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終わりのための旅
背後の正体
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少女も背後の存在に気づき、震えが大きくなった。
バッと振り向く。
応戦の構えを取る。
目の前にいるのは、当然やつらだと思っていた。
だが立っていたのは人間だった。
銃を構えた、迷彩服の男。
多分だが、自衛隊だろうか?
人間だったという安心と、物騒な見た目の男への不安が同時に押し寄せ、余計に状況がわからなくなる。
生きた人間に二人も会えたのに、状況への理解が追いつかない。
しばらくの沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは、銃を構えた自衛隊らしき男だった。
「どけ」
低く、重たい声だった。
気づけば、俺の足は勝手に横へずれている。
その風格に圧倒され、先に体が動いていた。
だが、同時に少女が駆け寄ってきた。
そして俺の腕にしがみついた。
「――っ!」
全身が硬直する。
やつらに変わった少女が、俺を襲いに来たと思った。
だが違う。
少女はまだ人間のままだ。
涙を流しながら必死にしがみついている。
状況が理解できず、動揺するしかなかった。
気づけば、自衛隊らしき男の銃口が、まっすぐこちらに向けられている。
「そいつは感染している。昨日時点で既に噛まれていることを確認している。」
無表情で告げられたその言葉だが、そのおかげでいくつか理解出来たこともあった。
――少女はやっぱり噛まれている。
だが、昨日時点でこの男が噛み傷を見ているなら三十分は経過している。
なのに、少女はやつらになっていない。
――もしかすると、やつらが急に動かなくなったのと同じ理由で、感染すらも止まってしまったのではないだろうか。
もしかすると少女は危険じゃないかもしれない。
答えを出すには早すぎるが、目の前の命を無駄にする必要もないかもしれない。
「あの、、、」
ようやく声を絞り出せた。
自衛隊らしき男は、無言のまま。
「昨日時点で噛み傷を確認していて、現時点で変わっていないということは大丈夫なんじゃないでしょうか?、、」
「あなたも知っていると思いますが、やつらはもう動きません。なのでこの少女も、、」
その瞬間、男の表情が険しくなった。
「俺を馬鹿にしているのか?」
怒りが混じっている。
だが感情的な叫びではない。
研ぎ澄まされた刃物のように冷たく、機械的だった。
「今の状況ぐらい理解している。だが、確実な安全を証明できるか?
そいつは感染者に噛まれた。それは事実だ」
「俺が処理をする。早くどけ」
何を言っても意思を曲げないという重さが伝わった。
どうすればいい?
目の前には明らかに話の通じないタイプの男。
抵抗しても多分勝てない。
銃を向けられているのは俺ではなく、少女だ。
正直、初めて会った少女を助ける義理はない。
穏便に済ませれば、俺はなんとかなる。
俺は俺の目的を果たす必要がある。
ここで死ねば、前の住処で死ぬのと変わりないじゃないか。
その時。
少女が俺にしがみついた。
「助けてください」
涙まじりのかすれた声。
その小さな手が、震えながら俺の腕を掴む感触が伝わった。
バッと振り向く。
応戦の構えを取る。
目の前にいるのは、当然やつらだと思っていた。
だが立っていたのは人間だった。
銃を構えた、迷彩服の男。
多分だが、自衛隊だろうか?
人間だったという安心と、物騒な見た目の男への不安が同時に押し寄せ、余計に状況がわからなくなる。
生きた人間に二人も会えたのに、状況への理解が追いつかない。
しばらくの沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは、銃を構えた自衛隊らしき男だった。
「どけ」
低く、重たい声だった。
気づけば、俺の足は勝手に横へずれている。
その風格に圧倒され、先に体が動いていた。
だが、同時に少女が駆け寄ってきた。
そして俺の腕にしがみついた。
「――っ!」
全身が硬直する。
やつらに変わった少女が、俺を襲いに来たと思った。
だが違う。
少女はまだ人間のままだ。
涙を流しながら必死にしがみついている。
状況が理解できず、動揺するしかなかった。
気づけば、自衛隊らしき男の銃口が、まっすぐこちらに向けられている。
「そいつは感染している。昨日時点で既に噛まれていることを確認している。」
無表情で告げられたその言葉だが、そのおかげでいくつか理解出来たこともあった。
――少女はやっぱり噛まれている。
だが、昨日時点でこの男が噛み傷を見ているなら三十分は経過している。
なのに、少女はやつらになっていない。
――もしかすると、やつらが急に動かなくなったのと同じ理由で、感染すらも止まってしまったのではないだろうか。
もしかすると少女は危険じゃないかもしれない。
答えを出すには早すぎるが、目の前の命を無駄にする必要もないかもしれない。
「あの、、、」
ようやく声を絞り出せた。
自衛隊らしき男は、無言のまま。
「昨日時点で噛み傷を確認していて、現時点で変わっていないということは大丈夫なんじゃないでしょうか?、、」
「あなたも知っていると思いますが、やつらはもう動きません。なのでこの少女も、、」
その瞬間、男の表情が険しくなった。
「俺を馬鹿にしているのか?」
怒りが混じっている。
だが感情的な叫びではない。
研ぎ澄まされた刃物のように冷たく、機械的だった。
「今の状況ぐらい理解している。だが、確実な安全を証明できるか?
そいつは感染者に噛まれた。それは事実だ」
「俺が処理をする。早くどけ」
何を言っても意思を曲げないという重さが伝わった。
どうすればいい?
目の前には明らかに話の通じないタイプの男。
抵抗しても多分勝てない。
銃を向けられているのは俺ではなく、少女だ。
正直、初めて会った少女を助ける義理はない。
穏便に済ませれば、俺はなんとかなる。
俺は俺の目的を果たす必要がある。
ここで死ねば、前の住処で死ぬのと変わりないじゃないか。
その時。
少女が俺にしがみついた。
「助けてください」
涙まじりのかすれた声。
その小さな手が、震えながら俺の腕を掴む感触が伝わった。
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