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王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
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アルダシールはキューベルルの発言を許すのだろうか?
会場いるすべての者が、固唾を飲んで見守った。
「そうか。だがそれ以上口を利くなよ。衆人環視の前で女を殴りたくはないからな」
だがしかし、一瞬前と寸分変わらぬ表情で、アルダシールは淡々と告げると膝を伸ばし、その身を翻す。
再びアシュレイの元へ戻ると、くるりと向き直り、キューベルルを指差した。
「おい、この女を引っ立てろ。不敬者だ」
「えっ?」
キューベルルが間の抜けた声を出す。
「追い出すだけでは手緩い。牢へ放り込め」
アルダシールは一変して、射竦めるような眼差しでキューベルルを見下ろす。
アルダシールの態度の急転に、兵士は即座に対応できなかった。
その2人を叱咤したのは、控えていたマクシムだ。
「シーザー、ベルトス、連れて行け」
2人は弾かれたように、キューベルルに取り付くと同時に左右の肘を捉え持ち上げた。
「ええっ、陛下? 何故」
「お前は人の祝いの宴を騒動で汚し、我が妻となるアシュレイを侮辱しただけでなく、この俺までも愚弄した。婚約したばかりの男に不貞を勧めるとは何事だ」
アルダシールがキューベルルの甘言に乗る訳がない。
……と信じていたものの、はっきりとした拒絶の言葉に、アシュレイはほっと胸を撫で下ろした。
「不貞だなど、仮令アシュレイを娶ったにしても……貴方様は大国の王、妻を何人持とうが自由ではありませぬか」
しかし、キューベルルは食い下がる。
「とことん、厚顔な女だな。他の王がどうか知らんが、俺は違う。俺が生涯で愛する女はアシュレイただ1人だ」
それは果たして、アルダシールの本音だったろうか。
アシュレイはアルダシールの告白にぎょっとした。
いや、実際にはどうかわからないが――アシュレイには、告白のように聞こえた。
「俺が他の妃を娶れば、アシュレイが悲しむ。そうだろう?」
急に水を向けられて、アシュレイはたじろいだ。
一気に注目が集まって、回答を余儀なくされる。
「う、うん……、それは」
「な?」と肯定を求めるアルダシールの視線に、何とか首を振るのが精一杯だ。
アルダシールがそこまでアシュレイの心情を慮ってくれているのは嬉しい。
だが、人前で嫉妬心を明言するのは……いささか抵抗がある。
恥ずかしい!
「妻の1人も満足させられない男が、国の民を治め、導けるはずがない!」
堂々たる、アルダシールの宣言が響いた。
しぃん、と室内が水を打ったように静まり返る。
アシュレイにとっては一夫一婦制が常識でも、この世界の倫理観にはそぐわない。
国王が子孫を残すのは、義務だ。
そのために複数の妃を持つのは合理的な措置で、キューベルルの提案は利に適っている。
その慣習が今までに、数々の悲劇を生んだのだとしても。
しかし、ある1人の人物が拍手を送った。
パン、パンと、力強い拍手が室内に木霊する。
「流石は陛下! 何と慈愛深いお言葉でしょう。感服致しました。国王と王妃が手を取り合う王国は、未来永劫栄えるでしょう! このギルフォード、命尽きるまで国王陛下に忠誠を誓います」
するとその拍手を皮切りに、立て続けに喝采が沸き起こった。
会場いるすべての者が、固唾を飲んで見守った。
「そうか。だがそれ以上口を利くなよ。衆人環視の前で女を殴りたくはないからな」
だがしかし、一瞬前と寸分変わらぬ表情で、アルダシールは淡々と告げると膝を伸ばし、その身を翻す。
再びアシュレイの元へ戻ると、くるりと向き直り、キューベルルを指差した。
「おい、この女を引っ立てろ。不敬者だ」
「えっ?」
キューベルルが間の抜けた声を出す。
「追い出すだけでは手緩い。牢へ放り込め」
アルダシールは一変して、射竦めるような眼差しでキューベルルを見下ろす。
アルダシールの態度の急転に、兵士は即座に対応できなかった。
その2人を叱咤したのは、控えていたマクシムだ。
「シーザー、ベルトス、連れて行け」
2人は弾かれたように、キューベルルに取り付くと同時に左右の肘を捉え持ち上げた。
「ええっ、陛下? 何故」
「お前は人の祝いの宴を騒動で汚し、我が妻となるアシュレイを侮辱しただけでなく、この俺までも愚弄した。婚約したばかりの男に不貞を勧めるとは何事だ」
アルダシールがキューベルルの甘言に乗る訳がない。
……と信じていたものの、はっきりとした拒絶の言葉に、アシュレイはほっと胸を撫で下ろした。
「不貞だなど、仮令アシュレイを娶ったにしても……貴方様は大国の王、妻を何人持とうが自由ではありませぬか」
しかし、キューベルルは食い下がる。
「とことん、厚顔な女だな。他の王がどうか知らんが、俺は違う。俺が生涯で愛する女はアシュレイただ1人だ」
それは果たして、アルダシールの本音だったろうか。
アシュレイはアルダシールの告白にぎょっとした。
いや、実際にはどうかわからないが――アシュレイには、告白のように聞こえた。
「俺が他の妃を娶れば、アシュレイが悲しむ。そうだろう?」
急に水を向けられて、アシュレイはたじろいだ。
一気に注目が集まって、回答を余儀なくされる。
「う、うん……、それは」
「な?」と肯定を求めるアルダシールの視線に、何とか首を振るのが精一杯だ。
アルダシールがそこまでアシュレイの心情を慮ってくれているのは嬉しい。
だが、人前で嫉妬心を明言するのは……いささか抵抗がある。
恥ずかしい!
「妻の1人も満足させられない男が、国の民を治め、導けるはずがない!」
堂々たる、アルダシールの宣言が響いた。
しぃん、と室内が水を打ったように静まり返る。
アシュレイにとっては一夫一婦制が常識でも、この世界の倫理観にはそぐわない。
国王が子孫を残すのは、義務だ。
そのために複数の妃を持つのは合理的な措置で、キューベルルの提案は利に適っている。
その慣習が今までに、数々の悲劇を生んだのだとしても。
しかし、ある1人の人物が拍手を送った。
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「流石は陛下! 何と慈愛深いお言葉でしょう。感服致しました。国王と王妃が手を取り合う王国は、未来永劫栄えるでしょう! このギルフォード、命尽きるまで国王陛下に忠誠を誓います」
するとその拍手を皮切りに、立て続けに喝采が沸き起こった。
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