12 / 139
12.
しおりを挟む
ここはたぶんツリーハウスの中だろう。目が覚めて落ち着いて昨日の木の顔面との会話を思い出す。あの木の顔面が言っていたアルディとはイケメン兵士のおばあさんの事に違いない。変わり者と言われていたと言っていたし魔の森に住んでいたのかもしれない。本当に変わり者だ。
ベッドから出て部屋の中を見渡した。少々埃っぽくずっと誰も使用していない事が知れる。ベッドの近くにはあの麻袋が置かれていた。
扉からコンコンとノックをする音がした。ビクッとなったが助けてくれた人だろうと思い扉に向かい扉を開けた。しかしそこにはたくさんの葉が茂った枝があった。「え?」と思っているとその枝に絡まっていた蔓が動き出した。
スルスルと体に巻き付いて持ち上げられた。「ひゃああぁあ」と奇声を上げながらジタバタとさせていたら外に連れ出され、あの木の顔面とご対面させられた。
なるほど倒れた時もこうやって運んでくれたのだろう。
『起きたようだの?いきなり倒れるから焦ったわい』
「あ、ごめんなさい。昨日は寝ずに暗い森をさ迷っていたので、疲れと眠さと非現実な事が起こりもう限界が来てしまって寝てしまったようです。昨日もこうやって運んでくれたんですか?ありがとうございます」
と、宙吊りになりながらアリアナは丁寧にお礼を言った。
『そうなのか、それは仕方ないのう。…昨日と言っておるがお主が寝付いた朝から夜が来てまた朝になっとるよ。今はもう昼だが…』
え?1日寝ていた?!
『まあ、時間はたっぷりとある。住まい人にはゆっくりしてったらいい』
「住まい人ってなんですか?」
『ん?わしの家に住んでもらう人の事じゃ、家は人が住まん事には傷んでしまうからのう』
「私が住んでもいいのですか?」
『前の住まい人はアルディじゃった。アルディが決めた次の住まい人はお主だ。お主が住むのがいいだろう』
「有難いです。住むところがなかったので…」
『そうか、それならよかった。アルディはいずれ王妃候補の女が来ると言うておった』
「えっ」
『王妃候補なのにこの森に住むのかと思うたがそれ以上アルディはなにも言わなんだ』
「その…そのアルディさんは占い師だった人ですか?」
『ああ、たまに王都に出かけてそんな事をしていると聞いた事があったわいな。国を導く王妃が生まれたと言うておったな。でも生まれた先が地位の低い所だったので、派閥がぶつかってもしかしたら追放されるやもしれんと…』
「そんな事まで…この森に連れてきた兵士がアルディさんのお孫さんだったようで王妃の話はその兵士から聞きました。アルディさんの言葉通り追放されちゃいました」
アリアナはえへっと笑った。
ベッドから出て部屋の中を見渡した。少々埃っぽくずっと誰も使用していない事が知れる。ベッドの近くにはあの麻袋が置かれていた。
扉からコンコンとノックをする音がした。ビクッとなったが助けてくれた人だろうと思い扉に向かい扉を開けた。しかしそこにはたくさんの葉が茂った枝があった。「え?」と思っているとその枝に絡まっていた蔓が動き出した。
スルスルと体に巻き付いて持ち上げられた。「ひゃああぁあ」と奇声を上げながらジタバタとさせていたら外に連れ出され、あの木の顔面とご対面させられた。
なるほど倒れた時もこうやって運んでくれたのだろう。
『起きたようだの?いきなり倒れるから焦ったわい』
「あ、ごめんなさい。昨日は寝ずに暗い森をさ迷っていたので、疲れと眠さと非現実な事が起こりもう限界が来てしまって寝てしまったようです。昨日もこうやって運んでくれたんですか?ありがとうございます」
と、宙吊りになりながらアリアナは丁寧にお礼を言った。
『そうなのか、それは仕方ないのう。…昨日と言っておるがお主が寝付いた朝から夜が来てまた朝になっとるよ。今はもう昼だが…』
え?1日寝ていた?!
『まあ、時間はたっぷりとある。住まい人にはゆっくりしてったらいい』
「住まい人ってなんですか?」
『ん?わしの家に住んでもらう人の事じゃ、家は人が住まん事には傷んでしまうからのう』
「私が住んでもいいのですか?」
『前の住まい人はアルディじゃった。アルディが決めた次の住まい人はお主だ。お主が住むのがいいだろう』
「有難いです。住むところがなかったので…」
『そうか、それならよかった。アルディはいずれ王妃候補の女が来ると言うておった』
「えっ」
『王妃候補なのにこの森に住むのかと思うたがそれ以上アルディはなにも言わなんだ』
「その…そのアルディさんは占い師だった人ですか?」
『ああ、たまに王都に出かけてそんな事をしていると聞いた事があったわいな。国を導く王妃が生まれたと言うておったな。でも生まれた先が地位の低い所だったので、派閥がぶつかってもしかしたら追放されるやもしれんと…』
「そんな事まで…この森に連れてきた兵士がアルディさんのお孫さんだったようで王妃の話はその兵士から聞きました。アルディさんの言葉通り追放されちゃいました」
アリアナはえへっと笑った。
63
あなたにおすすめの小説
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
水精姫の選択
六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。
買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き
平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした
タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。
身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。
だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり――
それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる