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人気の無い、静かな場所でランチを食べたい。
そう思って探し出した場所には既に先客がいた様だ。
「あら、貴女は…」
「!申し訳ありません、すぐに移動します」
この方顔色も悪いし大丈夫なのかしら。あら。
ぐー…きゅる
「まあ」
「私ったら、大変失礼を…」
「よろしいのよ。ねぇ、良かったら一緒に召し上がらない?」
ぽつぽつと食事を口にしながら彼女が語ってくれた。
高位貴族の令息が最近になって自分の周りに良く現れる様になった事。その為令息の婚約者の方を含めた令嬢達に苦言を言われている事。その事で自分は大丈夫だといくら断りを入れても慎んでくれず、より姿を見せる様になった事。どんどんと悪循環に陥ってどうしたら良いのか分からないと最後の方は涙ながらに話してくれた。
「まあ…それは確かに辛いわね。ご自分よりも爵位が上の、しかもご本人達には親切のつもりならなおの事理解下さらないのかもしれないわね」
「はい、私には相談できる方もいないので、もうどうすれば良いのか見当もつかないです」
うーんどうすれば彼女にとって一番良い方向に運ぶのかしら。思考に気を取られていると「あっ」と彼女の声にはっとする。
「申し訳ありません、すっかり失念して名乗る事もせず。ヘルネ子爵家の次女、ペトラ・ヘルネと申します」
「私もですわね。ノイハイム伯爵家長女、アウレーナ・ノイハイムですわ」
はたと見つめ合ってくすくす笑い合う。
「よろしければペトラ様とお呼びしても?私の事は是非アウレーナと呼んでくださいませ」
「そんな!光栄です、アウレーナ様」
ああ、そうだわ!お昼はここで一緒にとればいいのよ。クラスは高位と下位の貴族では学ぶ事が違うから一緒には居れないけれど、少しはマシになるかもしれない。それがいいかも、そうしましょう。
それからは2人で食事を取り、会えば軽い雑談をする仲になった。
今日も一緒に食事を取ろうと向かう途中に呼び止められる。
「ノイハイム様、少し宜しくて?」
あら、と振り返ると今呼び止められたリーザベト・レンブルク公爵令嬢、その少し後ろにはイーザンナ・デンハイム辺境伯令嬢、ザブリーネ・ロイヒェン伯爵令嬢、ダニエルナ・ライスナー伯爵令嬢がいらしゃった。
どの方々も由緒ある家名に相応しい立派な御令嬢達だ。
「勿論ですわ。皆様如何致しましたの?」
「ペトラ・ヘルネ様と最近親しくなさっていると伺いました。噂はご存知ですよね」
あら、皆様ももしかしてペトラ様の不遇に憂いていらしゃるのね!
「まあ、それでは皆様ペトラ様の状況に心を痛めてご助勢下さるのですか!?私だけでは心許なかったのできっと彼女も喜びますわ!」
「え、少しお待ちになって?どういう事なのか話していただけるかしら」
ペトラ様から聞いた事を説明する。皆様の表情が険しくなっているけどどうしたのかしら。
「…そうですか。お話はわかりましたわ。ペトラ・ヘルネ様ご自身からもお話を伺いたいので私個人が使えるサロンがあります。そちらに…そうね、2日後の放課後来ていただける様伝えて頂けるかしら。ああ、ノイハイム様も一緒によろしいかしら。」
「ええ、承りました。ペトラ様とご一緒に伺いますわ」
それではと告げ彼女の待っているであろう場所に向かった。
「…という事ですので2日後私と一緒に参りましょうね、ペトラ様」
「え、ええ!?あ、その私…」
「あら、もしや外せないご用事がありましたの?そうとは知らずに勝手に約束を取り付けてしまいましたわ」
どうしましょう?と首を傾げると、ペトラ様は決意した様に握り拳を作り、自分に言い聞かせる様に言いました。
「いえ、大丈夫です。行きます!アウレーナ様もご一緒して下さいますものね。私は行きます!」
あらまあ。
そう思って探し出した場所には既に先客がいた様だ。
「あら、貴女は…」
「!申し訳ありません、すぐに移動します」
この方顔色も悪いし大丈夫なのかしら。あら。
ぐー…きゅる
「まあ」
「私ったら、大変失礼を…」
「よろしいのよ。ねぇ、良かったら一緒に召し上がらない?」
ぽつぽつと食事を口にしながら彼女が語ってくれた。
高位貴族の令息が最近になって自分の周りに良く現れる様になった事。その為令息の婚約者の方を含めた令嬢達に苦言を言われている事。その事で自分は大丈夫だといくら断りを入れても慎んでくれず、より姿を見せる様になった事。どんどんと悪循環に陥ってどうしたら良いのか分からないと最後の方は涙ながらに話してくれた。
「まあ…それは確かに辛いわね。ご自分よりも爵位が上の、しかもご本人達には親切のつもりならなおの事理解下さらないのかもしれないわね」
「はい、私には相談できる方もいないので、もうどうすれば良いのか見当もつかないです」
うーんどうすれば彼女にとって一番良い方向に運ぶのかしら。思考に気を取られていると「あっ」と彼女の声にはっとする。
「申し訳ありません、すっかり失念して名乗る事もせず。ヘルネ子爵家の次女、ペトラ・ヘルネと申します」
「私もですわね。ノイハイム伯爵家長女、アウレーナ・ノイハイムですわ」
はたと見つめ合ってくすくす笑い合う。
「よろしければペトラ様とお呼びしても?私の事は是非アウレーナと呼んでくださいませ」
「そんな!光栄です、アウレーナ様」
ああ、そうだわ!お昼はここで一緒にとればいいのよ。クラスは高位と下位の貴族では学ぶ事が違うから一緒には居れないけれど、少しはマシになるかもしれない。それがいいかも、そうしましょう。
それからは2人で食事を取り、会えば軽い雑談をする仲になった。
今日も一緒に食事を取ろうと向かう途中に呼び止められる。
「ノイハイム様、少し宜しくて?」
あら、と振り返ると今呼び止められたリーザベト・レンブルク公爵令嬢、その少し後ろにはイーザンナ・デンハイム辺境伯令嬢、ザブリーネ・ロイヒェン伯爵令嬢、ダニエルナ・ライスナー伯爵令嬢がいらしゃった。
どの方々も由緒ある家名に相応しい立派な御令嬢達だ。
「勿論ですわ。皆様如何致しましたの?」
「ペトラ・ヘルネ様と最近親しくなさっていると伺いました。噂はご存知ですよね」
あら、皆様ももしかしてペトラ様の不遇に憂いていらしゃるのね!
「まあ、それでは皆様ペトラ様の状況に心を痛めてご助勢下さるのですか!?私だけでは心許なかったのできっと彼女も喜びますわ!」
「え、少しお待ちになって?どういう事なのか話していただけるかしら」
ペトラ様から聞いた事を説明する。皆様の表情が険しくなっているけどどうしたのかしら。
「…そうですか。お話はわかりましたわ。ペトラ・ヘルネ様ご自身からもお話を伺いたいので私個人が使えるサロンがあります。そちらに…そうね、2日後の放課後来ていただける様伝えて頂けるかしら。ああ、ノイハイム様も一緒によろしいかしら。」
「ええ、承りました。ペトラ様とご一緒に伺いますわ」
それではと告げ彼女の待っているであろう場所に向かった。
「…という事ですので2日後私と一緒に参りましょうね、ペトラ様」
「え、ええ!?あ、その私…」
「あら、もしや外せないご用事がありましたの?そうとは知らずに勝手に約束を取り付けてしまいましたわ」
どうしましょう?と首を傾げると、ペトラ様は決意した様に握り拳を作り、自分に言い聞かせる様に言いました。
「いえ、大丈夫です。行きます!アウレーナ様もご一緒して下さいますものね。私は行きます!」
あらまあ。
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