もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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-その後-

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 リアがオーロと共に姿を消していた頃、モロッコスとマオリエッタは呑気に王都に帰る途中であった。そこへいきなり武装して現れたロイズ軍に少ない兵力では太刀打ち出来ず、あっけなく捕まってしまった。


 ロイズはアンバーの反対側の鉱山の麓に街があった。両隣には魔の森があり、その後ろには手を組んだオードスルスという国があった。その事で戦闘は前方のみで集中できた。そしてモロッコス達がユリウスにかまけている間に鉱山とアンバーを占領していた。
 二人の王子はロイズに取り押さえられ捕虜となった。ロイズはアンバーから手を引けば王子は返すと交渉した。王は二人の王子を取り返すためにその案に乗るしかなかった。アリアナの事は忘れ去られていた。

 ロイズに取り込まれた事によってシシリアキングスは鉱山を失った。元々鉱山は半分はロイズのものだったのをシシリアキングスがすべてを手に入れるために攻め込んでロイズごと奪った歴史が10年前にあった。この10年間ロイズはそれを覆すために虎視眈々と狙っていたのだ。
 罪人は元の罪人となり鉱山で掘り当てる他なく、作った街は今後ロイズが支配することになった。

 ユリウスはロイズから感謝されアンバーは「ブロン」と街の名を変えユリウスが取り締まる形を取っている。しかし、今後の表舞台でユリウスを見たものはいない。白い城の中で生きているのだろうと思われた。






 リアがユリウスの城に取り残された時、シンは傷ついたフリをしてその場を後にした。そしてオードスルスが用意した馬車に乗り込んだ。前もってテムがこっそりと荷物を積み終えていたのだ。数人の信用が置けるテムを含めた侍女たちと共にオードスルスに向け出発をした。鉱山には馬車が通れる道が作られており、数日後にはロイズを経由してオードスルスに入る事になる。
「コバーンから連絡が来たよ。慌ててアンバーから出なくてもユリウスが自滅したらしいよ」
 テムが言った。
「そうなの?なんだつまらない。私に逃げられて悔しそうな顔もなかったのね。悔しいわ…でもまぁいいわ、シシリアキングスからでられたんだから」
「罪人として連れ戻されないかねぇ」
「その時はその時じゃない?」
「そうだね」
「しばらくはコバーンの所に身を置きましょう、それからどうするか考えればいいじゃない」


 マオとモロッコスがブロンエクレトンにアリアナを連れてくる数日前にブロンエクレトンにはオードスルスからコバーン・バチェラー次期公爵が入国した。シンと学友だったコバーンと密会を重ねた。
 元々はシンがコバーンを誘惑し、脱出の道を作って貰おうと画策していたのだが、オードスルスは以前からいつかシシリアキングスから攻め込まれるだろうと悩んでいた。そんな経緯がありコバーンはシンからの連絡を貰った事でユリウスの提案を乗ってみる事にしたのだ。

 そしてシンの事は学生の頃に、ときめいていた相手ではあったが今は家庭を持ち幸せに暮らしている。それを壊そうとは思っていなかったがシンが連絡をくれた事により国は守られる事になった。
 そこでコバーン・バチェラー次期公爵はユリウスにシンを寄越せという事で話をしたのだ。ユリウスはシンにうんざりしていた所にシンの変わりになるリアが生きていると知って、面倒なシンを用済みにしたのだ。
 そしてシンはそれは悔しそうな顔をして退場となったのである。
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