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目的も達成し商人ギルドの廊下を歩いていると廊下の壁にその日の素材の売値のようなものが張り出されてあった。毎日変わる訳ではないが日によっては高くなったり安くなったりするそうだ。
ローウルフの毛皮は冬支度が始まる時期なので先週より上がっていた。金額の後に上の矢印が書かれている。ちょっと得をした気分になる。
ローウルフの他にも色々な素材があった。一番馴染みなのが森の中で見つけた洋ナシのような果物ロシの名前を見つけた。腹が空いていたから食べていたのだが金額を見てびっくりした。なんと1個銀貨1枚で10,000ルーだ。おやつ変わりに食べていた。
なんと勿体ない事を…そういえばポーションの材料になるとか書いてあったな。今度モジャを連れて探しに行こう。まだ麻袋には何個が残っているが今度来たときは売り飛ばそうとリアは誓った。
近くの売店で紙とペンを買い、1時間かけて素材を書き写した。スマホなどないのでパシャリで終わらない。リアはすべて書き写して事に満足して商人ギルドに出ると近くの露店には「素材価格」という手書きのものが1000ルーで売られていた。その日の査定金額が付けば2000ルーだ。買った方が早かった。紙とペンだけで2000ルーは使っているのだ。ショックを隠し切れないリアだった。
「バッカね~紙とペンを買って1時間掛けて写して、外に出てみれば同じ物が売っていたと…あはは」
またヨモの所でお茶をしている。
「もう、笑わないで…」
「ごめん、ごめん。でも本当に世間知らずね。今までどうやって暮らしていたの?不思議だわ~」
家の中で帳簿を見ながら儲けを考えていた。とは言えず
「も、森の小さな集落から出てきたから…」
「ああ、そっか。森の中には何個かの集落があるって聞いた事があるわ。森の中なんていつ魔獣に襲われるかわかんないのに怖くないの?」
「魔の森じゃなかったらそんなに大変じゃないわ」
学園の中での教材の知識だ。
「それはそうよね。森の中から薬草やポーションの素材が見つかるんだから、森の住民がいて貰わないと私たちだって困る事になるんだもんね」
「そうそう」
「だからリアは黒のショールを巻いているの?いつもそのショールを取らないわよね?」
色々な民族が混じり合うシシリアキングスの入口であり、出口の街シシリーでは様々な民族衣装が見ることが出来る。そのことを気にする人はいない。
「そうなの、森にいると虫とか髪に枝が引っかかるから特に女性はみんなショールを巻いているの、取ってもいいけど髪がぐちゃぐちゃだから取りたくないのよ」
「そういう事か、納得!」
そして楽しく話をしていたヨモから笑顔が消え真面目なトーンになった。
「ねぇその森の住民の中に背が高くて目元が垂れていて優しい感じの男がいない?」
「え?それはどういう意味?ヨモは森で暮らしたいの?」
リアはヨモの好みの男性を見つけ結婚したいのかと思った。
「いえ、そうじゃなくて…夫がそんな特徴なのよ」
「旦那さんの事…いえ、分からないわ。背が高い男性なんてたくさんいるし、優しそうな感じの人もいると思うし…」
「そうよね。ごめんなさい。忘れて」
「…」
魔の森で行方不明なのだから森にいる訳がないが何らかの理由で森の住民になっている可能性もある。しかし、その場合はヨモを裏切って他の女性と所帯を持っていると思った方がいいだろう。
「もう忘れる時期かな…」
「忘れる事が出来るのならその方がいいけど、なかなか受け入れられないのも分かる」
「うふ、ありがとう。辛気臭くなってごめんね」
「ううん、でも私の集落にはいないと思う」
「そっか、わかった」
「私、生活用品を揃えたら森に戻るの、しばらくは来ないと思うわ。またシシリーに来たら会いに来るね」
「そうなんだ、せっかく友達になれたのに残念ね。じゃあ森で収穫があればまた売りにくるのね」
「ええ、また来るわ」
ヨモと別れ商人ギルドを出た。他の森の集落に当たってみるなどとは言わない。実際に森の住民なんてリアに知り合いはいないのだ。そんな事をする義理もない。可哀そうだが魔の森に入ったら死は免れない。そしてたぶん亡くなっているのだろう。
ローウルフの毛皮は冬支度が始まる時期なので先週より上がっていた。金額の後に上の矢印が書かれている。ちょっと得をした気分になる。
ローウルフの他にも色々な素材があった。一番馴染みなのが森の中で見つけた洋ナシのような果物ロシの名前を見つけた。腹が空いていたから食べていたのだが金額を見てびっくりした。なんと1個銀貨1枚で10,000ルーだ。おやつ変わりに食べていた。
なんと勿体ない事を…そういえばポーションの材料になるとか書いてあったな。今度モジャを連れて探しに行こう。まだ麻袋には何個が残っているが今度来たときは売り飛ばそうとリアは誓った。
近くの売店で紙とペンを買い、1時間かけて素材を書き写した。スマホなどないのでパシャリで終わらない。リアはすべて書き写して事に満足して商人ギルドに出ると近くの露店には「素材価格」という手書きのものが1000ルーで売られていた。その日の査定金額が付けば2000ルーだ。買った方が早かった。紙とペンだけで2000ルーは使っているのだ。ショックを隠し切れないリアだった。
「バッカね~紙とペンを買って1時間掛けて写して、外に出てみれば同じ物が売っていたと…あはは」
またヨモの所でお茶をしている。
「もう、笑わないで…」
「ごめん、ごめん。でも本当に世間知らずね。今までどうやって暮らしていたの?不思議だわ~」
家の中で帳簿を見ながら儲けを考えていた。とは言えず
「も、森の小さな集落から出てきたから…」
「ああ、そっか。森の中には何個かの集落があるって聞いた事があるわ。森の中なんていつ魔獣に襲われるかわかんないのに怖くないの?」
「魔の森じゃなかったらそんなに大変じゃないわ」
学園の中での教材の知識だ。
「それはそうよね。森の中から薬草やポーションの素材が見つかるんだから、森の住民がいて貰わないと私たちだって困る事になるんだもんね」
「そうそう」
「だからリアは黒のショールを巻いているの?いつもそのショールを取らないわよね?」
色々な民族が混じり合うシシリアキングスの入口であり、出口の街シシリーでは様々な民族衣装が見ることが出来る。そのことを気にする人はいない。
「そうなの、森にいると虫とか髪に枝が引っかかるから特に女性はみんなショールを巻いているの、取ってもいいけど髪がぐちゃぐちゃだから取りたくないのよ」
「そういう事か、納得!」
そして楽しく話をしていたヨモから笑顔が消え真面目なトーンになった。
「ねぇその森の住民の中に背が高くて目元が垂れていて優しい感じの男がいない?」
「え?それはどういう意味?ヨモは森で暮らしたいの?」
リアはヨモの好みの男性を見つけ結婚したいのかと思った。
「いえ、そうじゃなくて…夫がそんな特徴なのよ」
「旦那さんの事…いえ、分からないわ。背が高い男性なんてたくさんいるし、優しそうな感じの人もいると思うし…」
「そうよね。ごめんなさい。忘れて」
「…」
魔の森で行方不明なのだから森にいる訳がないが何らかの理由で森の住民になっている可能性もある。しかし、その場合はヨモを裏切って他の女性と所帯を持っていると思った方がいいだろう。
「もう忘れる時期かな…」
「忘れる事が出来るのならその方がいいけど、なかなか受け入れられないのも分かる」
「うふ、ありがとう。辛気臭くなってごめんね」
「ううん、でも私の集落にはいないと思う」
「そっか、わかった」
「私、生活用品を揃えたら森に戻るの、しばらくは来ないと思うわ。またシシリーに来たら会いに来るね」
「そうなんだ、せっかく友達になれたのに残念ね。じゃあ森で収穫があればまた売りにくるのね」
「ええ、また来るわ」
ヨモと別れ商人ギルドを出た。他の森の集落に当たってみるなどとは言わない。実際に森の住民なんてリアに知り合いはいないのだ。そんな事をする義理もない。可哀そうだが魔の森に入ったら死は免れない。そしてたぶん亡くなっているのだろう。
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