67 / 105
ロイスナーに来て、二度目の冬
再び雪が降り積もる 10
しおりを挟む
「アマーリエ。お返事くださってありがとう。あんな無理なお願い、受け入れていただけないかと思って」
「リーゼのお願いを断るわけがないわ」
案内された場に到着し、馬車を降りると以前のようにアマーリエが出迎えてくれる。いつでも変わらないアマーリエの笑顔が、リーゼロッテの心も和ませた。
「さぁ、まずは中に入って。急いでるのはわかるけど、さすがに庭先で帰すわけにはいかないもの」
離れと呼ばれたその屋敷は、城に比べこじんまりとしていて、造りも幾分簡素に見えた。だが、中に入ってみれば趣味の良い装飾物によって彩られており、こだわりをもって整えられていることがわかる。
「今お茶を持って来させるわね。そちらにお座りになって」
通された応接室は伯爵が利用するには可愛らしくもあり、誰のために用意されたものか、想像がついた。
「この屋敷は?」
「ここはわたくしの為に建ててもらったものなの。お父様の目から離れて、独りになりたいときもあるでしょう? それぐらいしてもらわないと。あんな婚約者をあてがわれるのだから」
春に訪れた時に出会ったアマーリエの婚約者だった人物を思い出す。
「あの方とは?」
「もちろん。あの日以来会っていないわ」
当たり前のことを話すようなアマーリエの態度に、リーゼロッテが唖然としてしまう。
「よ、良かったの?」
「えぇ。さ、そんなことよりもお手紙に書かれていたことよ。大変だったのね」
「無理を言ってごめんなさい。アマーリエしか頼れる方がいなくて」
「嬉しい! リーゼは昔から何でも一人でやってしまうから。わたくしのこと思い出してくださったのね」
アマーリエはそう言うと、お茶を用意した執事に目配せをする。
すぐに二人の目の前に大量の食糧が運ばれてきた。
「こんなに?」
「もう少し時間があれば、もっと買ってきたのだけど。これで足りるかしら?」
「十分よ! ねぇ。アルベルトさん?」
目の前に広がった光景に興奮したようで、リーゼロッテがついいつもの調子で、後ろに控えるアルベルトへと声をかけた
「アルベルトさんって?」
リーゼロッテの口から出た名前をアマーリエが聞き逃すはずもなく、アマーリエの視線はリーゼロッテの後ろに立つアルベルトに注がれる。
「ディースブルク伯爵令嬢。初めてお目にかかります。このような場所に同席させていただく無礼をお許し下さい。ロイエンタール家執事長を務めます、アルベルトと申します」
「わたくし、アマーリエ・ディースブルクです。リーゼとは国立学院で一緒に学んでおりました」
アルベルトが恭しく頭を下げれば、アマーリエもそれに丁寧に返事をする。それは伯爵令嬢が執事に対するには丁寧過ぎるもので、リーゼロッテが後々何か言われることのないように、アマーリエなりの気遣いだとわかる。
侍女は見張りだった過去。何か粗相があればすぐにでも国王へと報告される生活。それを知ってるアマーリエだからこその気配り。
「アマーリエ、そろそろお話を……」
そんな過去をアルベルトに知られたくないリーゼロッテが、話を切り上げようと声をかけた。
「リーゼ、それもそうね。ごめんなさい。これで足りるのなら、全て持っていってもらって構わないわ」
「全て? そうだとしたら、ディースブルク伯爵にもお礼を申し上げないと」
「大丈夫よ。今回の件はお父様は知らないもの」
アマーリエはさらっと答えるが、リーゼロッテにとっては信じられない出来事で。伯爵の許可もなくこれだけたくさんのものを用意したとは、一体どういうことなのだろうか。
「知らないって?」
「リーゼからお手紙をいただたのに、お父様のお許しを待っていたら間に合わないもの。これはわたくし個人が用意したものよ。だから、全て持っていってもらっても、何も困らないわ。持っていってもらわないと、返って困ってしまうかも」
そう言って見せるアマーリエの表情はわざとらしく悩んでいるようで、その顔にリーゼロッテの表情もつい綻んでしまう。
「そ、そしたら全部いただいて帰るわ。本当にありがとう。どれだけ、お支払いすれば良いかしら」
「支払いだなんて。贈りものではダメなの?」
「ダメよ! こういうことはきちんとしなくては」
「そう? そこまで言うのなら。どれだけって言われても、全部持っていってもらいたいというのはわたくしの勝手なのだし、リーゼに任せるわ」
アマーリエの私財は、これぐらいの負担はどうってことないのだろう。ロイスナーとは、リーゼロッテとは違う財政事情に、羨ましさを感じなくもない。
(これが普通なのかもしれない)
ただ、領地に縛られた不自由さを思えば、単純に羨ましがることもできないのだが。
「そしたら、こちらを」
リーゼロッテが差し出したのは小さな魔力石。それを五つ、クッションの効いた皿に乗せてアマーリエの前に遠慮がちに差し出した。
「貨幣を用意できなくてごめんなさい。わたくしが用意できるものはこれだけで。もし、魔力石ではお嫌なのであれば、ベルンハルト様が目覚めた後にご相談するわ」
「貨幣だなんて! 魔力石がどれだけ高価なものかリーゼはご存知ないの?」
「知って……いるつもりだけど」
アルベルトとアマーリエから聞いた話を知識として知っているだけだ。
リーゼロッテ自身が魔力石の世話になることもなく、ヘルムートはあんなに毎日自然にそれを使っている。価値を実感することはなかった。
「それを五つも! わたくしがお渡ししたものでは釣り合いが取れないわ。もっとご用意しなければならなかったのね」
「いいえ! お手紙にも書いたけど、今のロイスナーでは食糧を用意することができないの。魔力石よりも食事の方が大切よ」
「ふふっ。確かに食事は大切だけど。そんな風に比べたことなかったわ」
リーゼロッテの言葉に、アマーリエが楽しそうに笑う。それを見たリーゼロッテもつい顔が綻ぶ。
「もし、魔力石が多すぎるというのならば、今回はお近づきのしるしに、受け取ってちょうだい」
二人ひとしきり笑い合った後、リーゼロッテは今回の取引を締めようとした。
いつまでもアマーリエと話をしていたいが、ロイスナーではベルンハルトもヘルムートも待っているだろう。
「お近づきね。またこのようなことがあれば、いつでも仰ってちょうだい」
「えぇ。で、でもね、そんなにたくさんの魔力石を持っているわけではないわ」
アルベルトの忠告を受けたリーゼロッテが、アマーリエに一言付け加える。
「そう。それならこれはわざわざお父様に報告することもないわね。継続するかどうかもわからない取引なのだから」
リーゼロッテの言葉と表情から、意図を汲んでくれたのかもしれない。アマーリエの口から、リーゼロッテが望んだ言葉が紡がれる。
「よろしく、お願い致します」
「リーゼのお願いを断るわけがないわ」
案内された場に到着し、馬車を降りると以前のようにアマーリエが出迎えてくれる。いつでも変わらないアマーリエの笑顔が、リーゼロッテの心も和ませた。
「さぁ、まずは中に入って。急いでるのはわかるけど、さすがに庭先で帰すわけにはいかないもの」
離れと呼ばれたその屋敷は、城に比べこじんまりとしていて、造りも幾分簡素に見えた。だが、中に入ってみれば趣味の良い装飾物によって彩られており、こだわりをもって整えられていることがわかる。
「今お茶を持って来させるわね。そちらにお座りになって」
通された応接室は伯爵が利用するには可愛らしくもあり、誰のために用意されたものか、想像がついた。
「この屋敷は?」
「ここはわたくしの為に建ててもらったものなの。お父様の目から離れて、独りになりたいときもあるでしょう? それぐらいしてもらわないと。あんな婚約者をあてがわれるのだから」
春に訪れた時に出会ったアマーリエの婚約者だった人物を思い出す。
「あの方とは?」
「もちろん。あの日以来会っていないわ」
当たり前のことを話すようなアマーリエの態度に、リーゼロッテが唖然としてしまう。
「よ、良かったの?」
「えぇ。さ、そんなことよりもお手紙に書かれていたことよ。大変だったのね」
「無理を言ってごめんなさい。アマーリエしか頼れる方がいなくて」
「嬉しい! リーゼは昔から何でも一人でやってしまうから。わたくしのこと思い出してくださったのね」
アマーリエはそう言うと、お茶を用意した執事に目配せをする。
すぐに二人の目の前に大量の食糧が運ばれてきた。
「こんなに?」
「もう少し時間があれば、もっと買ってきたのだけど。これで足りるかしら?」
「十分よ! ねぇ。アルベルトさん?」
目の前に広がった光景に興奮したようで、リーゼロッテがついいつもの調子で、後ろに控えるアルベルトへと声をかけた
「アルベルトさんって?」
リーゼロッテの口から出た名前をアマーリエが聞き逃すはずもなく、アマーリエの視線はリーゼロッテの後ろに立つアルベルトに注がれる。
「ディースブルク伯爵令嬢。初めてお目にかかります。このような場所に同席させていただく無礼をお許し下さい。ロイエンタール家執事長を務めます、アルベルトと申します」
「わたくし、アマーリエ・ディースブルクです。リーゼとは国立学院で一緒に学んでおりました」
アルベルトが恭しく頭を下げれば、アマーリエもそれに丁寧に返事をする。それは伯爵令嬢が執事に対するには丁寧過ぎるもので、リーゼロッテが後々何か言われることのないように、アマーリエなりの気遣いだとわかる。
侍女は見張りだった過去。何か粗相があればすぐにでも国王へと報告される生活。それを知ってるアマーリエだからこその気配り。
「アマーリエ、そろそろお話を……」
そんな過去をアルベルトに知られたくないリーゼロッテが、話を切り上げようと声をかけた。
「リーゼ、それもそうね。ごめんなさい。これで足りるのなら、全て持っていってもらって構わないわ」
「全て? そうだとしたら、ディースブルク伯爵にもお礼を申し上げないと」
「大丈夫よ。今回の件はお父様は知らないもの」
アマーリエはさらっと答えるが、リーゼロッテにとっては信じられない出来事で。伯爵の許可もなくこれだけたくさんのものを用意したとは、一体どういうことなのだろうか。
「知らないって?」
「リーゼからお手紙をいただたのに、お父様のお許しを待っていたら間に合わないもの。これはわたくし個人が用意したものよ。だから、全て持っていってもらっても、何も困らないわ。持っていってもらわないと、返って困ってしまうかも」
そう言って見せるアマーリエの表情はわざとらしく悩んでいるようで、その顔にリーゼロッテの表情もつい綻んでしまう。
「そ、そしたら全部いただいて帰るわ。本当にありがとう。どれだけ、お支払いすれば良いかしら」
「支払いだなんて。贈りものではダメなの?」
「ダメよ! こういうことはきちんとしなくては」
「そう? そこまで言うのなら。どれだけって言われても、全部持っていってもらいたいというのはわたくしの勝手なのだし、リーゼに任せるわ」
アマーリエの私財は、これぐらいの負担はどうってことないのだろう。ロイスナーとは、リーゼロッテとは違う財政事情に、羨ましさを感じなくもない。
(これが普通なのかもしれない)
ただ、領地に縛られた不自由さを思えば、単純に羨ましがることもできないのだが。
「そしたら、こちらを」
リーゼロッテが差し出したのは小さな魔力石。それを五つ、クッションの効いた皿に乗せてアマーリエの前に遠慮がちに差し出した。
「貨幣を用意できなくてごめんなさい。わたくしが用意できるものはこれだけで。もし、魔力石ではお嫌なのであれば、ベルンハルト様が目覚めた後にご相談するわ」
「貨幣だなんて! 魔力石がどれだけ高価なものかリーゼはご存知ないの?」
「知って……いるつもりだけど」
アルベルトとアマーリエから聞いた話を知識として知っているだけだ。
リーゼロッテ自身が魔力石の世話になることもなく、ヘルムートはあんなに毎日自然にそれを使っている。価値を実感することはなかった。
「それを五つも! わたくしがお渡ししたものでは釣り合いが取れないわ。もっとご用意しなければならなかったのね」
「いいえ! お手紙にも書いたけど、今のロイスナーでは食糧を用意することができないの。魔力石よりも食事の方が大切よ」
「ふふっ。確かに食事は大切だけど。そんな風に比べたことなかったわ」
リーゼロッテの言葉に、アマーリエが楽しそうに笑う。それを見たリーゼロッテもつい顔が綻ぶ。
「もし、魔力石が多すぎるというのならば、今回はお近づきのしるしに、受け取ってちょうだい」
二人ひとしきり笑い合った後、リーゼロッテは今回の取引を締めようとした。
いつまでもアマーリエと話をしていたいが、ロイスナーではベルンハルトもヘルムートも待っているだろう。
「お近づきね。またこのようなことがあれば、いつでも仰ってちょうだい」
「えぇ。で、でもね、そんなにたくさんの魔力石を持っているわけではないわ」
アルベルトの忠告を受けたリーゼロッテが、アマーリエに一言付け加える。
「そう。それならこれはわざわざお父様に報告することもないわね。継続するかどうかもわからない取引なのだから」
リーゼロッテの言葉と表情から、意図を汲んでくれたのかもしれない。アマーリエの口から、リーゼロッテが望んだ言葉が紡がれる。
「よろしく、お願い致します」
34
あなたにおすすめの小説
婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?
向原 行人
ファンタジー
第三王子が趣味で行っている冒険のパーティに所属するマッパー兼食事係の私、アニエスは突然パーティを追放されてしまった。
というのも、新しい食事係の少女をスカウトしたそうで、水魔法しか使えない私とは違い、複数の魔法が使えるのだとか。
私も、好きでもない王子から勝手に婚約者呼ばわりされていたし、追放されたのはありがたいかも。
だけど私が唯一使える水魔法が、実は「飲むと数時間の間、能力を倍増する」効果が得られる神水だったらしく、その効果を失った王子のパーティは、一気に転落していく。
戻ってきて欲しいって言われても、既にモフモフ妖狐や、新しい仲間たちと幸せな日々を過ごしてますから。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ギルド受付嬢は今日も見送る~平凡な私がのんびりと暮らす街にやってきた、少し不思議な魔術師との日常~
弥生紗和
ファンタジー
【完結】私はギルド受付嬢のエルナ。魔物を倒す「討伐者」に依頼を紹介し、彼らを見送る毎日だ。最近ギルドにやってきたアレイスさんという魔術師は、綺麗な顔をした素敵な男性でとても優しい。平凡で代わり映えのしない毎日が、彼のおかげでとても楽しい。でもアレイスさんには何か秘密がありそうだ。
一方のアレイスは、真っすぐで優しいエルナに次第に重い感情を抱き始める――
恋愛はゆっくりと進展しつつ、アレイスの激重愛がチラチラと。大きな事件やバトルは起こりません。こんな街で暮らしたい、と思えるような素敵な街「ミルデン」の日常と、小さな事件を描きます。
大人女性向けの異世界スローライフをお楽しみください。
西洋風異世界ですが、実際のヨーロッパとは異なります。魔法が当たり前にある世界です。食べ物とかファッションとか、かなり自由に書いてます。あくまで「こんな世界があったらいいな」ということで、ご容赦ください。
※サブタイトルで「魔術師アレイス~」となっているエピソードは、アレイス側から見たお話となります。
この作品は小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
家族から冷遇されていた過去を持つ家政ギルドの令嬢は、旦那様に人のぬくもりを教えたい~自分に自信のない旦那様は、とても素敵な男性でした~
チカフジ ユキ
恋愛
叔父から使用人のように扱われ、冷遇されていた子爵令嬢シルヴィアは、十五歳の頃家政ギルドのギルド長オリヴィアに助けられる。
そして家政ギルドで様々な事を教えてもらい、二年半で大きく成長した。
ある日、オリヴィアから破格の料金が提示してある依頼書を渡される。
なにやら裏がありそうな値段設定だったが、半年後の成人を迎えるまでにできるだけお金をためたかったシルヴィアは、その依頼を受けることに。
やってきた屋敷は気持ちが憂鬱になるような雰囲気の、古い建物。
シルヴィアが扉をノックすると、出てきたのは長い前髪で目が隠れた、横にも縦にも大きい貴族男性。
彼は肩や背を丸め全身で自分に自信が無いと語っている、引きこもり男性だった。
その姿をみて、自信がなくいつ叱られるかビクビクしていた過去を思い出したシルヴィアは、自分自身と重ねてしまった。
家政ギルドのギルド員として、余計なことは詮索しない、そう思っても気になってしまう。
そんなある日、ある人物から叱責され、酷く傷ついていた雇い主の旦那様に、シルヴィアは言った。
わたしはあなたの側にいます、と。
このお話はお互いの強さや弱さを知りながら、ちょっとずつ立ち直っていく旦那様と、シルヴィアの恋の話。
*** ***
※この話には第五章に少しだけ「ざまぁ」展開が入りますが、味付け程度です。
※設定などいろいろとご都合主義です。
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる