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第43話
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季節は寒かった冬が終わろうとしている。移動していた山の麓も徐々に雪が溶けてきている。地面が顔を出し日差しも温かくなり始めた。そして移動してきた山の麓には春になれば猟をする森の住民や依頼を果たすために冒険者などが現れるだろう。
リアはそろそろ一旦元の魔の森の付近に戻る事にした。春の素材を回収したいとの思惑もある。
元の場所に戻ってきたモジャはここら辺は落ち着くのぉと言った。
「え?魔の森の近くなのに落ち着くの?」
『魔の森の近くじゃから落ち着くのじゃ』
「なんで?」
『わしは魔素で生きておる。魔素が少ない所では少々つらいのぉ』
「え?そうだったの?ごめんなさい。知らなかった。言ってくれれば離れなかったのに。あの女だってもう隣の街にいったんだし」
『まあ、念には念をだの。あの後も優秀な冒険者がここに戻って調べておったわいな』
「そうなの?モジャはどうやってそんな事を知るの?」
『見えるんじゃな』
「え?」
モジャは気が付いたら魔の森にいて魔の森や周辺の森に根を広げていたという。根という魔力だろう。モジャの魔力が広がっている所の状況は大体分かるし移動も出来るらしい。だから本当は根っこで走らなくてもいいのだと言った。走ったのはアルディが楽しそうにしていたからだとか、リアが怖がったため、もう走らんってさ。
「どこまでその根はどこまで伸びているの?」
魔の森は魔獣の魔力を取り込んで大きくなっている。そしてまた魔獣を生み出しているそうだ。循環しているのだとか。その循環している魔素を貰っているので自分も魔の物なのだろうと言う。そしてもう何年も根を張っていてモグリベルやシシリアキングス、それを超えた国にも根を伸ばし続けているそうだ。そしていつか自分と同じような同種がいるのではないかと思って根を伸ばし続けているのだとか。
そうか、モジャもひとりだと淋しいのだ。
「じゃあ、もしかして王都まで転移出来るってこと?」
「出来るわいな」
「じゃあ王都に行こう!」
楽して王都に行けるなとリアは思った。
リアは冬の間アルディの残した本や資料を見て勉強していた。森での地図の魔法陣を作る際に書き留められたメモも本の隙間に入っているのを発見していたりした。違う物を探しているのに貴重なメモがいくつも見るかるのだ。「メモ見~っけ」となる。まるで宝捜しだ。
部屋のどこかに隠されているメモを回収ししつ、薬草などの素材を集めつつしていたらすっかり春の陽射しになっていた。雪はすべて溶け、野には花が咲き、人々は動き出した。ついでに魔獣も。結界の外にはまた凝りもせず挑んで魔獣が死んでいる光景が戻ってきた。
相変わらずリアは外に出るときは黒のショールを巻き、水色の巻き毛のカツラをしている。王都に付けばもうこんな面倒な事はしなくてよくなるだろう。
そんな頃、王都にいるおじさんから手紙が届いた。買い物ついでに商人ギルドによったときに手紙を回収してきた。
叔父からの手紙には「無事でよかった事」と、「すぐに自分の王都の邸に来る事」「モグリベルの王族からも叔父の所にリアを探している人たちが来た事」「たぶん今も探している事」「リアに会うまで王族には報告はしない事」「知らせてほしくなければこのまま行方不明にしたままでいい事」「カビラ家全員が無事な事」と書かれてあった。
家族が無事である事が嬉しかった。思い切って叔父に連絡をしてよかった。叔父は敵ではないようだ。春になったら王都に向かう予定だった事などの返事を書き叔父に送った。
リアは嬉しくなって手紙を出した後、旅の準備のために買い出しをしようといつものお店に向かう。また羊皮紙などを物色していたら、目立つ容姿の男性ふたり組を見つけた。ちらちらと店のお客も男性ふたりに目をやっている。ふたりとも背が高くキレイな銀髪をなびかせている。ガッチリとしたイケメンと少し華奢なイケメンだった。リアはその内の一人の男性をどこかで見た覚えがあった。
リアはそろそろ一旦元の魔の森の付近に戻る事にした。春の素材を回収したいとの思惑もある。
元の場所に戻ってきたモジャはここら辺は落ち着くのぉと言った。
「え?魔の森の近くなのに落ち着くの?」
『魔の森の近くじゃから落ち着くのじゃ』
「なんで?」
『わしは魔素で生きておる。魔素が少ない所では少々つらいのぉ』
「え?そうだったの?ごめんなさい。知らなかった。言ってくれれば離れなかったのに。あの女だってもう隣の街にいったんだし」
『まあ、念には念をだの。あの後も優秀な冒険者がここに戻って調べておったわいな』
「そうなの?モジャはどうやってそんな事を知るの?」
『見えるんじゃな』
「え?」
モジャは気が付いたら魔の森にいて魔の森や周辺の森に根を広げていたという。根という魔力だろう。モジャの魔力が広がっている所の状況は大体分かるし移動も出来るらしい。だから本当は根っこで走らなくてもいいのだと言った。走ったのはアルディが楽しそうにしていたからだとか、リアが怖がったため、もう走らんってさ。
「どこまでその根はどこまで伸びているの?」
魔の森は魔獣の魔力を取り込んで大きくなっている。そしてまた魔獣を生み出しているそうだ。循環しているのだとか。その循環している魔素を貰っているので自分も魔の物なのだろうと言う。そしてもう何年も根を張っていてモグリベルやシシリアキングス、それを超えた国にも根を伸ばし続けているそうだ。そしていつか自分と同じような同種がいるのではないかと思って根を伸ばし続けているのだとか。
そうか、モジャもひとりだと淋しいのだ。
「じゃあ、もしかして王都まで転移出来るってこと?」
「出来るわいな」
「じゃあ王都に行こう!」
楽して王都に行けるなとリアは思った。
リアは冬の間アルディの残した本や資料を見て勉強していた。森での地図の魔法陣を作る際に書き留められたメモも本の隙間に入っているのを発見していたりした。違う物を探しているのに貴重なメモがいくつも見るかるのだ。「メモ見~っけ」となる。まるで宝捜しだ。
部屋のどこかに隠されているメモを回収ししつ、薬草などの素材を集めつつしていたらすっかり春の陽射しになっていた。雪はすべて溶け、野には花が咲き、人々は動き出した。ついでに魔獣も。結界の外にはまた凝りもせず挑んで魔獣が死んでいる光景が戻ってきた。
相変わらずリアは外に出るときは黒のショールを巻き、水色の巻き毛のカツラをしている。王都に付けばもうこんな面倒な事はしなくてよくなるだろう。
そんな頃、王都にいるおじさんから手紙が届いた。買い物ついでに商人ギルドによったときに手紙を回収してきた。
叔父からの手紙には「無事でよかった事」と、「すぐに自分の王都の邸に来る事」「モグリベルの王族からも叔父の所にリアを探している人たちが来た事」「たぶん今も探している事」「リアに会うまで王族には報告はしない事」「知らせてほしくなければこのまま行方不明にしたままでいい事」「カビラ家全員が無事な事」と書かれてあった。
家族が無事である事が嬉しかった。思い切って叔父に連絡をしてよかった。叔父は敵ではないようだ。春になったら王都に向かう予定だった事などの返事を書き叔父に送った。
リアは嬉しくなって手紙を出した後、旅の準備のために買い出しをしようといつものお店に向かう。また羊皮紙などを物色していたら、目立つ容姿の男性ふたり組を見つけた。ちらちらと店のお客も男性ふたりに目をやっている。ふたりとも背が高くキレイな銀髪をなびかせている。ガッチリとしたイケメンと少し華奢なイケメンだった。リアはその内の一人の男性をどこかで見た覚えがあった。
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