『番』という存在

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本編

そばに...

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そうしているうちに朝になって、メイドがやってきて何年ぶりかと思うくらいに綺麗な化粧をされてドレスを着せられた。

あぁ、私はもうここには戻ってこれないんだ。カインさんにももう会えないんだ…

「馬車に乗ってください。」

「はい、でも少しだけいいですか。」

馬車に乗る前に後ろを振り向いて、一度だけ礼をして感謝を示した。

そこにアナスタシアと奥様がきて

「やっとあんたがいなくなるのね。清々しいわ。」

「私が嫁ぎ先を見つけてあげたんだから感謝しなさいよ。よかったわね行き遅れにならなくて。あ、これ、あの女のブローチよ。持って行くといいわ。」

アナスタシアがにやにやしながら、奥様がお母様のブローチを投げてきた。

あぁ、お母様、一緒にいてください。幸せにはなれないけれど精一杯生きます。

カインさん…最後に一度でいいから会いたかったな…まだ知り合ってそんなに経ってないのに会いたい気持ちでいっぱいになる…
指輪を握りしめながら目を閉じてカインさんの顔を思い浮かべた……



「カインさん…あなたに会いたい……」



目を開けて、馬車に乗り込もうとした時、

「ちょっと待った!リアリー!馬車に乗らないで!」

ずっと会いたかった人の声がする。幻聴かな……。足を動かして馬車のステップに足をかけたその時…

「だから待ってって言ってるじゃないか。よかった、間に合った。」

後ろから抱きしめられた。あぁ、この声は絶対にカインさんだ。…カインさんだ…体を捩ってカインさんを正面からだけ閉めた。

「カインさん、会いたかったです…数日前に知り合っただけなのに会いたくてたまらなかった。最後にあえてよかったです。…でも、私、行かなきゃ行けないんです。この指輪を返せないことは謝りますからこれだけは私に持たせてください。それだけでいいですから…さようなら、お元気で……」

あぁ、会えた…よかった。これで悔いなく行ける…。でもしばらくは忘れられないかもな…いつか良い思い出だったと言えるようになれるかな…

「だから、待てって言ってるでしょ。もう、俺のところにいて良いんだよ。どこにも行かなくて良いの。これからずっと一緒にいれるから、そんな顔しないで……おいでリアリー………」

カインさんがそんなふうに言いながら、優しい顔で手を広げているから……

「いいんですか?ずっと一緒にいれる?もう離れない?私は幸せになっても良いの?」

「うん、死ぬまでずっと一緒だよ。絶対に離れない。何も心配しなくて良い、俺が守ってあげるから。…一緒に幸せになろう、リアリー…」

「カインさんっ!…好き…。…好きなの…ずっと一緒にいて。」

「あぁ、リアリー。俺も好きだよ、愛している…ずっと一緒に生きよう。」

ほんとに幸せになれるんだ。この腕の中は安心する、私を絶対に置いていかないとわかる…あぁ、眠いな。寝てもいい……か……な……。

「おやすみ、リアリー。俺が守るから、安心してお休み…」

腕の中で眠りについたリアリーにキスをしながら絶対に離さないと抱きしめ直した。



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