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21.落としたのか、落ちたのか
しおりを挟む家族や騎士達だけでなく、大勢の人達に祝ってもらい、無事に結婚式を挙げられた。
人生の1つの区切りかもしれないが、その先の方がずっと長い。
その長い道のりを誰と歩むか。
それは、とても大事なことだ。
ルディガーとは、ロラン公爵邸を解体して、新たに建てた邸に住むことになった。
その費用は、殿下からの結婚祝いらしい。
気前がいいのは、それだけのことをルディガーが請け負ってきたからなのだ。
住まいも爵位も、いろいろと環境は変わるが、ルディガーと義両親が居るので大丈夫だろう。
私の両親も兄も姉も、相変わらず私に甘い。
それに、義両親には実の娘かと思う位に可愛がってもらっている。
もちろん、ルディガーの私への溺愛っぷりは物凄い。
たまに私の取り合いになるところを見ると、似た物親子なんだろうと、微笑ましい。
「ねえ、ベルちゃん!うちの息子、もっと冷たい子だと思ってたのよ。こんなにデレる顔、見たことないもの!!驚いたわ。でも、笑った方がイケメンね。ふふふ。」
そんなことをお義母様に言わせてしまう位だ。
でも、お義母様は、豹変したかのような息子を見て、嬉しそうに微笑んだ。
そして、来年には家族が増える。
ルディガーとの子を授かったのだ。
まだ胎動すら感じないが、お腹の中に赤ちゃんが居ると思うだけで愛おしくなる。
ルディガーは、毎日話し掛けて、楽しみにしている。
もちろん、早くも私の両親や義両親は、今から孫フィーバーが始まっているし、兄や姉も浮かれている。
幸せいっぱいの毎日に、私も穏やかに過ごしている。
親同士が決めた婚約。
一目惚れした女が居ると言う婚約者。
あの時の私は、悲観することなく前向きだったけれど、流石にこんな未来までは見えていなかった。
初恋、失恋(未遂?)、初体験、愛、結婚、子育て。
どれもみんな、ルディガーが初めて。
どれが欠けても、きっとだめなのだ。
これからも、ルディガーと初めてのことを、たくさん経験していこう。
子育ての初めても、きっとオロオロわくわくするだろう。
私の人生、まだまだ楽しみだ。
結局、「1年であなたを落とします」という宣言は、1年経たずにお互い恋に落ちてしまった。
この話になると、ルディガーはいつも照れながら言う。
「1年どころか、実は一瞬で君に恋に落ちていたんだよ。」
【完】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
これにて完結となります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
次の連載は、明日からスタートします。
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引き続き、お付き合いいただけましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。( ´ ▽ ` )
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