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シンのはなし 4
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「まぁ…はあ、やっぱり隠していてもバレてしまうのですね。お察しの通り、私は元貴族の娘です。辛く哀しい事があり両親共々没落しました。今は離れて暮らしていますがお金を貯めて両親を迎えに行こうと思っています」
シンは俯き弱々しく言った。
「まあ、やっぱりそうだと思いました。では、引き受けて頂けますか?もちろんお値段はそれなりに設定させて頂きます。なんと言っても元貴族が教える本物のマナー教室ですから!」
「元貴族は黙っていて貰えますか?身元を探られるのは困ります」
「ええ、もちろんですとも!なにも言わなくてもシン先生のお姿を見たものは察する事が出来ましょう!」
「…察しないで貰いたいですね」
刺繡教室も人数が増えた事により金額が上がり、シンのマナー教室もそれなりの金額になった。一部のお金持ちの女性にしか教えを受ける事が出来ず不満が出る事もあった。しかし全員に教えるのはムリだという事をニナを含め職員は根気強く一人一人に説明をしなければならないほどだった。刺繍教室は今まで通りの週3でマナー教室は別日の午後のみの週2になった。
所作を一人一人教えるのは骨が折れる作業で丁寧に教えないと身に付かないとのシンの話で1回の教室に定員が10人の枠しか用意出来なかった。きちんと教えたいとシンの意向で、その定員10名は20回必ず来るように提示するようにした。休む事は余程の事がない限りは却下して頂くとの書類を作ったのだ。この10名は春までに所作を完璧に教え込むという事にしたのだ。
マナー教室に瞬く間に注目の教室になった。お金持ちの家は子女に通わせたいとお金を惜しまなかった。それと同時にきちんと指導を受ける意思があるのかという事と途中で辞めてもお金は戻らない事を承諾させるようにした。途中で指導が厳しいから辞めるので金を返せと言われるのを避けた形だ。
そしてシンのマナー教室は平民の女性を完璧なレディに仕上げると言う触れ込みに変わった。
刺繍教室と違ってシンのマナー教室は、それはそれは厳しいものだった。いつも笑顔のシンでは想像する事は出来なかった。10名の生徒は2時間の授業中、姿勢を崩す事は許されず、頭部からつま先までいつも神経を集中させる事を要求された。頭の上には常に落とすと割れる器を乗せられ、そのままダンスが出来るようになれと言うのだ。
指先にも神経を使いなにをするにもシンに厳しく指導された。何度も泣き出す生徒が続出した。
「シン先生!もう無理です。私はこんなに厳しいなんて聞いていませんでした。出来ません!」
シンは座り込み弱音を吐く生徒を前に同じように屈み、同じ目線になり手を取った。
「そうですか、残念です。あなたのお母様はあなたが上級貴族の前に出た時、美しい所作で他の貴族を圧倒するあなたの姿を想像したに違いありません。今、所作を完璧に身に付けていたなら、どこに行っても立派なレディと認められるでしょう。辞めて貰っても結構ですが、あなたと一緒に所作を身に付けている他のみなさんが春に卒業する頃には歴然とした差が生まれている事でしょうね。ではごきげんよう」
シンは生徒の手を放しすっと、立ち上がった。
「…シン先生」
他の皆さまの邪魔になるから移動は速やかに、と冷たく言い放ちその生徒を無視して指導を続けた。まるでスポ根アニメのようだがかつてシンも同じように厳しく所作を教えられたのだ。
しかし落ちこぼれの生徒の姿を見て他の生徒は春には、上級貴族のようなレディに自分もなっていると思うと弱音は吐かず続けた。隅にいた生徒はしばらく指導の様子を見ていたが立ち上がるとシンに向かって、もう一度指導をお願いします、と言った。本当にスポ根アニメのようだ。
シンは生徒に優しく微笑み、「もう一度」と言った。謝り方が違ったようだ。
本格的な冬のまっしぐらの中、ユグンの街から王都行きの街道が一時的に開通した。街道はキレイに雪が無くなっており、駅馬車が通れるくらいの道が出来ており屋根のない雪のトンネルが出来ていた。
シンは街道が開通したら王都に行くつもりだったがマナー教室が残っている。春になりきちんと卒業させて王都に向かう事にした。
「スノーショベルは本当にすごいわね。まさか街道まで開通させるなんて。アンバーにもこの調子だと開通しそう。予定より早くシシリーに戻れそうだわ」
などと、ユグンの街中ではスノーショベルの活躍が大いに賑わっている。
ユグンとアンバーは王都より距離があり、5日ほど掛かるのだ。ユグンからアンバー便は春先にはいつもの予定より早く街道が開通される事になる。
シンは俯き弱々しく言った。
「まあ、やっぱりそうだと思いました。では、引き受けて頂けますか?もちろんお値段はそれなりに設定させて頂きます。なんと言っても元貴族が教える本物のマナー教室ですから!」
「元貴族は黙っていて貰えますか?身元を探られるのは困ります」
「ええ、もちろんですとも!なにも言わなくてもシン先生のお姿を見たものは察する事が出来ましょう!」
「…察しないで貰いたいですね」
刺繡教室も人数が増えた事により金額が上がり、シンのマナー教室もそれなりの金額になった。一部のお金持ちの女性にしか教えを受ける事が出来ず不満が出る事もあった。しかし全員に教えるのはムリだという事をニナを含め職員は根気強く一人一人に説明をしなければならないほどだった。刺繍教室は今まで通りの週3でマナー教室は別日の午後のみの週2になった。
所作を一人一人教えるのは骨が折れる作業で丁寧に教えないと身に付かないとのシンの話で1回の教室に定員が10人の枠しか用意出来なかった。きちんと教えたいとシンの意向で、その定員10名は20回必ず来るように提示するようにした。休む事は余程の事がない限りは却下して頂くとの書類を作ったのだ。この10名は春までに所作を完璧に教え込むという事にしたのだ。
マナー教室に瞬く間に注目の教室になった。お金持ちの家は子女に通わせたいとお金を惜しまなかった。それと同時にきちんと指導を受ける意思があるのかという事と途中で辞めてもお金は戻らない事を承諾させるようにした。途中で指導が厳しいから辞めるので金を返せと言われるのを避けた形だ。
そしてシンのマナー教室は平民の女性を完璧なレディに仕上げると言う触れ込みに変わった。
刺繍教室と違ってシンのマナー教室は、それはそれは厳しいものだった。いつも笑顔のシンでは想像する事は出来なかった。10名の生徒は2時間の授業中、姿勢を崩す事は許されず、頭部からつま先までいつも神経を集中させる事を要求された。頭の上には常に落とすと割れる器を乗せられ、そのままダンスが出来るようになれと言うのだ。
指先にも神経を使いなにをするにもシンに厳しく指導された。何度も泣き出す生徒が続出した。
「シン先生!もう無理です。私はこんなに厳しいなんて聞いていませんでした。出来ません!」
シンは座り込み弱音を吐く生徒を前に同じように屈み、同じ目線になり手を取った。
「そうですか、残念です。あなたのお母様はあなたが上級貴族の前に出た時、美しい所作で他の貴族を圧倒するあなたの姿を想像したに違いありません。今、所作を完璧に身に付けていたなら、どこに行っても立派なレディと認められるでしょう。辞めて貰っても結構ですが、あなたと一緒に所作を身に付けている他のみなさんが春に卒業する頃には歴然とした差が生まれている事でしょうね。ではごきげんよう」
シンは生徒の手を放しすっと、立ち上がった。
「…シン先生」
他の皆さまの邪魔になるから移動は速やかに、と冷たく言い放ちその生徒を無視して指導を続けた。まるでスポ根アニメのようだがかつてシンも同じように厳しく所作を教えられたのだ。
しかし落ちこぼれの生徒の姿を見て他の生徒は春には、上級貴族のようなレディに自分もなっていると思うと弱音は吐かず続けた。隅にいた生徒はしばらく指導の様子を見ていたが立ち上がるとシンに向かって、もう一度指導をお願いします、と言った。本当にスポ根アニメのようだ。
シンは生徒に優しく微笑み、「もう一度」と言った。謝り方が違ったようだ。
本格的な冬のまっしぐらの中、ユグンの街から王都行きの街道が一時的に開通した。街道はキレイに雪が無くなっており、駅馬車が通れるくらいの道が出来ており屋根のない雪のトンネルが出来ていた。
シンは街道が開通したら王都に行くつもりだったがマナー教室が残っている。春になりきちんと卒業させて王都に向かう事にした。
「スノーショベルは本当にすごいわね。まさか街道まで開通させるなんて。アンバーにもこの調子だと開通しそう。予定より早くシシリーに戻れそうだわ」
などと、ユグンの街中ではスノーショベルの活躍が大いに賑わっている。
ユグンとアンバーは王都より距離があり、5日ほど掛かるのだ。ユグンからアンバー便は春先にはいつもの予定より早く街道が開通される事になる。
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