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魔の森の禍々しい雰囲気とは違いなんとも清々しい感じがするのは今が早朝だからだろうか。しかし木の周りを探索してもなにもなかった。大きな立派な木である事以外は誰もいないし休める場所もない。なんとなく誰かの家とかに案内をされているのかと思ったがそうではなかったようだ。
その大きな木は太い幹からたくさんの枝が分かれており、たくさんの青い葉が生い茂っていた。風に揺れサワサワと葉が音色のようになっていた。アリアナはぼんやりと考えながら、これならツリーハウスとか作れそうと思い幹に手が触れた。
その瞬間、木から静電気みたいのものがバチバチとなり大きな青い光に包まれた。木の幹の上の方で何かが燃えた気がした。
驚いて木から離れるとバチバチと木が何やら変化しているのがわかった。そして先ほどまで枝や葉などに覆われていた所に家が建っていた。まさにツリーハウスだ。
願いが叶う魔法なんてあったけかな…?
そんな魔法はもちろんない。しかしご都合過ぎて騙されている気分になる。これは王子による盛大なドッキリかもしれない。などと思ったがドッキリにしてはアリアナは今にも死にそうな目に合っている。しかも誰もタネバレに来ない。やはりドッキリではないのか。
しかし、やっと念願の家が現れた。きっとこのツリーハウスが目的の場所に違いないと思った。思いたい。もう休みたい。
アリアナの体力は限界を過ぎていた。今にも寝てしまいそうになるのを必死に堪えているのだ。
が、このツリーハウスに入ろうにも梯子も階段もない。7・8mくらいの場所にツリーハウスがある。ちょっと登れない。
「どうやって登るのよ。空中遊泳の魔法円はとかあるけど、今はないし…しかも結構値段がするのに、毎回使えないわ。騎士とか風属性専用の休憩所なのかしら」
アリアナは誰に聞かせるわけもなくそんな事をぼやいていた。そして地面からゴゴっと地響きのような音がした。そしてまた森に静寂が戻った。
「なんだ?」
と、まだ独り言を言い何気なく木に目線を戻した。そこには大きな目玉が二つ、そして人のような形をした鼻と口があった。
『お主か?今度の住まい人は。あのばあさんは近いうちに住民がやってくると言うていたがずいぶんと時間が経過したようだの』
「…」
『どうしたのだ?』
「…っと、ばあさんとは…」
聞きたいのはそこじゃないが、思考が追い付かない。
『アルディというばあさんだ。死ぬ前にはヨボヨボのばあさんになっとたな。ばあさんと言ったらお前のばあ様でないといつも怒っておったの。今ではわしの養分になっているがの』
「え!!」
私も殺されて養分にされてしまう。逃げなければと思うが疲れもあり後ずさりした拍子にしりもちを付いてしまった。
『おいおい、気を付けることじゃ、なにか勘違いをしているようだがの。人は皆死ぬであろう。死んで土に帰る。そういうことじゃ』
殺されない?しかし腰が抜けて起き上がれない。アリアナはそこで意識を手放してしまった。
気が付いた時には知らない部屋のベッドに寝かされていた。どのくらい寝ていたかはさだかではないがずいぶん寝ていたように思う。
アリアナは少々寝起きが悪く、いつも起きた時はぼうやりとしている。そして今もまさにぼんやりと鳥や葉の囀りを聞いていた。
そして少しずつ覚醒して行く内に自分の置かれていた状況を思い出してきた。魔の森に置いて行かれ、真っ暗な森の中を歩き、目的地に着いた事、そして大きな木とツリーハウスと木の顔面を一気に思い出し飛び起きた。
部屋の中を見渡しても誰もいない。「目が覚めた?」というテンプレのセリフもない。ここはあのツリーハウスの中なのだろうか、そして誰がここまで運んでくれたのだろうか。あのイケメン兵士かな。
お姫様だっこしてここまで運んでくれたのかな、と呑気な想像をしていた。
その大きな木は太い幹からたくさんの枝が分かれており、たくさんの青い葉が生い茂っていた。風に揺れサワサワと葉が音色のようになっていた。アリアナはぼんやりと考えながら、これならツリーハウスとか作れそうと思い幹に手が触れた。
その瞬間、木から静電気みたいのものがバチバチとなり大きな青い光に包まれた。木の幹の上の方で何かが燃えた気がした。
驚いて木から離れるとバチバチと木が何やら変化しているのがわかった。そして先ほどまで枝や葉などに覆われていた所に家が建っていた。まさにツリーハウスだ。
願いが叶う魔法なんてあったけかな…?
そんな魔法はもちろんない。しかしご都合過ぎて騙されている気分になる。これは王子による盛大なドッキリかもしれない。などと思ったがドッキリにしてはアリアナは今にも死にそうな目に合っている。しかも誰もタネバレに来ない。やはりドッキリではないのか。
しかし、やっと念願の家が現れた。きっとこのツリーハウスが目的の場所に違いないと思った。思いたい。もう休みたい。
アリアナの体力は限界を過ぎていた。今にも寝てしまいそうになるのを必死に堪えているのだ。
が、このツリーハウスに入ろうにも梯子も階段もない。7・8mくらいの場所にツリーハウスがある。ちょっと登れない。
「どうやって登るのよ。空中遊泳の魔法円はとかあるけど、今はないし…しかも結構値段がするのに、毎回使えないわ。騎士とか風属性専用の休憩所なのかしら」
アリアナは誰に聞かせるわけもなくそんな事をぼやいていた。そして地面からゴゴっと地響きのような音がした。そしてまた森に静寂が戻った。
「なんだ?」
と、まだ独り言を言い何気なく木に目線を戻した。そこには大きな目玉が二つ、そして人のような形をした鼻と口があった。
『お主か?今度の住まい人は。あのばあさんは近いうちに住民がやってくると言うていたがずいぶんと時間が経過したようだの』
「…」
『どうしたのだ?』
「…っと、ばあさんとは…」
聞きたいのはそこじゃないが、思考が追い付かない。
『アルディというばあさんだ。死ぬ前にはヨボヨボのばあさんになっとたな。ばあさんと言ったらお前のばあ様でないといつも怒っておったの。今ではわしの養分になっているがの』
「え!!」
私も殺されて養分にされてしまう。逃げなければと思うが疲れもあり後ずさりした拍子にしりもちを付いてしまった。
『おいおい、気を付けることじゃ、なにか勘違いをしているようだがの。人は皆死ぬであろう。死んで土に帰る。そういうことじゃ』
殺されない?しかし腰が抜けて起き上がれない。アリアナはそこで意識を手放してしまった。
気が付いた時には知らない部屋のベッドに寝かされていた。どのくらい寝ていたかはさだかではないがずいぶん寝ていたように思う。
アリアナは少々寝起きが悪く、いつも起きた時はぼうやりとしている。そして今もまさにぼんやりと鳥や葉の囀りを聞いていた。
そして少しずつ覚醒して行く内に自分の置かれていた状況を思い出してきた。魔の森に置いて行かれ、真っ暗な森の中を歩き、目的地に着いた事、そして大きな木とツリーハウスと木の顔面を一気に思い出し飛び起きた。
部屋の中を見渡しても誰もいない。「目が覚めた?」というテンプレのセリフもない。ここはあのツリーハウスの中なのだろうか、そして誰がここまで運んでくれたのだろうか。あのイケメン兵士かな。
お姫様だっこしてここまで運んでくれたのかな、と呑気な想像をしていた。
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