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第8話 妖精さんは野生児
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それはもう"妖精さん"という呼び名が相応しいほどの、神秘的な身体に見とれてしまいました─
更衣室。彼女は上からと、下からと…一枚ずつ順番に湿った体操着を脱ぎ去り、
惜しげもなく曝された肉付きの少ない身体は、緩やかな曲線を描いて、その透き通る肌によって、神秘性を増していました。それは一種の芸術で…
スカートのホックを留め、セーラー服を頭からすっぽりと被り、あっという間に着替えを終え─
「ちょっと待って下さい!!……妖精さん、下着は?」
「今日は元々履き忘れてる…。」
「えーと…それも困りましたが、妖精さん…上の下着もですか?」
「…上の?そんなものは無い…。」
「有りますよ!せめて肌着一枚くらいは着ましょうよ!」
「…?」
「それに恥じらわ無さすぎて、全然興奮できません!」
私は、林さんの体操着を着た上に制服を着直しすることになった。
そして、すっかりキレイになったプールには、ゆっくりと水が貯められていた─
私は秋の落ち葉が積もる日の少し先の未来に想像を馳せ、苦手な消毒液の香りを打ち消した。
「ひどいよー。あの後先生帰ってきて掃除再開になったのに、2人とも帰ってきてくれないしさー。」
といいつつも、存分に水浴びができたのかミトさんはご機嫌だった。
フェンスに背をもたれさせ、3人座って話をする。
「あなたに聞くのは不本意なのですが…」
「じゃあ聞くなよ林…。」
「擬人化の方って、下着を履かないのですか?」
「ちょっ、何言ってんの!?人になってから履いてるに決まってるだろ!」
「上の下着もですよ?」
「上?ああ、私はよく動くからスポーツ用のやつ着けてるけど。」
「私はスポーツしてないから、着けなくていい?」
「駄目です!妖精さんは無防備にも、制服のスナップボタンほぼ外しているじゃないですか!見えそうです!寧ろ見ます!」
「林…落ち着け…。まあ私も人に成り立ての時は服着るの窮屈だったよ?でも段々恥ずかしさが勝って来ん?」
「……そもそも、上の下着あること知らなかった。」
「親御さんに教えて貰ってないのですか?虐待されてないですよね!?」
「されてないけど…アキヨシはそういうの疎そう…」
「アキヨシって誰だよ。」
「ご実家の館長さんですね…。」
「そして、何でお前は知ってるんだよ。」
「とにかく近くの商店街へ行きましょう!」と林さんは、提案した。
もう既に帰る時間だった─
私は寄り道をしたことがなかったので、何だか不思議な気分だった。
「あれ?ここ…さっき貰った名刺のところ?」私は立ち止まりスカートのポケットから名刺を取り出した。
「ああ、ここミミズクん所の実家?みたいな所だよ。」とミトさんが言う。
「ミミズクくんとは友だちなのですか?」
「中等部からの知り合いってゆーか、喧嘩してたってゆーか。まあ、折角だから入ってみよーぜ。」
「そうですね、妖精さんの日用品も買えましたし。…カチコミましょう!」
ミトさんと林さんは冷やかす気満々だった。
そして、ドアを開けると鈴が鳴り、
「何名様でしょうか?」と早速ミミズクくんが出て来たのだった。
外で10分程待つと席が空いたみたいで、入れる事になった。
飲み物を持って来てくれたミミズクくんは、
「…君だけに来て欲しかったんだけどな─」と、遠い目をする。
「なんだよ、私が来たら駄目なのかよ。」
「あんたが来るとここの子たち怯えるから、あんまり来て欲しくはないな!」
「私は妖精さんとは一心同体ですので、お構いなく。」
ミミズクくんは、ため息をつき、ごゆっくり。と言って、フクロウ達のお世話しに行った。
指を甘噛みさせて、手の甲で優しくほっぺたを撫でていた。
「アイツが今触ってるあのフクロウ、お前に似てね?ちょい不気味な感じだし。」
「メンフクロウですか…確かに色白で黒目がちで妖艶な所は妖精さんに似てますね。」
「…そう…なの?」
「ミミズクだった時、メンフクロウのコムギちゃんの事、好きだったみたいなのよね…」と店主さんがこっそり教えてくれた。
「種族違いの悲恋って、萌えるわ─」
林さんだけが噛みしめる様に頷いていた。
お店から出ると近くにバンが停まっていた。
「ねえ君たち、動物に興味ある?今度うちの博物館近くの自然でフィールドワークするけど、体験しに来ない?」
と、運転席の窓から私の養父のアキヨシが言ったのだった─。
更衣室。彼女は上からと、下からと…一枚ずつ順番に湿った体操着を脱ぎ去り、
惜しげもなく曝された肉付きの少ない身体は、緩やかな曲線を描いて、その透き通る肌によって、神秘性を増していました。それは一種の芸術で…
スカートのホックを留め、セーラー服を頭からすっぽりと被り、あっという間に着替えを終え─
「ちょっと待って下さい!!……妖精さん、下着は?」
「今日は元々履き忘れてる…。」
「えーと…それも困りましたが、妖精さん…上の下着もですか?」
「…上の?そんなものは無い…。」
「有りますよ!せめて肌着一枚くらいは着ましょうよ!」
「…?」
「それに恥じらわ無さすぎて、全然興奮できません!」
私は、林さんの体操着を着た上に制服を着直しすることになった。
そして、すっかりキレイになったプールには、ゆっくりと水が貯められていた─
私は秋の落ち葉が積もる日の少し先の未来に想像を馳せ、苦手な消毒液の香りを打ち消した。
「ひどいよー。あの後先生帰ってきて掃除再開になったのに、2人とも帰ってきてくれないしさー。」
といいつつも、存分に水浴びができたのかミトさんはご機嫌だった。
フェンスに背をもたれさせ、3人座って話をする。
「あなたに聞くのは不本意なのですが…」
「じゃあ聞くなよ林…。」
「擬人化の方って、下着を履かないのですか?」
「ちょっ、何言ってんの!?人になってから履いてるに決まってるだろ!」
「上の下着もですよ?」
「上?ああ、私はよく動くからスポーツ用のやつ着けてるけど。」
「私はスポーツしてないから、着けなくていい?」
「駄目です!妖精さんは無防備にも、制服のスナップボタンほぼ外しているじゃないですか!見えそうです!寧ろ見ます!」
「林…落ち着け…。まあ私も人に成り立ての時は服着るの窮屈だったよ?でも段々恥ずかしさが勝って来ん?」
「……そもそも、上の下着あること知らなかった。」
「親御さんに教えて貰ってないのですか?虐待されてないですよね!?」
「されてないけど…アキヨシはそういうの疎そう…」
「アキヨシって誰だよ。」
「ご実家の館長さんですね…。」
「そして、何でお前は知ってるんだよ。」
「とにかく近くの商店街へ行きましょう!」と林さんは、提案した。
もう既に帰る時間だった─
私は寄り道をしたことがなかったので、何だか不思議な気分だった。
「あれ?ここ…さっき貰った名刺のところ?」私は立ち止まりスカートのポケットから名刺を取り出した。
「ああ、ここミミズクん所の実家?みたいな所だよ。」とミトさんが言う。
「ミミズクくんとは友だちなのですか?」
「中等部からの知り合いってゆーか、喧嘩してたってゆーか。まあ、折角だから入ってみよーぜ。」
「そうですね、妖精さんの日用品も買えましたし。…カチコミましょう!」
ミトさんと林さんは冷やかす気満々だった。
そして、ドアを開けると鈴が鳴り、
「何名様でしょうか?」と早速ミミズクくんが出て来たのだった。
外で10分程待つと席が空いたみたいで、入れる事になった。
飲み物を持って来てくれたミミズクくんは、
「…君だけに来て欲しかったんだけどな─」と、遠い目をする。
「なんだよ、私が来たら駄目なのかよ。」
「あんたが来るとここの子たち怯えるから、あんまり来て欲しくはないな!」
「私は妖精さんとは一心同体ですので、お構いなく。」
ミミズクくんは、ため息をつき、ごゆっくり。と言って、フクロウ達のお世話しに行った。
指を甘噛みさせて、手の甲で優しくほっぺたを撫でていた。
「アイツが今触ってるあのフクロウ、お前に似てね?ちょい不気味な感じだし。」
「メンフクロウですか…確かに色白で黒目がちで妖艶な所は妖精さんに似てますね。」
「…そう…なの?」
「ミミズクだった時、メンフクロウのコムギちゃんの事、好きだったみたいなのよね…」と店主さんがこっそり教えてくれた。
「種族違いの悲恋って、萌えるわ─」
林さんだけが噛みしめる様に頷いていた。
お店から出ると近くにバンが停まっていた。
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