5 / 17
本編
カイン視点②
しおりを挟む「父上。入ってもよろしいですか?」
「あぁ、いいぞ。」
「失礼いたします。父上、私の唯一を見つけました。求婚も済ませました。」
「おぉ!そうか、やっと見つかったか。今日見つけたということは、王都にいたのか。なんであれ、見つかってよかった。で、その子はどんな子だったのだ。名前は、貴族か?庶民か?どちらでもいいが早く紹介してくれ。メッシーナも喜ぶぞ!」
父上は、興奮した様子で私に問い詰めてきた。
「父上、彼女はヒト族で、おそらく貴族のメイドをしているはずです。名前はまだわかりません。」
「そうか、ヒト族だったから今まで見つからなかったのか。カイン、名前を聞いてこなければダメだろう。後、ヒト族なら指輪を渡しただけではダメだがしっかり口で伝えたのか?お前はちょっとしたところで抜けているから心配だ。」
あぁ、まずい。求婚できたことが嬉しすぎて口で言うのを忘れていた。
ちょっと説教が始まりそうだったので、強引に話を進めた。
「今日訪問した貴族屋敷に彼女に匂いが残っていました。後日その屋敷に行って彼女の結婚を認めてもらうように、退職の日なども決めてきます。後、しっかり求婚もしてきます…」
「はぁ、やっぱりか。まぁ、しっかり囲い込めよ。絶対にに逃げられないように、ヒト族ならなおさら……」
「はい、けじめはしっかりとつけてきます。父上。では、失礼します。」
よし!父上の許可も得られたし、準備を整えなければ。後贈り物も…彼女にはどんなドレスが似合うかなー。俺の色は必ずどこかに入れなければ。庶民だったら、送るドレスも動きやすいものの方がいいか?いや、もういっそ俺の部屋に閉じ込めようか……
後日、あの貴族屋敷に行くと彼女の匂いがはっきりとわかった。
「ようこそ、カイル殿下。客間にご案内いたしますね。」
アナスタシアとかいう、香水くさい女が出迎えてきたが、本当に鼻が曲がりそうだ。あと、俺に気に入られようというのが見え見えすぎて気持ち悪い。おまけに性格も悪そうだ。
「あぁ、ありがとう。」
なるべく息をしないように、廊下を進んでいくと、彼女の匂いが強くなっていく。近くにいるのか?客間についたら、屋敷の女性をを全員呼んでもらおう。
一つのドアに着いたところで止まり、ドアが空いた、と同時にとても良い彼女の匂いがしてきた、この部屋の中にいるのか?早く私の腕の中に……
「こちらでお待ち…」
何故か、扉が閉められた。
「申し訳ありません。少しお待ちいただけますか。まだメイドがいたようで、すぐに退室させますので。」
「いや、このままでいい。入らせてもらう。」
アナなんとかを押しのけて扉を開けると、そこは『番』の匂いで充満していた。どこだ、どこだ。絶対ここにいる。部屋を探し回っていると、倒れているメイドを見つけた、彼女だ。慌てて駆け寄って、声をかける。
「おい!おい!大丈夫か?額を触らせてもらうぞ…熱い!早く休ませなければ。そこの御令嬢、彼女の部屋へ案内してくれ、あと医者を呼んでくれ、すごい熱が出ている。」
「彼女はメイドですので、人を呼びますから。うつってしまうといけませんので、殿下はこちらにどうぞ。」
こいつは何を言っているんだ。うつるから離れろ?誰がそんなことするか、私の『番』が熱を出しいるんだぞ?私は絶対に離れない。
「いや、私が連れて行く。案内してくれ。」
「ですが……」
「くどい!彼女は私の唯一である。早く案内しろ。」
「はい!ただいま。」
ようやく彼女の部屋についたが、顔を顰めるほどの部屋だった。だが、苦しそうにしていてこれ以上動かすこともよくないだろうから、仕方なくベッドに寝かせた。
「医者はまだか。早くしてくれ…」
祈るように待っているとメイドがきて、お医者様が到着されました。という声と同時に年配の男性が入っていきた。
「おや、これはカイル殿下、ご無沙汰しております。こちらのお嬢さんですね、見させていただきます。」
偶然にも、王宮に出入りしているローグ医師がきてくれた。よかった、この人なら信用できる。
「先生、よろしくお願いします。」
「ふむ、これは……殿下、こちらを見てください。顔にうっすらと青あざのようなものが見えるでしょう。治りかけているようですが、これは相当な力で打たれたものだと思います。熱の原因はおそらく、この傷が原因でしょう。一応、薬を処方しておきますので、目が覚めたら飲ませてやってください。」
「そうですか。ありがとうございました。」
診察を終えたローグ医師を玄関まで送っている途中に質問をされた。
「殿下、あのお嬢さんは殿下の『番』なのですか?」
「ええ、そうですよ。やっと見つけた私の唯一です。」
「そうですか。殿下にも…お幸せになってください。では失礼いたします。」
ローグ医師を送り、部屋に戻りながら彼女をあんな目に合わせた犯人を突き止めなければと決意した。
21
あなたにおすすめの小説
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
『完結』番に捧げる愛の詩
灰銀猫
恋愛
番至上主義の獣人ラヴィと、無残に終わった初恋を引きずる人族のルジェク。
ルジェクを番と認識し、日々愛を乞うラヴィに、ルジェクの答えは常に「否」だった。
そんなルジェクはある日、血を吐き倒れてしまう。
番を失えば狂死か衰弱死する運命の獣人の少女と、余命僅かな人族の、短い恋のお話。
以前書いた物で完結済み、3万文字未満の短編です。
ハッピーエンドではありませんので、苦手な方はお控えください。
これまでの作風とは違います。
他サイトでも掲載しています。
異母姉の身代わりにされて大国の公妾へと堕とされた姫は王太子を愛してしまったので逃げます。えっ?番?番ってなんですか?執着番は逃さない
降魔 鬼灯
恋愛
やかな異母姉ジュリアンナが大国エスメラルダ留学から帰って来た。どうも留学中にやらかしたらしく、罪人として修道女になるか、隠居したエスメラルダの先代王の公妾として生きるかを迫られていた。
しかし、ジュリアンナに弱い父王と側妃は、亡くなった正妃の娘アリアを替え玉として差し出すことにした。
粗末な馬車に乗って罪人としてエスメラルダに向かうアリアは道中ジュリアンナに恨みを持つものに襲われそうになる。
危機一髪、助けに来た王太子に番として攫われ溺愛されるのだか、番の単語の意味をわからないアリアは公妾として抱かれていると誤解していて……。
すれ違う2人の想いは?
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
運命の番より真実の愛が欲しい
サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。
ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。
しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。
運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。
それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。
王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる