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終わりのための旅
決意の選択
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最悪だ。
俺は心の中で呟いた。
少女を助けても、助けられなくても目的には繋がらない。
「おい」
低い声が飛んできた。
「お前は、今何を考えているんだ?」
男は続ける。
「なぜ迷っている?なぜ何かに躊躇している?」
問が早い。
問が重い。
「このまま穏便に済ませるか、その少女を助けるか、、その二択で迷っているのか?」
「冷静になれ」
間髪入れず続く。
「ここまで生きたお前だ。すぐ選べるだろう」
その通りだ。
ここまで生きてきたのも、俺のための選択を選んできたからだ。
だって、誰も見ていない。
俺が生きればいい。他はどうでもいい。
なのに今、迷っている。
なぜだ。
義理も特も、理由もない。
汗が落ちる。
また一滴。
俺は少女の方を見る。
まるで最後の希望みたいな表情で、震えながら俺を見上げている。
その瞳は「生きたい」と訴えかけている。
俺は自衛隊らしき男に向き直す。
決意ができた。
「お互い、やつらに苦しめられましたよね」
驚くほど滑らかに喋れた。
先程までの震えはない。
「でも、、、この状況でこの子を殺すのは間違っていると思います」
言ってしまった。
もしこの後、まだ生きていたら、この時の俺を呪おう。
カッコつけるな馬鹿が、と。
男の表情は変わらない。
まるで俺がこの選択を選ぶことを、最初から知っていたかのように。
真顔ではなく、感情がないという表現の方が正しい。
「まー、、理解できなくもない」
なぜか銃を下ろす男。
「ただ、俺も考えを変えるつもりもない」
地面に銃を置く男。
「流石に生きている人間に発砲する気はない。
感染の疑いのある人間は別だが、、」
男はこちらへ歩き出す。
少女は目を見開き、さらに震える。
少女が俺に会ったときから震えていたのは、この男に追われていたからだ。
状況は理解できた。
男との距離が縮まり、拳の射程圏内に入った。
そして静かに、迷いもなく殴りかかってきた。
ドンっと、音が響く。
男の拳が俺のガードの上から、頭部に衝撃を与える。
顔に当たれば、意識は飛ぶ。
せめて顔だけは守らなくては。
相手の一撃の重さと容赦のなさに驚く。
さすが自衛隊。
一般人だと相手にならない。
俺は防御することにいっぱいいっぱいだった。
上下を交互に殴り続ける男。
拳は止まらない。
まるで機械のようにテンポ良く。
「ここから逃げて!時間を稼ぐから!」
気づけば俺は叫んでいた。
このまま殴られ続けるのはやばいと感じた。
取り敢えず、少女を逃さなければ、、。
有難いことに、少女の理解は早かった。
一瞬、迷いが見えたが、少女は振り返らず走り出した。
少女の背中が遠くなっていく。
その一瞬に、俺は男に投げ飛ばされた。
背中を強く地面に叩きつけられ、呼吸ができない。
動けない。
男は地面に転がった俺を見向きもせず、少女が逃げた方向に歩いていく。
だが少女が逃げる時間には十分ではない。
まだ少女の背中が見える範囲にある。
追いつかれる距離だ。
「ちくしょう、、」
無理やり体を起こし、俺は男の背中に飛びついた。
何度繰り返したか、、。
殴られ、投げ飛ばされ、またしがみつく。
その繰り返し。
ただの意地だ。
だが、ついに立ち上がれなかった。
腕も脚も、自分のものかと思うくらいに重い。
自衛隊らしき男は、ジッとこちらを見ていた。
まるで珍しい生き物でも見ているように。
そして無言のまま、少女が消えた方向に去っていった。
俺はその背中を眺めることしか出来なかった。
少女が逃げる時間は十分に稼げた。
そして糸が切れたように、俺の意識は落ちた。
俺は心の中で呟いた。
少女を助けても、助けられなくても目的には繋がらない。
「おい」
低い声が飛んできた。
「お前は、今何を考えているんだ?」
男は続ける。
「なぜ迷っている?なぜ何かに躊躇している?」
問が早い。
問が重い。
「このまま穏便に済ませるか、その少女を助けるか、、その二択で迷っているのか?」
「冷静になれ」
間髪入れず続く。
「ここまで生きたお前だ。すぐ選べるだろう」
その通りだ。
ここまで生きてきたのも、俺のための選択を選んできたからだ。
だって、誰も見ていない。
俺が生きればいい。他はどうでもいい。
なのに今、迷っている。
なぜだ。
義理も特も、理由もない。
汗が落ちる。
また一滴。
俺は少女の方を見る。
まるで最後の希望みたいな表情で、震えながら俺を見上げている。
その瞳は「生きたい」と訴えかけている。
俺は自衛隊らしき男に向き直す。
決意ができた。
「お互い、やつらに苦しめられましたよね」
驚くほど滑らかに喋れた。
先程までの震えはない。
「でも、、、この状況でこの子を殺すのは間違っていると思います」
言ってしまった。
もしこの後、まだ生きていたら、この時の俺を呪おう。
カッコつけるな馬鹿が、と。
男の表情は変わらない。
まるで俺がこの選択を選ぶことを、最初から知っていたかのように。
真顔ではなく、感情がないという表現の方が正しい。
「まー、、理解できなくもない」
なぜか銃を下ろす男。
「ただ、俺も考えを変えるつもりもない」
地面に銃を置く男。
「流石に生きている人間に発砲する気はない。
感染の疑いのある人間は別だが、、」
男はこちらへ歩き出す。
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少女が俺に会ったときから震えていたのは、この男に追われていたからだ。
状況は理解できた。
男との距離が縮まり、拳の射程圏内に入った。
そして静かに、迷いもなく殴りかかってきた。
ドンっと、音が響く。
男の拳が俺のガードの上から、頭部に衝撃を与える。
顔に当たれば、意識は飛ぶ。
せめて顔だけは守らなくては。
相手の一撃の重さと容赦のなさに驚く。
さすが自衛隊。
一般人だと相手にならない。
俺は防御することにいっぱいいっぱいだった。
上下を交互に殴り続ける男。
拳は止まらない。
まるで機械のようにテンポ良く。
「ここから逃げて!時間を稼ぐから!」
気づけば俺は叫んでいた。
このまま殴られ続けるのはやばいと感じた。
取り敢えず、少女を逃さなければ、、。
有難いことに、少女の理解は早かった。
一瞬、迷いが見えたが、少女は振り返らず走り出した。
少女の背中が遠くなっていく。
その一瞬に、俺は男に投げ飛ばされた。
背中を強く地面に叩きつけられ、呼吸ができない。
動けない。
男は地面に転がった俺を見向きもせず、少女が逃げた方向に歩いていく。
だが少女が逃げる時間には十分ではない。
まだ少女の背中が見える範囲にある。
追いつかれる距離だ。
「ちくしょう、、」
無理やり体を起こし、俺は男の背中に飛びついた。
何度繰り返したか、、。
殴られ、投げ飛ばされ、またしがみつく。
その繰り返し。
ただの意地だ。
だが、ついに立ち上がれなかった。
腕も脚も、自分のものかと思うくらいに重い。
自衛隊らしき男は、ジッとこちらを見ていた。
まるで珍しい生き物でも見ているように。
そして無言のまま、少女が消えた方向に去っていった。
俺はその背中を眺めることしか出来なかった。
少女が逃げる時間は十分に稼げた。
そして糸が切れたように、俺の意識は落ちた。
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