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第六百二十三話
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クロードは許可を貰って両親の墓参りにきていた。
戦う力のない両親ではあったがお墓は組織の分社の中にあった。
クロードがこのお墓を訪ねたのは葬儀の時以来だ。
最後に両親とかわしたのは喧嘩であり、良い息子ではなかっただろう。
事故にあい亡くなったと聞いた時も得に思うことはなかった。
それがどれほど親不孝なことだったのか改めて反省する。
誰も訪れる者のいないお墓は綺麗に清掃され管理が行き届いていた。
話を聞けばこういったお墓の管理などをしている戦う力のない人達がいる。
クロードの両親も組織の事務職だったのだと知らされた。
クロードがまったく組織と関わることがなかったのは天照大神の配慮だったのだ。
まず、組織の関係者は生まれてすぐ戦う力があるのかないのか鑑定される。
天照大神はその鑑定に介入して誤魔化した。
それは神としてのクロードの両親の願い。
そして今まで働き続けてきた神としてのクロードを休ませてあげたいという天照大神の配慮だ。
その配慮を横からやってきてぶち壊した北欧の主神オーディン。
脇が甘かった自分自身の責任もあるがそれ以上に怒りが勝った。
だが、自分がぶちぎれ報復をすることは難しかった。
地球では神々は必要最低限の干渉しか許されていない。
干渉をすればするほど神力をばら撒き魔の者の活動が活発になってしまう。
自分1人の勝手で世界のバランスを壊すわけにはいかなかったのだ。
墓参りを終えたクロードは分社の責任者に呼び出された。
「正直、渡すかどうか悩んだ。だがこれを受け取って欲しい」
そう言われて差し出されたのは1本の刀だった。
戦う力があろうとなかろうと生まれた時に子の安寧を願って作られる。
戦う力のない者は一生拝むことはないがそれが風習なのだという。
そして戦う力がある者に対しては一人前だと認められた時に贈られる。
刀には両親の名前と自分の名前が彫られていた。
「以前のお主はどうしようもないろくでなしだった。だが、今のお主は立派に成長した。分社から本社に籍を移せる者はあまりいない。お主のことを誇りに思う」
どういう経緯であれ、この世界にも自分のことを思い期待してくれる人がいるのだとこの時、実感した。
一度はこの信頼を裏切ってしまったが再びチャンスを貰えたのだ。
いつまでこの世界に留まっていられるかはわからないが精一杯に努めてみよう。
クロードは気持ちを新たに本社へと戻っていった。
戦う力のない両親ではあったがお墓は組織の分社の中にあった。
クロードがこのお墓を訪ねたのは葬儀の時以来だ。
最後に両親とかわしたのは喧嘩であり、良い息子ではなかっただろう。
事故にあい亡くなったと聞いた時も得に思うことはなかった。
それがどれほど親不孝なことだったのか改めて反省する。
誰も訪れる者のいないお墓は綺麗に清掃され管理が行き届いていた。
話を聞けばこういったお墓の管理などをしている戦う力のない人達がいる。
クロードの両親も組織の事務職だったのだと知らされた。
クロードがまったく組織と関わることがなかったのは天照大神の配慮だったのだ。
まず、組織の関係者は生まれてすぐ戦う力があるのかないのか鑑定される。
天照大神はその鑑定に介入して誤魔化した。
それは神としてのクロードの両親の願い。
そして今まで働き続けてきた神としてのクロードを休ませてあげたいという天照大神の配慮だ。
その配慮を横からやってきてぶち壊した北欧の主神オーディン。
脇が甘かった自分自身の責任もあるがそれ以上に怒りが勝った。
だが、自分がぶちぎれ報復をすることは難しかった。
地球では神々は必要最低限の干渉しか許されていない。
干渉をすればするほど神力をばら撒き魔の者の活動が活発になってしまう。
自分1人の勝手で世界のバランスを壊すわけにはいかなかったのだ。
墓参りを終えたクロードは分社の責任者に呼び出された。
「正直、渡すかどうか悩んだ。だがこれを受け取って欲しい」
そう言われて差し出されたのは1本の刀だった。
戦う力があろうとなかろうと生まれた時に子の安寧を願って作られる。
戦う力のない者は一生拝むことはないがそれが風習なのだという。
そして戦う力がある者に対しては一人前だと認められた時に贈られる。
刀には両親の名前と自分の名前が彫られていた。
「以前のお主はどうしようもないろくでなしだった。だが、今のお主は立派に成長した。分社から本社に籍を移せる者はあまりいない。お主のことを誇りに思う」
どういう経緯であれ、この世界にも自分のことを思い期待してくれる人がいるのだとこの時、実感した。
一度はこの信頼を裏切ってしまったが再びチャンスを貰えたのだ。
いつまでこの世界に留まっていられるかはわからないが精一杯に努めてみよう。
クロードは気持ちを新たに本社へと戻っていった。
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