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王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
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「そうよ。陛下の仰る通りだわ」
「何と頼もしいお言葉、妻になるアシュレイ様は幸せものね」
女性陣から続々と賛同の声が上がり、一部の男性たちを除いて、会場はアルダシールを称賛する声で溢れ返った。
「他人を踏み躙るしか能のない、愚か者が。その沸いた脳みそを、牢の中でせいぜい冷やすといい。早く、連れて行け」
途切れた話題の軸を戻すと、アルダシールは再度手を上げて促す。
「そんな、馬鹿な……いやっ、放して! 私を誰だと……誰か、助けて頂戴」
キューベルルは兵士に両脇から持ち上げられてもなお抵抗し、助けを求める。
だが、アルダシールの堂々たる宣言が会場に響き渡り、招待客が一連の流れを目の当たりにした以上、助け舟を出す者は現れない。
「いやっ! 放せ、放せぇ!!」
キューベルルは往生際悪く、足掻く。
シーザーとベルトスは、キューベルルの身分から、初めは気遣って運び出そうとしていた。
しかし、余りの抵抗に、徐々に扱いが荒くなる。
「痛っ……! おのれ、私にこのような真似をして」
「もたもたするな。さっさとしろ」
目を剥いてベルトスを威嚇するキューベルルに、アルダシールは冷たく言い放つ。
「アラウァリア国王、後悔しますよ。外交問題に発展してもよろしいの。シュナイゼル! 何を黙って見ている!?」
「やれるものならやってみろ。シュナイゼル殿下、国へ戻ったならこの一部始終を報告しろ。文句があるならどのような言い掛かりも受けてやる」
アルダシールの語彙が、乱れ始める。
せっかく今まで品良く振舞っていたのに、感情の秤が徐々に苛立ちへ傾いている証拠だ。
「いいえ、アラウァリア国王の主張は正論です」
この騒動がどう終着するのか、アシュレイは固唾を飲んで見守った。
キューベルルを庇うことはもちろん、アシュレイにはどうすることもできない。
シュナイゼルは表情筋の一つも動かさず、抑揚のない声で答える。
「これだけの衆人の前での振る舞い、恐らく、母上の解放は厳しいでしょう。私の帰国さえ危ういのに、まだ、おわかりになりませんか」
つい、と連行されつつあるキューベルルに歩み寄り、言葉少なに追い打ちをかけた。
「嘘、シュナイゼル……なんて、恩知らずなの! 嫌っ、いやよ……!! 放せ!」
キューベルルは大声で喚き散らすが、その声にも力が失われつつある。
会場の中にも同情の声は上がらなかった。
引き摺られ、髪を振り乱したキューベルルが会場から連れ出されて行く。
その背後をシュナイゼルは追わず、ただ見守った。
悲鳴とも罵声とも区別のつかない声が、やがて細くなり、ついには聞こえなくなる。
見送りながら、アシュレイは「……ふ」と息を吐いた。
キューベルルは、母を死に追いやった憎き仇。
長きに渡り、アシュレイを嬲り、虐げ続けてきた女だ。
その女が牢に連行されたなら、さぞかし爽快な心地になるだろうと思うのだが、存外何の感懐も湧かなかった。
「何と頼もしいお言葉、妻になるアシュレイ様は幸せものね」
女性陣から続々と賛同の声が上がり、一部の男性たちを除いて、会場はアルダシールを称賛する声で溢れ返った。
「他人を踏み躙るしか能のない、愚か者が。その沸いた脳みそを、牢の中でせいぜい冷やすといい。早く、連れて行け」
途切れた話題の軸を戻すと、アルダシールは再度手を上げて促す。
「そんな、馬鹿な……いやっ、放して! 私を誰だと……誰か、助けて頂戴」
キューベルルは兵士に両脇から持ち上げられてもなお抵抗し、助けを求める。
だが、アルダシールの堂々たる宣言が会場に響き渡り、招待客が一連の流れを目の当たりにした以上、助け舟を出す者は現れない。
「いやっ! 放せ、放せぇ!!」
キューベルルは往生際悪く、足掻く。
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しかし、余りの抵抗に、徐々に扱いが荒くなる。
「痛っ……! おのれ、私にこのような真似をして」
「もたもたするな。さっさとしろ」
目を剥いてベルトスを威嚇するキューベルルに、アルダシールは冷たく言い放つ。
「アラウァリア国王、後悔しますよ。外交問題に発展してもよろしいの。シュナイゼル! 何を黙って見ている!?」
「やれるものならやってみろ。シュナイゼル殿下、国へ戻ったならこの一部始終を報告しろ。文句があるならどのような言い掛かりも受けてやる」
アルダシールの語彙が、乱れ始める。
せっかく今まで品良く振舞っていたのに、感情の秤が徐々に苛立ちへ傾いている証拠だ。
「いいえ、アラウァリア国王の主張は正論です」
この騒動がどう終着するのか、アシュレイは固唾を飲んで見守った。
キューベルルを庇うことはもちろん、アシュレイにはどうすることもできない。
シュナイゼルは表情筋の一つも動かさず、抑揚のない声で答える。
「これだけの衆人の前での振る舞い、恐らく、母上の解放は厳しいでしょう。私の帰国さえ危ういのに、まだ、おわかりになりませんか」
つい、と連行されつつあるキューベルルに歩み寄り、言葉少なに追い打ちをかけた。
「嘘、シュナイゼル……なんて、恩知らずなの! 嫌っ、いやよ……!! 放せ!」
キューベルルは大声で喚き散らすが、その声にも力が失われつつある。
会場の中にも同情の声は上がらなかった。
引き摺られ、髪を振り乱したキューベルルが会場から連れ出されて行く。
その背後をシュナイゼルは追わず、ただ見守った。
悲鳴とも罵声とも区別のつかない声が、やがて細くなり、ついには聞こえなくなる。
見送りながら、アシュレイは「……ふ」と息を吐いた。
キューベルルは、母を死に追いやった憎き仇。
長きに渡り、アシュレイを嬲り、虐げ続けてきた女だ。
その女が牢に連行されたなら、さぞかし爽快な心地になるだろうと思うのだが、存外何の感懐も湧かなかった。
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