ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!

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(セバスside)

6番が静かに訪れた場所。
ほんのり灯る明かり。
マーシュ領――マーシュ家、セバスの執務室。

「来ましたか。」

私の予想は的中した。
ダウニー様が帰還と共に聞いた二つの報告。

1つ目は、王都の王宮で起きた王太子妃の事件。
2つ目、カイト坊ちゃんの誘拐事件。

あの二通の手紙は、点ではなく――線で繋がった。

ただし、犯人像は依然として掴めない。
最終的な目的も曖昧だ。

しかし、一つだけ確かだ。
これは、マーシュ領へ向けられた悪意から生まれたもの。

「セバス、悪いが私は今、毒に犯されている。今すぐカイトから聖水をかけてもらわなければ、あと1日は持たん。
聖水をかければ治るが、激痛とのたうち回り、その後数日は気絶して目を覚まさないだろう。私が伏せている間、家族と、マーシュ領を頼む」

その言葉に、私は迷いなく誓った。
例え命に代えてでも、ダウニー様一家を守り抜くと。
そして――
300年前、ドラゴンに襲われ死の淵から救って頂いた稀人·佑仁さんの「私の子孫を守ってほしい」という願いもまた、私の使命だ。

私は頭を整理する。

二つの事件の共通点は何か?
――どちらにもダウニー様が巻き込まれている。

政治的な陰謀なのか、個人的な恨みか。
おそらく前者が大きい。

思考の途中、ふと、気配を感じた。

「どうぞ、お入りください。カイト坊ちゃん、どうされました?」

「セバス、何があったの?屋敷が少し忙しい感じがするの」

やはり、気付かれていた。
この子は敏感で、聡い。
次期マーシュ領当主となる方だ。

私は状況を説明することにした。

「影から報告がありました。先ほどケンブルクと思われる兵士らがマーシュ領の門を突破したと。」

「え?マーシュ領に攻めてくるってこと?」

「はい、そう判断してマーシュ領騎士団を動かしました。これから戦が始まります。カイト様、アマナ様とアリアーナ様と一緒に避難して下さい。お供にはマールをつけましょう」

「パパは?まだ起きてないよ。」

「ダウニー様は私が守ります。何があっても、命に代えてでも。だから――」

「いや、ボクも戦う。ボクは次期マーシュ領当主になるんだ。だから逃げない」

「いや、しかし…」

気持ちは分かる。
だが、訓練中とはいえ、まだ実践は難しい。

「大丈夫だよ、ボクにはキノセイもいる、いざとなったら助けてもらうよ。
それに、このリュックには使えそうなもの沢山入っているの。
ボクは騎士団に行くから、セバスもついて来て。時間ないから行くね!」

制止の声が出る前に、カイト坊ちゃんは瞬間移動で姿を消した。

私も急いで後を追う。


シュッ。

瞬間移動で騎士団本部に着いたカイト坊ちゃんは迷いなくリュックを開いた。

戦の準備で騎士団は慌ただしく動いていた。

「ハンス副団長!これ使って!」

説明している暇はない。
カイト坊ちゃんがリュックから取り出したのは――

魔法の杖(大人用)×500
魔法の盾(大人用)×500
剣(大人用)×500
長剣(大人用)×500
大剣(大人用)×500

300年を経っても劣化のない、いつでも使える武具。

300年経っているんだぞ。
劣化ひとつない?……有り得ん…!

「こっ、これは…」

騎士たちは息を呑んだ。

「遠慮しなくていいよ、使って!」

「カイト坊ちゃんからの提供だ。すぐ使えるぞ。
お前たち、武器を取れ、盾を持て、門へ向かえ!」

「「「「「「おー」」」」」」

「新しいのがいいな、よし、私はこれを使わせてもらう。」

「あと、これを試してみて」

カイト坊ちゃんはスライムを取りだし、核を潰して、盾に伸ばしていく。
以前調べて、強度が非常に高いことは分かっている。
もしかしたら、盾の強化に使えるかもしれない。

急いで10個の盾にスライムでコーティングして、ハンスに渡した。

「これ、試してみて」

ハンスは部下にコーティングした盾を託す。

カイト坊ちゃんは強く息を吸い、拳を握りしめた。


ボクは絶対に許さない。
悪い奴らなんて、全部倒してやる。

「ハンス、ボクに考えがある」

カイト坊ちゃんのその目は、小さな少年ではなく――
戦場に立つ“当主”そのものだった。
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