとお供のオスゴリランがキョトンと見ている。
「オマエ、メス、イルカ?」
「いや、私には妻がいる。私は妻ひとりだ。だから、要らない」
そこは、はっきり伝えておくべきだろう。
「友達として教えてくれ。私の子どもは何処にいる?頼むっ」
騒ぐメスゴリラ達とは違い、2頭のオス達は静かに私たちを見ている。
その視線は、獲物を射る目ではない。
どこか温かい。
「コドモ、イナイ。オヤ、シンパイナル。ニンゲンノコ、アッチニムカッタ。」
ゴリランが指した方向。
――ケンブルクか!なぜだ?
王都とは、逆方向。
どうした?方向を見失ったか?
いや…………別の目的か?
「あの方向は、ケンブルクですよ、ダウニー様。なぜ、ハーレンはケンブルクに向かったのでしょう?」
「………んむっ」
サッサッサッ――木々の葉が擦れ合う。
「ハーレンがなぜケンブルクに向かったのかは分からない。だが、その理由を知るためにも、カイトを見つけるためにも……私たちも、ケンブルクへ行くぞ」
「あなたの名前は?」
私は、カイトの行き先を教えてくれた若いオスゴリランに尋ねる。
「ナハ、ナイ。コレ、チョーロ」
オスゴリランが、年老いたゴリランを指差す。
この年老いたゴリランがチョーロ。
カイトが助けたのはこのゴリランか。
私はカイトが起こした奇跡を思う。
ゴリランに襲われなかったこと。
ゴリランを助けたこと。
そして――
ゴリランと友達になったこと。
あの子は、不思議な子だ。
私たちが成し得なかったことを、次々に成し遂げていく。
稀人、だからなのか?
いや、今はどうでもいい。
今はカイトだ。
「チョーロさん、私の子どもの行き先を教えてくれて感謝する。私は子どもを必ず見つけだす。だから、行く。」
「ルーク、行くぞ」
「はい、ダウニー様」
ゴリランの群れに私は深く礼を尽くし、馬に跨る。
向かうは、ケンブルク。
カイトがいるはずのケンブルクへ。
キーーーーーーーーーンッ!
なんだ?この威圧感。
ん?
――キンッ、ドシャ、微かに聞こえる。
戦っている……?カイト達か?
そのとき――
森の奥から、聞き覚えのある幼い声が聞こえた気がした。
「……ゆ………………さないっ」
胸騒ぎと、焦りが一気に吹き上がる。
手網を握る手に力を込め、馬の腹を蹴り上げた。
ハッ!
ルーク達も後に続く。
ドッド、ドッド、ドドドドド
カイト、お前なのか!?
今、パパが助けに行く!待ってろ。
必ず行くから、そこで待ってろ。
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