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1.幼馴染
しおりを挟む私は、リシェル・モンテフォール、現在十七歳だ。
エスタイン・モンテフォール侯爵とコートニー侯爵夫人との間の長女である。
下には、一歳歳下の双子、妹のヘイゼルと弟のロドリフォが居る。
みんな、両親から受け継いだ銀髪翠眼だ。
ヘイゼルとロドリフォは二卵性双生児であるにも関わらずそっくりだ。
そういう私も、双子達と見分けがつかない位に似ているので、三つ子と間違われることもある。
但し、性格は皆バラバラで、私は几帳面過ぎるし、ひたすらコツコツ物事に取り組まないと習得出来ないタイプ。
真面目でつまらない人間なのだ。
そのくせ、ひと言足りなかったり多過ぎたりする。
一方で、ヘイゼルは思いきりが良く、要領の良い天才タイプだが、大雑把な面も目立つので、姉の私とは正反対に近い。
社交的な性格なので、幅広く交友関係が築けている。
ロドリフォは男の子が一人ということもあり、可愛がられて育ったお坊ちゃんタイプ。
しかし、天性の素質があるのか、剣を持たせると途端に人が変わり、絶対怒らせたくない。
姉弟妹とみんな仲が良いが、三人の幼馴染とも良い関係だ。
一歳歳上のシステイン・ネーデルラント公爵令息は、眉目秀麗な好青年で、みんなのまとめ役的な存在だ。
若くして次期公爵としての役割りを充分熟している程、真面目な性格で人望も厚い。
同じく一歳歳上のケンドリック・ウェルズリー侯爵令息は、帝国一の剣使いで、ロドルフォの師匠であり憧れの人だ。
見た目はクールだが、実は熱血漢なところがある。
一歳歳下のリシア・カンテミール伯爵令嬢は、ふわっとした優しい雰囲気で容姿端麗の為、男性からの人気は絶大だが、今のところ浮いた噂も無い。
この三人は、祖父母の代から懇意にしており、自然と子ども達も仲がいい。
幼い頃から、ネーデルラント公爵家の庭園に集まって気軽なお茶会をしていた。
年頃の男女が集まるというのは、世間一般では良い顔をされない年齢的になってきているが、ここ数年はそれぞれ忙しい日々を過ごしているので頻度は減った。
例え頻繁でも、幼馴染である為、親も何も言わないだろうが。
話題が恋愛話でも「友人があーだった、こーだった」という話ばかりで、自分達の話はしない。
そんな関係がずっと続くと漠然と思っていたのだが、それは私だけだったと気付くのに、そう時間は掛からなかった。
みんな、それなりに恋愛について思うことがあり、敢えて幼馴染と過ごす場では言わなかったというだけである。
それだけこの関係を大切にしていたし、叶うならずっと続けばいいと思っていたのだろう。
今思えば、ぼんやりしていたのは私だけだったのかもしれない。
穏やかで居心地の良い関係だったから。
しかも、その関係を微妙なものに変えてしまったのは、まさに私だった。
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