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31.深まる謎と断固拒否
しおりを挟む聖剣や魔力について、皇宮の図書館でシステイン様と調べること数日間。
分かったことは、聖剣は黒魔法を使う者の心臓部を一突きすれば倒せること、魔力は保護と治癒と再生の魔法陣が発動出来ることだった。
「ちゃんと使い熟せたら無敵ですね?」
「あぁ、ただ残念ながら、使い方が分からないな。」
二人の役割りなら、システイン様が聖剣で私が魔力の筈だ。
私にはもちろん魔力などない。
この国で魔力が使えるのは皇族だけだ。
大抵ここで行き詰まる。
さすがのシステイン様も、深まる謎に頭を抱える。
取り敢えず、公爵邸に戻ろうと図書館を出たところで、甲高い声が聞こえてきた。
「システインさまぁー!」
システイン様が露骨に嫌な顔をしたところを見ると、この赤髪の派手な女性がロクサリア王女様だろうと想像出来た。
システイン様は私の手を引いて、軽い会釈でやり過ごそうとしたが、ロクサリア王女様は目の前に立ちはだかった。
「システイン様、その女性はどなたですの?わたくしという者がありながら…」
ロクサリア王女様は、私に対する明らかな敵意を剥き出しにして聞いてくる。
「最、愛、の、妻、です。長年の片想いがやっと実りまして!王女様とは親しい間柄ではなく、顔見知り程度ですよね?妻は誤解など致しませぬが、変な物言いはご遠慮願いたい。では、失礼!」
システイン様は『最愛の妻』という部分を最大限に強調し、王女様から遠去けるように私を引き寄せ肩をきつく抱き、王女様をやり過ごす。
肩を抱く手の強さに、私を守ろうとする気持ちが伝わる。
「システイン様には、わたくしのような美しく高貴な女がお似合いですのよ?そんな地味な女なんてやめなさい!」
「既婚者に懸想するような方が高貴とは…ちょっと理解し難い。それに妻は俺が惚れ抜いて、やっと手に入れた女なんで、生涯妻一筋です。あと、今回より王女様の護衛は帝国騎士団の最強騎士でも付けますから、騎士でもない人間をわざわざ指名しないでください。では、忙しいので、本当にこれにて失礼。」
言いたいことを言ってスッキリしたのか、システイン様は私を抱っこし、愛おしげに唇に口付けてからスタスタ歩き出した。
背を向けているのでロクサリア王女様には見えないが、満面の笑みで私を見つめている。
システイン様の普段の姿からは想像も出来ない無礼な態度に、この人はこの後、何が起ころうと構わないと腹を括ったのだろうと思った。
ロクサリア王女様は、大層憤慨し、そのまま殿下に抗議に行ったようだが、護衛としてシステイン様が呼ばれることはなかった。
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