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第44話
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魔の森に連れて来られた馬車の中で最後に一瞬だけ顔が見えたあの兵士に似ていた。あの時は銀髪ではなくブラウン系の色だったが、あの紫の瞳の深い色は忘れない。そういえば叔父の手紙にまだ王家がリアを探していると書いてあった。それであの兵士がリアを追ってシシリーにいるのだとリアは思った。
しかし、あの兵士は助けてくれた兵士だ。どういった訳で髪色が違うのか分からないがどちらかがカツラなのだろう。それにあのツリーハウスだってあの兵士の祖母の物なのだ。いつか返したいとは思っていたが、あの兵士が王家に頼まれてリアを探しているのなら連れ戻されてしまう。兵士の恰好はしていないもののただの観光には思えなかった。
黒のショールを巻いていて水色のカツラをしているリアにはあの兵士達は気が付かないだろう。リアはちょっと兵士の近くに行ってみようとなぞの好奇心が発動してしまった。そっと商品を見ているフリをして、ふたりのイケメンに近づく。イケメンたちはお店で何かを見ていた。
「これかスノーショベルの魔法円は確かに安いな、これは?スノースパイク?雪の上を歩くのか…森の外では需要がありそうだな。モグリベルに少し買っていこうか?」
「いいな。これ、スノーマンだって、うちのガキ共が喜びそうだ。俺はこれを買って行こう。また来年の冬まで取っておかないと」
「何に使うんだ?」
「何にも、ただの飾りだよ。すごく安い」
「なんでそんなの買うんだ?」
「遊び心だろう?」
「はぁ、遊び心ねぇ余裕があるんだな。シシリーは」
リアが売り出したスノーシリーズを次の冬用に選んでいた。スノーマンの魔法円も寒い冬に心がほっとなると評判になり魔術屋にもおかれるようになっていた。
イケメン兵士はモグリベル用にと、雪が無くなって余っていたスノーシリーズをあるだけ買って行くようだった。という事は探すのを諦めてモグリベルに帰るのだろう。
兵士なのに金持っているなと思った。費用は王室から出るのかな。と、リアはどうでもいい事を考えていた。
そしてリアが適当なものを物色していると
「あんた!またインクと羊皮紙を買いに来たのかい!冬の間も何度も追加で買っていたもんね。安くないんだから大切に使いなよぉ」
魔術屋のおかみがよく利用するリアを見つけ大きな声で話しかけてきた。たまにリアと見つけて来ると話掛けて来る陽気なおばさんだった。
が、今はやめてほしい。
「今日はもう一人のグリーンの髪の子は一緒じゃないのかい?」
いつもではないが、たまに一緒に来るといえばヨモの事だろう。
「今日はひとりよ」
愛想笑いをして今はやめてと心で願う。イケメンふたりがこちらを見ているような気がした。
「そうなのかい。あんたいつもたくさん買って帰るけど、重くないのかい?家まで配達に行こうか?春からまた配達を再開するから遠慮はいらないよ。あんたはお得意様だからただでいいよ。家はどこなんだい?」
「大丈夫よ。そんなに遠くないから平気なの」
「そうかい?遠慮はいらないからいつでも言うんだよ?」
「ええ、ありがとう」
今日に限って…と、リアは焦る。
「おかみ、ちょっといいかな。勘定お願いしたんだが」
あのイケメン兵士からおかみに声が掛かる。
「あら、いい男だ。まいどぉ」
おかみは店のカウンターに戻っていった。
リアがほっとしていると「常連なの?」と声を掛けられた。振り向くとイケメン二人の内の一人だった。リアの知らない兵士の方だ。
「え?そうですね」
「いつも羊皮紙を買っているんだ?魔法円とか詳しいの?」
「え?わ、私はまだ見習いで練習にたくさん使ってしまうの」
「へぇ、そうなんだ。俺は魔術具を作っているんだ。シシリーの魔法円は素晴らしいね」
「あ、兵士じゃないのね。私もスノーシリーズを作成できるように勉強中です」
会計を済ませたリアを助けてくれた方のイケメン兵士が戻ってきた。
「どうして俺たちを兵士と思ったんだ?」
「え?」
リアは狭い店内でふたりのイケメンに囲まれて右往左往してしまった。
「どうしてだい?彼は細身でとても兵士に見えないと思うけど」
「そうですね。でも背が高いから…」と、もにょもにょと言ってしまった。
「ん?それ…」
リアが知っているイケメンが、リアのカバンから少し出ているくたびれた麻袋を見つけた。
「ずいぶんくたびれた麻袋をキレイなカバンに入れているんだね?」
「は?え?麻袋?あの、もういいですか?私帰ります」
「羊皮紙買わないのかい?家まで俺たちが運んであげるよ?」
「いえ、いえ、結構です。通してください」
リアは棚と兵士ふたりに囲まれて身動き取れずにいた。
しかし、あの兵士は助けてくれた兵士だ。どういった訳で髪色が違うのか分からないがどちらかがカツラなのだろう。それにあのツリーハウスだってあの兵士の祖母の物なのだ。いつか返したいとは思っていたが、あの兵士が王家に頼まれてリアを探しているのなら連れ戻されてしまう。兵士の恰好はしていないもののただの観光には思えなかった。
黒のショールを巻いていて水色のカツラをしているリアにはあの兵士達は気が付かないだろう。リアはちょっと兵士の近くに行ってみようとなぞの好奇心が発動してしまった。そっと商品を見ているフリをして、ふたりのイケメンに近づく。イケメンたちはお店で何かを見ていた。
「これかスノーショベルの魔法円は確かに安いな、これは?スノースパイク?雪の上を歩くのか…森の外では需要がありそうだな。モグリベルに少し買っていこうか?」
「いいな。これ、スノーマンだって、うちのガキ共が喜びそうだ。俺はこれを買って行こう。また来年の冬まで取っておかないと」
「何に使うんだ?」
「何にも、ただの飾りだよ。すごく安い」
「なんでそんなの買うんだ?」
「遊び心だろう?」
「はぁ、遊び心ねぇ余裕があるんだな。シシリーは」
リアが売り出したスノーシリーズを次の冬用に選んでいた。スノーマンの魔法円も寒い冬に心がほっとなると評判になり魔術屋にもおかれるようになっていた。
イケメン兵士はモグリベル用にと、雪が無くなって余っていたスノーシリーズをあるだけ買って行くようだった。という事は探すのを諦めてモグリベルに帰るのだろう。
兵士なのに金持っているなと思った。費用は王室から出るのかな。と、リアはどうでもいい事を考えていた。
そしてリアが適当なものを物色していると
「あんた!またインクと羊皮紙を買いに来たのかい!冬の間も何度も追加で買っていたもんね。安くないんだから大切に使いなよぉ」
魔術屋のおかみがよく利用するリアを見つけ大きな声で話しかけてきた。たまにリアと見つけて来ると話掛けて来る陽気なおばさんだった。
が、今はやめてほしい。
「今日はもう一人のグリーンの髪の子は一緒じゃないのかい?」
いつもではないが、たまに一緒に来るといえばヨモの事だろう。
「今日はひとりよ」
愛想笑いをして今はやめてと心で願う。イケメンふたりがこちらを見ているような気がした。
「そうなのかい。あんたいつもたくさん買って帰るけど、重くないのかい?家まで配達に行こうか?春からまた配達を再開するから遠慮はいらないよ。あんたはお得意様だからただでいいよ。家はどこなんだい?」
「大丈夫よ。そんなに遠くないから平気なの」
「そうかい?遠慮はいらないからいつでも言うんだよ?」
「ええ、ありがとう」
今日に限って…と、リアは焦る。
「おかみ、ちょっといいかな。勘定お願いしたんだが」
あのイケメン兵士からおかみに声が掛かる。
「あら、いい男だ。まいどぉ」
おかみは店のカウンターに戻っていった。
リアがほっとしていると「常連なの?」と声を掛けられた。振り向くとイケメン二人の内の一人だった。リアの知らない兵士の方だ。
「え?そうですね」
「いつも羊皮紙を買っているんだ?魔法円とか詳しいの?」
「え?わ、私はまだ見習いで練習にたくさん使ってしまうの」
「へぇ、そうなんだ。俺は魔術具を作っているんだ。シシリーの魔法円は素晴らしいね」
「あ、兵士じゃないのね。私もスノーシリーズを作成できるように勉強中です」
会計を済ませたリアを助けてくれた方のイケメン兵士が戻ってきた。
「どうして俺たちを兵士と思ったんだ?」
「え?」
リアは狭い店内でふたりのイケメンに囲まれて右往左往してしまった。
「どうしてだい?彼は細身でとても兵士に見えないと思うけど」
「そうですね。でも背が高いから…」と、もにょもにょと言ってしまった。
「ん?それ…」
リアが知っているイケメンが、リアのカバンから少し出ているくたびれた麻袋を見つけた。
「ずいぶんくたびれた麻袋をキレイなカバンに入れているんだね?」
「は?え?麻袋?あの、もういいですか?私帰ります」
「羊皮紙買わないのかい?家まで俺たちが運んであげるよ?」
「いえ、いえ、結構です。通してください」
リアは棚と兵士ふたりに囲まれて身動き取れずにいた。
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