もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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第87話

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「さぁもう終わりだ。君たちはアリアナを置いて帰ってくれ。ロイズとオードスルスの要人を招いて今夜は宴をする予定なんだ。アリアナ、僕のそばにおいで。そんなちんけなドレスなんて君には似合わない。僕がすばらしいドレスをプレゼントしよう」
「また交渉決裂か、帰るぞ。マオリエッタ」
「リアはどうするのですか?」
「知らん」
「…」
 マオはリアを見た。リアはユリウスを見ていた。マオの事などチラリとも見ない。リアは不安そうにしているのかと思いきや呆れた顔をして、ため息を吐いている。それは自分に向けられているとマオは思った。リアは自分を笑っている。意気地なしと。

 最初からリアもシンも自分に助けを求めていないのだ。俺には助けられないと見切られているのは2つの目を持つまでもなくわかった。
「交渉決裂ならリアを連れて戻るべきです」
「平民などどうでもいい。王都に戻り次の手を考えるのだ」
「兄上!」
 モロッコス王子はマオの腕を取り、謁見の間を出た。
「連れ帰ってどうするのだ。陛下があのものに命を下したことを忘れたのか。ベッドの上ででも説得してくれと言ったのだ!バカな男なら女の願いを聞くかもしれん」
「!」
「あの女はそうするしない。王都に戻ってもコバック家は責任を押し付けられ事業を王家に取られるだけだぞ!あの女は家のために説得するしかないんだ!ダメなら他を考えねばならん、帰るぞ!」
「…くっ」
 モロッコス王子に連れられてマオは戻るしかなかった。2つの目を持っていたとしても相手が悪意を隠さずに向けられてはどうしようもない。結局、リアをユリウスの元に連れて来ただけになった。


 マオとモロッコスは王都に戻る為に馬車に乗り込んだ。
「いつまで不貞腐れている。こんな事は国のために仕方がない事だ。あの女もそれがわかって来ていた事だろう」
「…兄上はユリウスの要求をどこまで飲むつもりですか?」
「アンバーは渡せない。ロイズといいオードスルスといい…痛い所を付いてくる」

 その時、馬車が急停止した。
「どうしたのだ?」
 モロッコスが馬車から顔を出す。

 目の前にはロイズ帝国軍の旗が見えた。それは嘗て圧力をかけ無理やり交渉の場を持ち戦わずとも国を明け渡すように言った国の旗だった。その旗はこれからシシリアキングスに忠誠を誓うためにとすべて燃やして処分したと思っていた。






 リアはマオ達が出ていく時も、じっとユリウスを見ていた。婚約者であった時からユリウスの顔をまじまじと見ていたリアはある変化に気が付いた。

「アリアナ、行こうか」
「やはり…」
「アリアナ…?どうしたの?さあおいでよ」
「モグリベルに追放されて頭がおかしくなってしまったの?ユリウス」
「ん?」
「もうこんな事やめましょう?大人しくシシリアキングスの貴族としてアンバーで過ごしたらいいじゃない」
「はぁ僕はそんな事で終わる人間じゃなかったのさ」
「最近疲れているのでは?とても顔色が悪いわ」
「心配してくれるのかい?嬉しいよ、アリアナ。これからも君がいてくれるなら元気になる事だろう」
「私が居ても元気にはならない事ぐらいわかっているでしょう?」
「…さっきから何を言っているんだ?もしかしてシンフォニーの言葉を気にしている?君を他国に売るような事はしないよ?」
 ふうとリアは首を振りながらため息を吐く。

「あなたは他国からいつか攻められる。お金なんていつか無くなってしまうのよ?」
「僕の能力はそのカネを生み出しているのさ」
「あなたはやっぱり気が付いていないのね、可哀そうに…」
「可哀そう?僕が?…はは、どうして僕が可哀そうなんだい…いいからこっちにこい!アリアナ!」
「私はあなたのそばにいるつもりはないわ」
「アリアナ、君はここから出さないよ。君は美しいピンクプラチナの髪を持つ女なのだから。シンフォニーの変わりに外交を頑張ってもらう。君の容姿は外交にはぴったりだ」

 ユリウスは魔力を込め、リアに放った。そしてリアの回りに氷の檻が出現した。リアは鳥籠のような檻に囚われてしまった。

「あっははははーー!どうだい?僕だって成長しているんだ。戦闘が苦手だった昔の僕ではないよ。能力が開花した事により魔力も増幅したのさ。君は逃げられない!!」

 リアを捕らえた大きな鳥籠のような形状の檻は変態さを誘った。
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