AFTER DEAD「最後の帰路」

ハンドアイランド

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終わりのための旅

少女の選択

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「、、、ついて行く」

少女は下を向いたまま、ただそれだけを呟いた。
声は小さいが、迷いはなかった。

俺は短く答えた。

「、、わかった」

正直に言えば、望んでいた返事ではない。
このまま別れることを、どこかで期待していた。

でももし、「行く」と少女が決めたなら遠ざけるつもりはなかった。
昨日、衝動で助けてしまった。
そのあとは見て見ぬふり。
それは流石に大人として情けなく感じた。

責任も守れる保証もない。
でも、やれるだけやらなければ。

少女は何も言わず、ただ俺のそばに立っている。
もうこの旅は「一人じゃないこと」を示すように。


こうして、死に向かう旅は二人の旅になった。

俺の行く先は決まっている。
だが、少女はこの先どうするのか。
家に着いた時に、俺はこの少女に何をどう伝えるのか。
どうせ今考えた所で答えは出ない。

歩きながら、俺は当たり障りのない会話を少しづつ投げかけた。

「疲れてない?」

「休憩する?」

少女は短い言葉で答える。
同時に俺は、この世界でどう生きてきたのかを聞いてみた。

やつらが世界を支配するようになった頃、少女は幼かった。
当時の記憶はほとんどないらしい。

物心がついたときには、父親のみ。
母親に関する記憶は一切ないとのこと。

「ずっと、、、、二人だった」

父親と二人で逃げて、隠れて、食べ物を探して。
それの繰り返し。
俺と違うのは、一人ではなかったということ。

俺は相槌もせづ、少女の話を聞いていた。
かえって邪魔になる気がしたからだ。

少女の背中は小さいのに、妙にまっすぐだった。
この世界で生きてきた少女の強さが伝わってきた。

父親の件は、聞かなかった。
多分、最近のことだろう。
思い出したくないだろうし、無理に掘り返す必要はない。

父親を失い、男に追われる。
そいて今は、よく知らない男と旅をしている。
もし俺が少女と同じくらいの歳なら、耐えることはできなかっただろう。

横を歩く小さな存在の偉大さに、現実味を失う。


それからの旅は驚くほど順調だった。
危険なことは一切起きない。
ただ二人で歩くだけの時間。

ただ違ったのは、速度だ。
少女のペースに合わせる分、進みはかなり遅い。
地図で思い描いていた予定よりも、大幅に遅れている。

ただ急がせることはしない。
歩きながら、少女の表情が少しづつ変わってくのに気づいた。
目に余裕が戻ってきている。
周囲への視線も、怯えから好奇心に変わっている気がする。

その変化を見て、俺は少しだけ安心した。
この少女を連れてきた選択は間違っていなかったと。

そして次の大都市へ足を踏み入れた。
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