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本編
カイン視点②
しおりを挟む「父上。入ってもよろしいですか?」
「あぁ、いいぞ。」
「失礼いたします。父上、私の唯一を見つけました。求婚も済ませました。」
「おぉ!そうか、やっと見つかったか。今日見つけたということは、王都にいたのか。なんであれ、見つかってよかった。で、その子はどんな子だったのだ。名前は、貴族か?庶民か?どちらでもいいが早く紹介してくれ。メッシーナも喜ぶぞ!」
父上は、興奮した様子で私に問い詰めてきた。
「父上、彼女はヒト族で、おそらく貴族のメイドをしているはずです。名前はまだわかりません。」
「そうか、ヒト族だったから今まで見つからなかったのか。カイン、名前を聞いてこなければダメだろう。後、ヒト族なら指輪を渡しただけではダメだがしっかり口で伝えたのか?お前はちょっとしたところで抜けているから心配だ。」
あぁ、まずい。求婚できたことが嬉しすぎて口で言うのを忘れていた。
ちょっと説教が始まりそうだったので、強引に話を進めた。
「今日訪問した貴族屋敷に彼女に匂いが残っていました。後日その屋敷に行って彼女の結婚を認めてもらうように、退職の日なども決めてきます。後、しっかり求婚もしてきます…」
「はぁ、やっぱりか。まぁ、しっかり囲い込めよ。絶対にに逃げられないように、ヒト族ならなおさら……」
「はい、けじめはしっかりとつけてきます。父上。では、失礼します。」
よし!父上の許可も得られたし、準備を整えなければ。後贈り物も…彼女にはどんなドレスが似合うかなー。俺の色は必ずどこかに入れなければ。庶民だったら、送るドレスも動きやすいものの方がいいか?いや、もういっそ俺の部屋に閉じ込めようか……
後日、あの貴族屋敷に行くと彼女の匂いがはっきりとわかった。
「ようこそ、カイル殿下。客間にご案内いたしますね。」
アナスタシアとかいう、香水くさい女が出迎えてきたが、本当に鼻が曲がりそうだ。あと、俺に気に入られようというのが見え見えすぎて気持ち悪い。おまけに性格も悪そうだ。
「あぁ、ありがとう。」
なるべく息をしないように、廊下を進んでいくと、彼女の匂いが強くなっていく。近くにいるのか?客間についたら、屋敷の女性をを全員呼んでもらおう。
一つのドアに着いたところで止まり、ドアが空いた、と同時にとても良い彼女の匂いがしてきた、この部屋の中にいるのか?早く私の腕の中に……
「こちらでお待ち…」
何故か、扉が閉められた。
「申し訳ありません。少しお待ちいただけますか。まだメイドがいたようで、すぐに退室させますので。」
「いや、このままでいい。入らせてもらう。」
アナなんとかを押しのけて扉を開けると、そこは『番』の匂いで充満していた。どこだ、どこだ。絶対ここにいる。部屋を探し回っていると、倒れているメイドを見つけた、彼女だ。慌てて駆け寄って、声をかける。
「おい!おい!大丈夫か?額を触らせてもらうぞ…熱い!早く休ませなければ。そこの御令嬢、彼女の部屋へ案内してくれ、あと医者を呼んでくれ、すごい熱が出ている。」
「彼女はメイドですので、人を呼びますから。うつってしまうといけませんので、殿下はこちらにどうぞ。」
こいつは何を言っているんだ。うつるから離れろ?誰がそんなことするか、私の『番』が熱を出しいるんだぞ?私は絶対に離れない。
「いや、私が連れて行く。案内してくれ。」
「ですが……」
「くどい!彼女は私の唯一である。早く案内しろ。」
「はい!ただいま。」
ようやく彼女の部屋についたが、顔を顰めるほどの部屋だった。だが、苦しそうにしていてこれ以上動かすこともよくないだろうから、仕方なくベッドに寝かせた。
「医者はまだか。早くしてくれ…」
祈るように待っているとメイドがきて、お医者様が到着されました。という声と同時に年配の男性が入っていきた。
「おや、これはカイル殿下、ご無沙汰しております。こちらのお嬢さんですね、見させていただきます。」
偶然にも、王宮に出入りしているローグ医師がきてくれた。よかった、この人なら信用できる。
「先生、よろしくお願いします。」
「ふむ、これは……殿下、こちらを見てください。顔にうっすらと青あざのようなものが見えるでしょう。治りかけているようですが、これは相当な力で打たれたものだと思います。熱の原因はおそらく、この傷が原因でしょう。一応、薬を処方しておきますので、目が覚めたら飲ませてやってください。」
「そうですか。ありがとうございました。」
診察を終えたローグ医師を玄関まで送っている途中に質問をされた。
「殿下、あのお嬢さんは殿下の『番』なのですか?」
「ええ、そうですよ。やっと見つけた私の唯一です。」
「そうですか。殿下にも…お幸せになってください。では失礼いたします。」
ローグ医師を送り、部屋に戻りながら彼女をあんな目に合わせた犯人を突き止めなければと決意した。
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