独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍

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第六百話

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クロードは早朝から理事長であるサイネルに呼び出されていた。

トータルで1年ほどの期間を学園から離れていたこともあり学園の立場をどうするのかという問題があったからだ。

本来であれば3年に進学しているはずだったが単位が足りていない。

しかし、クロードの実力を考えれば留年させるもの憚られる。

そこで試験を設け無事突破できれば進級を認めるという特例処置をとられた。

筆記問題を用意するので待ってほしいと頼まれ今日は実技を監督官と共に実施することとなった。

実技の場所として選ばれたのは牛鬼が勢いで作ってしまったダンジョンだ。

一定数の階層を突破すれば合格である。

クロードとしては自分のいない間に王都にダンジョンが出来ていて驚いた。

聞いた話によるとダンジョン発生当時は色々危惧されたものの魔石の安定供給にも寄与しており好意的に受け入れられているとのことだ。

肝心の試験であるが1層から10層までを1人で踏破できればいいらしい。

監督官の先生を連れてダンジョンの中に足を踏み入れる。

小鬼が向かってくるが剣を一振りするだけで小鬼の首が飛んで行く。

監督官からすればわかりきっていたことであるがクロードにこのような試験は意味がないだろう。

結局クロードは与えられた課題である10層までを楽々と突破してしまった。

「クロード君。すまないが今回手に入れた魔石はダンジョン入り口の買取所に頼む」

「わかりました」

基本的にこのダンジョンで採取された魔石は専門の買取所に売ることになっている。

買取所は王国の直営で民に安価に魔石を供給する為にこのような仕様になっている。

クロードとしては今回採取した以外にも世界樹で大量の魔石を手に入れているので困ることはない。

無事に魔石を売却を終え監督官の先生と街を歩く。

「今回はありがとうございました。よかったら少しお茶を飲んでいきませんか?」

「はは。確かに喉がカラカラです」

クロードの踏破するペースが速すぎてついて行くだけでもヘトヘトだった。

先生と二人でクロードがオーナーをしている喫茶店に入った。

「いらっしゃいませ。って、クロード・・・」

「お久しぶりです」

「お久しぶりじゃないわよ。出かけるなら一声かけていってよね」

そう言って絡んでくるのはブリュンヒルトだ。

その正体はオーディンから派遣されてきたヴァルキリーだ。

会うたびにロキの討伐を迫ってくる困った存在ではあるが嫌っているわけではない。
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