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ここはたぶんツリーハウスの中だろう。目が覚めて落ち着いて昨日の木の顔面との会話を思い出す。あの木の顔面が言っていたアルディとはイケメン兵士のおばあさんの事に違いない。変わり者と言われていたと言っていたし魔の森に住んでいたのかもしれない。本当に変わり者だ。
ベッドから出て部屋の中を見渡した。少々埃っぽくずっと誰も使用していない事が知れる。ベッドの近くにはあの麻袋が置かれていた。
扉からコンコンとノックをする音がした。ビクッとなったが助けてくれた人だろうと思い扉に向かい扉を開けた。しかしそこにはたくさんの葉が茂った枝があった。「え?」と思っているとその枝に絡まっていた蔓が動き出した。
スルスルと体に巻き付いて持ち上げられた。「ひゃああぁあ」と奇声を上げながらジタバタとさせていたら外に連れ出され、あの木の顔面とご対面させられた。
なるほど倒れた時もこうやって運んでくれたのだろう。
『起きたようだの?いきなり倒れるから焦ったわい』
「あ、ごめんなさい。昨日は寝ずに暗い森をさ迷っていたので、疲れと眠さと非現実な事が起こりもう限界が来てしまって寝てしまったようです。昨日もこうやって運んでくれたんですか?ありがとうございます」
と、宙吊りになりながらアリアナは丁寧にお礼を言った。
『そうなのか、それは仕方ないのう。…昨日と言っておるがお主が寝付いた朝から夜が来てまた朝になっとるよ。今はもう昼だが…』
え?1日寝ていた?!
『まあ、時間はたっぷりとある。住まい人にはゆっくりしてったらいい』
「住まい人ってなんですか?」
『ん?わしの家に住んでもらう人の事じゃ、家は人が住まん事には傷んでしまうからのう』
「私が住んでもいいのですか?」
『前の住まい人はアルディじゃった。アルディが決めた次の住まい人はお主だ。お主が住むのがいいだろう』
「有難いです。住むところがなかったので…」
『そうか、それならよかった。アルディはいずれ王妃候補の女が来ると言うておった』
「えっ」
『王妃候補なのにこの森に住むのかと思うたがそれ以上アルディはなにも言わなんだ』
「その…そのアルディさんは占い師だった人ですか?」
『ああ、たまに王都に出かけてそんな事をしていると聞いた事があったわいな。国を導く王妃が生まれたと言うておったな。でも生まれた先が地位の低い所だったので、派閥がぶつかってもしかしたら追放されるやもしれんと…』
「そんな事まで…この森に連れてきた兵士がアルディさんのお孫さんだったようで王妃の話はその兵士から聞きました。アルディさんの言葉通り追放されちゃいました」
アリアナはえへっと笑った。
ベッドから出て部屋の中を見渡した。少々埃っぽくずっと誰も使用していない事が知れる。ベッドの近くにはあの麻袋が置かれていた。
扉からコンコンとノックをする音がした。ビクッとなったが助けてくれた人だろうと思い扉に向かい扉を開けた。しかしそこにはたくさんの葉が茂った枝があった。「え?」と思っているとその枝に絡まっていた蔓が動き出した。
スルスルと体に巻き付いて持ち上げられた。「ひゃああぁあ」と奇声を上げながらジタバタとさせていたら外に連れ出され、あの木の顔面とご対面させられた。
なるほど倒れた時もこうやって運んでくれたのだろう。
『起きたようだの?いきなり倒れるから焦ったわい』
「あ、ごめんなさい。昨日は寝ずに暗い森をさ迷っていたので、疲れと眠さと非現実な事が起こりもう限界が来てしまって寝てしまったようです。昨日もこうやって運んでくれたんですか?ありがとうございます」
と、宙吊りになりながらアリアナは丁寧にお礼を言った。
『そうなのか、それは仕方ないのう。…昨日と言っておるがお主が寝付いた朝から夜が来てまた朝になっとるよ。今はもう昼だが…』
え?1日寝ていた?!
『まあ、時間はたっぷりとある。住まい人にはゆっくりしてったらいい』
「住まい人ってなんですか?」
『ん?わしの家に住んでもらう人の事じゃ、家は人が住まん事には傷んでしまうからのう』
「私が住んでもいいのですか?」
『前の住まい人はアルディじゃった。アルディが決めた次の住まい人はお主だ。お主が住むのがいいだろう』
「有難いです。住むところがなかったので…」
『そうか、それならよかった。アルディはいずれ王妃候補の女が来ると言うておった』
「えっ」
『王妃候補なのにこの森に住むのかと思うたがそれ以上アルディはなにも言わなんだ』
「その…そのアルディさんは占い師だった人ですか?」
『ああ、たまに王都に出かけてそんな事をしていると聞いた事があったわいな。国を導く王妃が生まれたと言うておったな。でも生まれた先が地位の低い所だったので、派閥がぶつかってもしかしたら追放されるやもしれんと…』
「そんな事まで…この森に連れてきた兵士がアルディさんのお孫さんだったようで王妃の話はその兵士から聞きました。アルディさんの言葉通り追放されちゃいました」
アリアナはえへっと笑った。
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