もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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第58話

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「さて、感動の再会だったな。我々はこれでおいとまするよ」
 マオはスッと立ち上がった。
「マオ、このまま帰るのか。リアから話を聞かなくていいのか?」
「今日の所はいいよ。いずれ話を聞かせて貰うときが来るだろう。リア、俺たちはあの宿にいつでもいるからね」
 リアはコクリと頷く。

 マオとガロはリアを残してコバック家を後にした。


 マオ達を見送った後、リアとショーン・コバックは応接室に戻った。二人は少し張っていた気が抜けたようだった。
「リアは本当に生きていてよかった。ああ、籍の件の話を聞かれていたね。気にしないでくれ。もともとモグリベルは籍の件では先延ばしにされていたんだ。移り住んですぐに籍を変更しなかった私が悪いのだ。さあ、アリアナ。もっと顔をよく見せておくれ」
 ショーン・コバックはリアの顔を覗き込んだ。

「姉さんより美人だ。これはモグリベルのアホ王子が夢中になる気持ちもわかるよ」
「叔父様ったら」
「実は今日アリアナが訪ねて来るとは思ってなかったからまだ何も知らせてなかったんだよ」
「え?」
 その時、応接室にノックが鳴った。
「入れてくれ」
「旦那様、呼んでまいりました」

 応接室に入って来たのはリアの両親と姉だった。
「お父様、お母様!お姉さまも!!」

 リアの両親は何が起こったのか分からず立ちすくんでいた。「アリアナ!」姉のシルビアが一番に反応を見せ「お母様!アリアナよ!」と、母のイザベラを揺さぶる。
リアは駆け寄って3人を抱きしめた。そしてリアはやっと親子の再会を果たした。


 実はアリアナが叔父の家にやって来た1日前にリアの家族は到着していた。そしてコバック家のゲストルームでアリアナからの連絡を待っていたのだ。しかしショーン・コバックは本物のアリアナだという確証がなかったため、邸に呼び寄せた理由は黙っていた。違っていたら姉をがっかりさせるだけだと思ったからだ。

 リアは大事に持っていたヴァナを家族と叔父に見せた。
「そんなもの見なくてもアリアナに間違いないわ。生きていてよかった」
 姉のシルビアはアリアナを抱きしめた。
 アリアナの母イザベラは諦めかけていた娘が突然現れてパニックになっていたがリアから抱きしめられた娘の温かさに生きて帰って来た事を実感した。父リベルは「済まなかった」と何度も言って、リアとイザベラの二人を強く抱きしめた。
「今日はゲストルームで家族団らんで過ごすといい」
 と、コバック男爵は言った。

 リアはようやく長い旅が終わった。


「叔父様、昨日は家族団らんの機会を与えて下さってありがとうございました。久しぶりに家族と会えてうれしかったです。もう会えないのかなって思っていたから」
 昨日の夕食と翌日の朝はコバック男爵の計らいでゲストルームに料理を運び込ませ4人にして貰っていたのだ。

「朝から姉さんも元気に歩き回っていた。歩きたい気分なのって言ってね、この間までいつ倒れてもおかしくない状態であったと言うのに」
「お母様は寝るときも手を放してくれなかったのよ」
「ハハ、姉さんが元気になってよかったよ」
「叔父様、叔父様はいつも忙しくしていると聞いています。ですが、少しだけ時間を作って下さると嬉しいのですが」
「もちろん、私も詳しく話を聞きたいしね。昼食を一緒にしよう。食べながら今までの事を聞かせて貰うよ」
「分かりました」

 昼食にはリアの両親と姉と叔父とで一緒に取る事にした。リアは包み隠さず家族には報告した。占いでの王妃候補の話にイケメン兵士の話やモジャの話も家族には伝えた。
「信じられない」
 姉のシルビアは絶句した。
「確かにアリアナが生まれた時に陛下はなにかと干渉された記憶がある。まさか王子の婚約の話だとは思ってなかったが…」
 父のリベルは言う。
「思い出して見たらそうね。美しい子が生まれたからと何度も城に呼ばれた事があったわね」母イザベラだ。

「その…モジャという生物だが…もしかして昔の本に載っていた千年樹せんねんじゅというものかもしれないね」
「千年樹?」
「精霊が住まう木には魂が宿り、人との意思疎通が可能になるという。まぁ昔話なのだが…」
「モジャはその兵士のおばあさんに見つけられるまで、忘れられていた存在だったと言っていたわ」
「やはり昔々の生き物なんだね、アリアナ。すごいじゃないかそんなものを所有しているなんて」
「所有だなんて、モジャは生きているのよ。真冬でも温かいんだから」
「そうか、すまん」父リベルは怒られてしまった。
「ねぁアリアナ、私もお会いしたいわ。妹がお世話になったんですもの。お礼を言わないと」
 姉シルビアが言う。
「モジャに会いたいだけでしょ。モジャがいいと言ったらご招待するわ」
「お母様もいい?」
「お父様も行きたいな」
「ゴホン、アリアナ。恩を返すのならば今ではないか?」
「みんなご招待したらいいんでしょ?!分かったわよ」

 モジャは王都の門の外にいるとして明日にでもリアは帰ると伝えた。
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