もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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第79話

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 リアは新しい街を楽しんでいた。王都では未だに独立の事で緊迫した状況になっているようだがショーンからはこちらの事は気にせず楽しみなさいと言われていた。リアはその言葉に甘え楽しんだ。ショーンにはオーロが狩ってくる高価な魔獣の肉もお裾分けをしている。それで英気を養ってほしい。


 コスモポリタンの街は色もキレイに統一している街なのだ。所々にビビットカラーとして赤が施されている。紋章は赤クモだ。紋章はその国の王家に深くかかわっているものだ。シシリアキングスの紋章は金のウルフだ。かつてキングダムウルフの瞳をヴァナに取り込んだ男が国を作ったという逸話がある。オーロの横顔のような紋章だ。今でも冒険者の中ではキングダムウルフの瞳を狙っているらしい。そのキングダムウルフはコスモポリタンのモジャの近くでよく昼寝をしている。
 モグリベルの紋章はブルードラゴンだ。天空の使者と言われているそのドラゴンはかつてモグリベルを水の底から救ってくれたという逸話がある。
 逸話ばかりだなと思う。モグリベルに至っては王族から直に聞いている。リアは忘れがちだが元次期王妃なのだ。城の地下には伝説と言われているキレイなブルーの剣が保管されている。それも見せてもらった。その剣には青い色をした登り龍の飾りがあった。ドラゴンってそっちかと思った事がある。ちょっと中国の剣のようだった。

「この国の紋章って珍しいわね。クモでしょう?他の国は強そうな生き物が多いのに」
 他にも熊だったりライオンの紋章の国がある。

「ああ、レッドスパイダーって言うんだ。この国の近くしか生息していないんだよ」
「珍しいクモなのね」
「ああ、あのクモのおかげでこの国があるな」
「そうなの?」
「そうさ、」
 また逸話かな…
「その赤いリボンが付いた麻袋、そのリボンはこの街の特産品さ」
 予想と違った。
「リボン?」
「リアが持っているその麻袋の飾りだよ。赤いリボン」
「麻袋にこんな飾りをするなんて珍しいと思っていたの。でもこのリボンが何?」
「だから特産品。そのレッドスパイダーが出した糸で出来ている」
「そうなんだ。だからこの国は赤い色が多いのね」
「洋服とかには使われないけどね。リボンだけなんだ」
「どうして?あまり取れないの?」
「そうだな…」
 モズは言葉を選んでいるようだった。

「この国の王家はそれを言わずにこの国を手放したのさ」
「それを言わずにって?リボンの事?」
「そう」
「意味がわからないわ」
「あはは、そうだろうな」
「もう、何よ」
「怒るなよ。リアが持っているそれって、0.5㎝幅の60くらいか?」
「赤いリボンのこと?」
「そう」
「それくらいかな?」
「そんな大きなリボンじゃあ無限に入るだろう?」
「え?」
 急に違う角度から時空間バックの話が来た。

「だから時空間バックはそのレッドスパイダーの糸から出来るんだ。レッドスパイダーが出す糸が時空間に繋がっているんだ。なぜ分かったって言うと取ったエサが消えるんだとよ。食べている様子もなかった。それを調べた所、時空間があるってわかったってなわけさ。最初は袋にしてたんだけどその虫は袋として使ってないだろう?だから糸だけでよかったのさ。少しの糸で旅行カバン一つ分は入るんだよ。だからここのモンは糸をカバンに縫い込んであるんだ。そうするとその10倍は荷物が入るんだよ」
「えっと…すごくよく入ります」
「それは結構するよ。金貨1000枚はするな」
「そ、そんなに!」
「外のモンならな。まぁでもこの国のモンでも10枚はするけどな」
 シシリアキングスはその事を知らないのだろうか。

「こんな素晴らしいものがあるなら王家が破綻するなんてことなかったのでは?」
 コスモポリタンは経済破綻でシシリアに吸収されたと聞いていた。
「前王がクソだったんだ。これの事を秘密にして荒稼ぎしていた。それはまあいいとして、その金を湯水のように使った。なんに使ったか知らないが王家は毎度火の車だった。そして次世代が王を捕まえて処刑した。そして戦を起こされるより前に合併を申し出たんだ」
 そうそう、クモの話をなしにした話を授業で聞いた事があった。

「クモの件は先代からずっと国家秘密だったんだ。じゃないと魔の森が荒れるからね。それに寄ってこの国は潤っている」
「私に言っていいの?」
「ここのモンは大体知っている。シシリアの王都からの冒険者も買って帰るよ。皆黙認してる。少し多めに買って貴族に高く売っているようだがね。ただコスモポリタンは小さな国だし、田舎だからね。みんな1日かそこらで移動するんだ。ここを拠点にしている奴は少ない。だから広まらないんだ」
 だから新参者のリアに言っても広まらないとモズは言った。

「色んな国に高く売れば儲けそうなのに…」
 また商人の顔が出てリアである。
「そんなにたくさんの金なんかいらないさ。幸せであればそれでいいんだ。この国は」
「いい国ね」
「シシリアの一部になっちまったけどな」

 モズはちょっと寂しそうに言った。
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