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帰着
おまけ 2
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マクシムが珍しく反駁する。多少は自覚があるらしい。
「陛下だとて、今は城内に居られるからそのように仰るが、別件があればそちらを優先させる性分でしょうに私を非難するなんて」
「それこそ論点がズレている。先約があれば優先するのは当然だろう」
「お待ちください、べリングバリ卿は何か陛下に御用がおありだったのでは」
それまで傍観していたエッダが、見兼ねて口を挟んだ。
「そうでした。ランドット自治区から書簡が届きましたので、お持ちしたのです」
「ランドットと言うと、エステルからか?」
「はい。ユリウス殿と連名です」
マクシムは小脇に抱えていた小箱から、一通の手紙を取り出した。
手紙は封蝋が施されている。
差出人にはマクシムの申告通り、エステルとユリウスの名が記されていたが姓は”カウリウス”で統一されている。
「なるほど、それは急用だな」
先の帰国後に一度、エステルから礼状が届けられて以来、ランドットとの交流は皆無だった。
礼状ではありきたりの謝辞が述べられたのみだったため、マクシムに代理の返信を任せたきりにしていた。
礼を述べられるよりもその後の進捗に関心がある。
アシュレイが産気付いたこのタイミングで届けられた点も興味深い。
アルダシールはその場で封を切り、中身を確認した。
『親愛なるアラウァリア国王陛下並びに妃殿下。
先日は、私たちの窮地をお救い下さり、誠にありがとうございました。この度はようやく私たちの悲願が達成されたので、取り急ぎご報告をさせて頂く次第です。陛下たちがランドットをお発ちになられたその後……』
「これは……」
アルダシールは文面にざっと目を通して顔を上げる。
そこには競い合いの顛末と、アシュレイの出産についての助言が記されていた。
「何か気になる内容が?」
「実に面白い内容だ。マクシム、産湯にはどれくらいの水が要り用だ?」
「赤子ですから、桶に一杯もあれば……唐突に何を仰るのです」
「お前たち、当分急ぎの用事はないな。ちょうど良いから手を貸してくれ」
いつもながらの突拍子もない提案に、マクシムは頓狂な声を上げた。
しかし、書簡に移した目が、ふと輝く。
アルダシールをランドットに走らせた、エステルの預言を思い出したようだ。
「お生まれになるお子について、何か書かれているのですか?」
アルダシールは書面がマクシムにも見えるようにひらりと返す。
自然と口角が上がり、笑みが溢れていた。
「オクラノの泉から水を汲む」
「陛下だとて、今は城内に居られるからそのように仰るが、別件があればそちらを優先させる性分でしょうに私を非難するなんて」
「それこそ論点がズレている。先約があれば優先するのは当然だろう」
「お待ちください、べリングバリ卿は何か陛下に御用がおありだったのでは」
それまで傍観していたエッダが、見兼ねて口を挟んだ。
「そうでした。ランドット自治区から書簡が届きましたので、お持ちしたのです」
「ランドットと言うと、エステルからか?」
「はい。ユリウス殿と連名です」
マクシムは小脇に抱えていた小箱から、一通の手紙を取り出した。
手紙は封蝋が施されている。
差出人にはマクシムの申告通り、エステルとユリウスの名が記されていたが姓は”カウリウス”で統一されている。
「なるほど、それは急用だな」
先の帰国後に一度、エステルから礼状が届けられて以来、ランドットとの交流は皆無だった。
礼状ではありきたりの謝辞が述べられたのみだったため、マクシムに代理の返信を任せたきりにしていた。
礼を述べられるよりもその後の進捗に関心がある。
アシュレイが産気付いたこのタイミングで届けられた点も興味深い。
アルダシールはその場で封を切り、中身を確認した。
『親愛なるアラウァリア国王陛下並びに妃殿下。
先日は、私たちの窮地をお救い下さり、誠にありがとうございました。この度はようやく私たちの悲願が達成されたので、取り急ぎご報告をさせて頂く次第です。陛下たちがランドットをお発ちになられたその後……』
「これは……」
アルダシールは文面にざっと目を通して顔を上げる。
そこには競い合いの顛末と、アシュレイの出産についての助言が記されていた。
「何か気になる内容が?」
「実に面白い内容だ。マクシム、産湯にはどれくらいの水が要り用だ?」
「赤子ですから、桶に一杯もあれば……唐突に何を仰るのです」
「お前たち、当分急ぎの用事はないな。ちょうど良いから手を貸してくれ」
いつもながらの突拍子もない提案に、マクシムは頓狂な声を上げた。
しかし、書簡に移した目が、ふと輝く。
アルダシールをランドットに走らせた、エステルの預言を思い出したようだ。
「お生まれになるお子について、何か書かれているのですか?」
アルダシールは書面がマクシムにも見えるようにひらりと返す。
自然と口角が上がり、笑みが溢れていた。
「オクラノの泉から水を汲む」
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