『番』という存在

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本編

カイン視点③

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***カイン視点***
~数日前~

リアリーと全然会えない。屋敷に行っても今日は体調が悪いとか、忙しいとかで会わせてもらえない。せめてもと思って、贈り物もしているし、手紙も書いているが一度も返事が返ってこない。

だが、いろいろ調べて行くと、リアリーは伯爵令嬢であることがわかった、彼女の本名はリアリー・リングドルク。何故そんな彼女が使用人のようなことをしているかというと、5年前に彼女の母上が亡くなっていることがわかった。しかも、そのあとすぐに再婚して、義母とアナスタシアという娘が屋敷に住んでいることがわかった。リングドルク伯爵は財務省の官僚であることがわかったため、急いで伯爵の元へ向かった。娘が虐げられていることを容認しているのなら伯爵家を潰そうと思うくらい目の前が怒りに染まっていた。

財務省の扉を乱暴に開けてリングドルク伯爵はいるかと聞いたら、普通に出てきた。こいつがリアリーの父親か?なんか匂いが違う。

「貴殿の御令嬢のことで話がしたいがいいか?」

「はい、大丈夫です。アナスタシアのことですよね。」

「いや、リアリー嬢の話だが。」

「おや?私の娘はアナスタシアだけですが…」

俺は戸惑った。これはおかしくないか?貴族名簿にもリアリーの名前はリングドルク伯爵家の長女として記載されていたはずだ。

「私が貴族名簿で見た御令嬢の名前はリアリー嬢でしたよ。アナスタシア嬢は再婚相手の連れ子だと記載されていましたよ?ちょっと調べさせてもらいますね。少しよろしいですか?」

「えぇ、それは大丈夫ですが…」

伯爵の身に付けているものを見てみると耳にピアスがされていた。だが…これは…数年前に禁止された魅了のピアスではないか?

「このピアスっていつ頃からつけている覚えているか?」

「これか?これは今の妻と会った時につけてほしいて言われてつけたんだ。いいデザインだろう?」

「これ取って見せてもらうことはできるか?このデザインで私も作らせようと思えるくらいいいデザインだ。」

そういうと、快くピアスを外して見せてくれた。ピアスが外れたら魅了は解けるはずだが…

「リングドルク伯爵、貴殿の御令嬢のことで話がしたいんだが…」

「えぇ、アナスタシアのこと…いえ、リアリーのこと…ですよね。おかしいな、アナスタシア?誰だそれは。」

「やっぱり、リングドルク伯爵。あなたは奥様を亡くした後のことを覚えていますか?何年経ったか覚えていますか?」

「えっと、妻が死んで街を彷徨っていた時に誰かに飲みに誘われて…飲んでいたらこのピアスをつけてと言われて怪しかったがどうでも良くなってつけた気がする…そのあとは…何も覚えていないな。今は妻が死んでまだひと月ほどだろう?」

「違います。あなたは魅了のピアスを使って操られていたようです。」

俺は、調べたこの5年間にあったことをかいつまんで教えて、今のリアリーの置かれている状況も教えた。

「なんてことだ。全然記憶にない。私はなんてことをしてしまったんだ。リアリーがそんな目に遭ってたなんて。」

「確実な証拠はありませんが、リアリーが使用人のようなことをさせられたり、暴力行為を受けているのはその母娘のせいだと思います。他のことも、今調べている途中で証拠集めをしている最中だから協力していただけませんか?彼女は、リアリーは私の『番』なんです。彼女を幸せにするために、危険なものは排除しなければならない…」

「わかりました。こちらこそ、よろしくお願い致します。カイン殿下。とりあえず、いつもの指示書に混ぜて屋敷内で行われている事や、行われているかもしれない犯罪行為について調べてみます。」

リングドルク伯爵との約束を取り付けて、証拠を集めて行くと、あの母娘が行っていた犯罪行為がわんさか出てきた。あと、使用人からの証言でリアリーへの暴力行為を行なっていたことも明らかになった。



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