『番』という存在

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本編

カイン視点①

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*** カイル視点***

「後日また来ます、今日はお時間をとっていただき感謝する。」

そう言って、屋敷を出た。あぁ、私の『番』今どこにいるんだい?やっと見つけたと思ったのに、いないなんて悲しい。ちょっと街でも見てから変えるか、ん?この匂いは…いる!近くに、どこだ、私の唯一、早く姿を見せておくれ。

匂いをたどっていたら、誰かとぶつかってしまった。





あ、見つけた……私の『番』、私だけの唯一………






「すみません!お怪我はありませんか…」

「ええ、大丈夫です。私こそ申し訳ありませんでした。…どうかしましたか?」


あぁ、とても心地いい声だ。ずっと聴いていたい。


「いえ、なんでもありません。お詫びに何か贈らせてください。」

理由は何でもいい。とりあえず彼女と近しい間柄にならなければ。

「え、そんなのいいですよ。私も周りを見ていなかったのでおあいこです!」

彼女は謙虚なんだな。そこもとても可愛い…。でも、こちらも譲れない。

「では、少し一緒に街を見て回りませんか?」

「あ、でも少しでもいいですか?明日は朝早いので。」

「でしたら、そのまま送りますよ。ではいきましょうか。」

「えっちょっ、」

彼女が戸惑っているが押しに弱いようで、手を繋いだままついてきてくれた。私の唯一と手を繋いでいる。なんて幸せなんだろう。

彼女を見てみると一件の店の前で少しゆっくりな歩調になった。

「どうかしましたか?あぁ、宝石屋ですか。入ってみます?」

「いえ、いいです。わたしには手が届かないのでガラス越しに見るくらいがちょうどいいんです。」

「なおさら、入りましょう!わたしがいれば見るだけでも大丈夫ですよ。」

「えっ、それはどういう…」

ちょうどいい。彼女は戸惑っているが、私に買えないものなどここにはないだろう。最悪、身分を明かせばどうとでもなる。それに彼女が指輪を選べばなお良い……。おっと、こんな顔を見せてはいけないな。紳士でいなければ。

「わぁー!すごい綺麗。どれも可愛いな。あ。」

「どうしたの?あ、これ?」

「はい、とても綺麗だなと思って。いつかお金を貯めて買いたいです!」

「じゃあ、さっきぶつかったお礼にこれを送ることにしよう。店主、これをもらえるかい?」

最高だよ!神に感謝したいくらいだ!

「ちょっと待ってください。こんな高価なものはもらえませんよ。大丈夫ですから!」

「そうか、そしたらこれは他の誰かに渡さなきゃいけないな。でもこれ一点物だよね。なくなっちゃうけどいいの?君が素直にもらってくれると私も嬉しいのだけど。」

「わかりました、謹んでいただきます。」

少しずるいかもしれないが何がなんでももらってもらわなければという思いを込めて説得したら、渋々だが頷いてくれた。

「そんなに身構えないで、気楽にもらってよ。はい!」

あぁ、神よ。こんなに感謝した日はないだろう。これで君は俺のものだ。もう誰にも渡さない…

「本当にありがとうございます!大切にしますね。」

「うん、そう言ってもらえるのが1番嬉しい。その指輪とても似合っているよ。じゃあ、だいぶ日も暮れてきたから送っていくよ。」

「いえ、大丈夫です。ちょうどこちらの方角ですぐなので!あ!私もお詫びしないと、どうしよう。」

「大丈夫、今度会った時でいいよ。楽しみに待ってるね。」

額にキスをして分かれた。マーキングを済ませたから、これでどこにいても君の居場所がわかるよ。あ、やってしまった。君の名前を聞いていない。今度会った時に聞かなければ。

彼女と会って、求婚まで済ませることが出来た。心が躍るような気分で城に戻った。そのまま父上のところに行って報告をしなければ。

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