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本編
カイン視点④
しおりを挟む「カイン殿下、失礼いたします!今朝、執事長からきた手紙によると突然あの女がリアリーの嫁ぎ先を決め、明日の朝出発するらしく、挨拶に来たとのことです。もう時間がありません。今すぐ向かいましょう。」
「ああ、ちょうど証拠も全て揃っていることだし、ついでに母娘共々牢屋にぶちこむとするか。騎士団への連絡は任せた。これを持っていけばすぐに騎士団を動かせる。」
「はい、今すぐに行ってきます。」
「私は一足先向かっている、準備が出来次第すぐに来てくれ!私の唯一に手を出したことを心の底から後悔させてやる。」
「ちょっと待ちなさいよ。この子は今から嫁ぎに行くのよ?いくら第3王子殿下といえども勝手な真似はご遠慮頂きたいものですわ。」
「ほう、それは伯爵の了承を得ているといことか?」
「えぇ、もちろん。旦那様にはいい縁だとお言葉をいただきましたわ。」
「私はそんな了承をした覚えはないけどね。あぁ、リアリー、やっと会えた。こんなに大きくなったんだね。」
突然の伯爵の登場で母娘は動揺している。
「何故、旦那様がここにいらっしゃるの?城でお仕事のはずでしょう。間違いなくそう命令したのに…」
「やはりな、これで言質が取れた。」
「んなっ!嵌めたのね!」
「嵌めたのはどちらだい?傷ついている私をたぶらかし、リアリーに寂しく、辛い思いをさせたお前たちを私は絶対に許せない。」
「そうだな。私の唯一であるリアリーへの暴力行為も万死に値する。それでなくとも、様々な犯罪行為の証拠が上がってきているからもう日の目を見ることはないだろうが。連れていけ!他の協力者も1人たりとも逃すことは許さん!」
「「「はっ!!!」」」
俺の命令で騎士たちが動き出し、あっという間に母娘は拘束された。
これで、俺たちが幸せに生きることができそうだな。腕の中で眠っているリアリーをもう一度強く抱きしめながらこれからの幸せな生活を思い浮かべていると。
「カイン……さん…すき……」
この世で1番愛しい俺の唯一が寝言でも俺への愛を囁いてくれた。
「俺も、世界で1番愛しているよリアリー。」
額にキスをしながらその寝顔を見つめていた。
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